© 2001-2024, Kyu-hachi TABATA updated on  2010/10/27

休八写真館アクセサリー室(入・反射光露出計)

セコニック L-28C2 Studio deluxe C2



Sekonic Studio Deluxe L-28c2 セコニッ クのベストセラー機 − スタジオデラックス。

もともとは Norwood Director を源流とするらしい。それが Brockway meter (=Sekonic Studio) になり、Sekonic Studio deluxe になったようだ。斬新だったのはデザインで、黒をベースとしたボディにアクリルを多用した文字盤は高い質感がある。革製のケースもなかなか凝って いて、曲 線で構成されていて、パーツ類の収納などもできる。こう いうケースは今やなかなかお目にかかれない。カメラや露出計が高価であった時代を感じさせてくれる。

受光部は用途によって取り替える。入射光測定には半球を付けて使用するが、補助光用には白色平板、反射用には光角度板を使用する。光が強いときに は、補助 板を受 光部に差す。指針の示す値はフートキャンドル (foot candle, fc) であるから、照度計としてまず成り立っている露出計 である。

計測は文字盤中央のボタンを押すことで始まる。明るさに応じてメーター部の指針が動いて停止(ホールド)するので、その fc 値を読む。そして文字盤外径の fc値を文字盤内径の赤▲印 (High range) か白▲印 (Low range) で合わせることで、絞りとシャッター速度の組み合わせを読みとることができる。

一方、メーター部のフートキャンドル下には、赤字で直読用の絞り値が示されており、直読用のスライドを補助板として差し込むと直読できるようにな る。ただ し、直読用スライド(別売り)を用意しなければならないし、撮影条件に応じて適切なスライドを選び、それを受光部に差す(差し替える)手間が必要 になる。

追記1:  セコニックは、昭和6年に無線機製造の成光通信機製作所として設立された。その後、成光電機工業(昭和26年)、セコニック(昭和35 年)と社名を変更。 コパルやコニカとも提携関係にあったことがある。

追記2: 直読用ス ライドがなくても (補助板無し)、直読値を使用する方法(裏技?)がある。ASA/DIN 表示を回転するための丸いビット部を矢印に見立てて、回転円盤の最外縁に書かれているf値を指針の示す直読値と一致させるのだ。fc値を介す るのと同じ手 順になるので、「直読」ではなくなるのだけれど・・・。
明るさの3要素
明るさの3要素追記3: フー トキャンドル(=フィートキャンドル)とは、映画撮影の露出値の単位。平 方フィートあたり 1ルーメン (lm) の照度をさしていて、cgs 単位系のルックス (lx) に換算できる。なお、キャンドル candle とは蝋燭のことだが、カンデラ candela と同義。
1 fc =  1 lm/ft2 = 10.764 lx
追記4: 光の単位には、大きく3つある。光源の明るさを示すカンデラ (candela, cd, 光度)、そこから照射される光の量を示すルーメン(lumen, lm, 光束)、物体に届く明るさを示すルクス(lux, lx, 照度)である。フートキャンドルは名前から光度(=光源の明るさ)の単位のように思えるが、現在の単位系にすると、照度(=物体に届く明るさ)の単位になる。

発売年
1970年   愛着度★★
型式
入射光・反射光兼用
受光素子
セレン素子 (電池不要)
測光範囲 EV 4-17
入射式
光球または平板(補助光)を付けて測光
反射式
光角度板を付けて測光(測光角54度)
目盛り
ISO 6〜12000、絞り 1〜90、シャッタースピード 60秒〜1/2000、EV 1〜20、シネ目盛り 4〜1000、0点調整付き
大きさ・重さ w107mm x h58mm x d30mm 250g 
関連 web
セコニック / L-28c2 マニュアルPDF: http://www.sekonic.co.jp/pdf/L-28C2.pdf
Doggo's HP / Norwood Director : http://homepage3.nifty.com/doggo/ND/ND02.htm
Doggo's HP / Sekonic : http://homepage3.nifty.com/doggo/sekonic/sekonic.htm
James's Light Meter Collection: http://www.jollinger.com/photo/meters/index.html

<スタジオデラックスの系譜>


スタジオ・シリーズ
スタジオDX シリーズ
備考
1957年
L-28A
Studio S    
セレン式。メータースケールが旧表示
1964年
    L-28C
Studio Deluxe
セレン式。Sの計算ダイヤルを変更。
1970年
L-28A2
Studio S2 L-28C2
セレン式。絞りがF45からF90まで拡大される。
1976年
    L-398
セレン式。校正定数の変更。メータースケール新表示。
1977年
L-418 Auto Meter


CdS式(単3電池使用)。デザインは似ているが別シリーズと考えてよいかも。
1981年
L-448 Studio Auto II

CdS式(単3電池使用)。デザインは似ているが別シリーズと考えてよいか も。
1989年


L-398M Studio Deluxe II セレン式。ダイヤル文字拡大。メモ指針付ける。
2006年


L-398A Studio Deluxe III セレンに代わってアモルファス電池を使用。


とびら へ 前へ  次へ
↑ トップへ