updated on 2022/03/05

休八写真館＞デジタルカメラ室

Canon PowerShot Zoom

東京の鳥たちは、人を恐れない。

川や森や公園で憩う鳥たちはごく自然に振る舞っていて、よい被写体になってくれる。だから、ちょっとした散歩のときに望遠の効くカメラが欲しかった。軽くて小さければ、この上ない。

いつも携帯しているコンデジ PowerShot G5X は、焦点距離が 28～100mmである。通常の写真には十分だが、鳥を撮るにはだいぶ足りない。そんなところに、この PowerShot Zoom を見つけた。Canon の製品だが、クラウド・ファウンディングで商品化されたものである。

特徴は、 100～800mm という望遠に特化したカメラであること。しかも、145gとスマホと同程度の軽さ。操作性もよく、ボタン1つで瞬時に 100mm、400mm、800mm と切り替わる。フォーカスも早い。レンズカバーが付いていないのは不満だが、起動時間が短いことと合わせて、構えてすぐに見たり、撮ったりができることを優先しているのだと思う。

ただし、解像度や描写力が今ひとつである。撮影した画像のチェックもやりにくい。撮影のためのシャッターボタンが微妙な位置にあって、操作しにくい。焦点距離を変えた直後は Photo ボタンを半押ししないとAFが効かないこともある。だから、カメラとしてはちょっと物足りないと思うことがある。

だが、割り切って、単眼鏡として使うのならば便利である。倍率にして 1.2x、4.8x、9.6x というのが、鳥を見る（撮る）のにちょうどよいからだ。そもそも、双眼鏡や単眼鏡で軽量なものは、ひとみ径がせいぜい 4-6mm程度であり、暗いところでは視認性がかなり落ちる。この点、本機は電子ビューファインダーであるから、非常に見やすいし、暗いところでも明るい。オートフォーカスなのも便利である。何より軽くて小さいので、躊躇せずにカメラバッグに入れられる。

こうしたことから、軽い散歩のときだけでなく、本格的な鳥の撮影行でも、持ち歩くようになった。ちょっと休みながら、鳥待ちをしているときなどに使うのである。

追記１：充電器がちょっと変則的。付属のケーブルが type C - type C であり、充電器も 9V 2A (=18W) のパワータイプが必要。充電器は付属していないので、別に購入する必要がある。だが、USB給電も type C によってだいぶ高性能化した。今後のことも考えて、20W以上の充電器を購入する手もある。

追記２：ネーミングにもちょっと不満。Zoom とはあまりにありきたりだし、普通のズーム機と区別がつかない。焦点切り替え型なので、Zoom とはいえないようにも思う。例えば、バーズアイ（＝鳥の目）などはどうだろうか。

発売年	2020年10月　　　愛着度★★★
型式	コンパクト・デジタルカメラ、手ぶれ補正付き
撮影素子	1/2.3型 CMOS（裏面照射型、実質 1/3）、1,210万画素　（4,000 x 3,000 pixel）
プロセッサ	DIGIC 8
レンズ	13.8-55.8mm F5.6-6.3 （35mmフィルム換算で100-400mm 相当）最短 1m (W) / 4.5m (T) ボタン操作で、100mm、400mm、800mm と切り替わる（倍率 1.2x、4.8x、9.6x）
シャッター	1/8000～30秒 (秒間10コマ)
測光・測距	コントラスト検出型AF (EV7-17)
ファインダー	電子ビューファインダー（236万画素）視野率100％
記憶媒体	microSDカード (SD, SDHC, SDXC)
電池・電源	リチウムイオン充電池内蔵　（9V 2A のパワー充電）
大きさ・重さ	w33.4mm x h50.8mm x d103.2mm 145g　（本体のみで 144g）
関連 web	日本野鳥の会 Bird Fan： https://www.birdfan.net/lp/powershotzoom/index.html PowerShot Zoom：https://cweb.canon.jp/camera/dcam/lineup/powershot/zoom/

オオバン。隅田川テラスで。400mm での撮影。	ユリカモメ。隅田川テラスで。400mm での撮影。
カワセミ。仙台堀川公園で。800mm での撮影。	オナガガモ♀。仙台堀川公園で。800mm での撮影。
カワセミ。仙台堀川公園で。800mm での撮影。

とびらへ

前へ　次へ

↑　トップへ