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休八写真館針穴カメラ室(中判)

Natasha 69



Natasha 69 台湾のハンド・クラフト・カメラ。

ピンホールを抜けた光がわずか3cmでフィルムに当たるため、広角でかつ F100 と明るい。
理論的にはピンホールカメラの画角は最大135°だったと思 うが、このカメラは 6x9 での画角が 125°にもなるので、ピンホールカメラとしては限界の画角に近い。少なくとも私の持っているピンホールカメラではもっとも広角で面白い写真が撮れる。

木工は精巧で、かつシンプル。補強用の板の貼り合わせなど、見えないところもきちんと工作されていて、非常に好感が 持てる。
ま た、外 からはネジや釘のたぐいが一切見えないところ、ノブやファインダーまで木で作っているところに作り手の強いこだわりを感じる。軽くて丈夫な木材が使われて いて、プラスチックカメラほどではないが、軽いのも特徴である。

120フィルムの装填は背面を開けて行うが、どこにも開閉のロックが無い。小さなネオジム磁石がボディ側の4箇所に埋め込まれていて、これで蓋を ぴっ たりと付かせるようになっている。磁石は、少々強すぎるぐらいで、開けるには結構な力がいる。また、プラスマイナスがあるので、天地を 正しくしないと蓋が閉まらないようになっている。

120フィルムを 6x6 と 6x9 で使うことができる。切り替えは、暗室部の2ヶ所のしきり板で行う。フィルム位置の確認は 赤窓式。フィルムをまわすノブにはスプリングが巻いてあって、適度な巻き抵抗があ る。

アクセサリーシューに取り付けるビューファインダーは、造形がよくて、お気に入りだ。このファインダーは、ド ア・スコープを木筒に組み込んだもので、台の部分も木製。画角よりもだいぶ広い視野になるが、十分に実用的だと思う。実際に撮影するときは、このファイン ダーで画像の中心合わせや、全体の写り込み確認に威力 を発揮する。また、上面に組み込まれた水準器も使用頻度が高く、組み込まれているのがありがたい。

便利なのはシャッター。シャッターノブが上面についていて、これを回すと軸についた黒い板が 180°回転して、内側からピンホール部 分を遮光したり、開放したりできる。この黒い板にも磁石が仕込んであって、ぱたり、ぱたりと軽い音がして、シャッターを開閉できる。ピンホールカメラは露 光時間が長いので、普通のシャッターであれば、バルブやタイムで開きっぱなしにするし、レンズキャップの開閉で代用することもある。いずれに して も、開閉の動作に、ぶれなどが起こりやすく、ピンホール撮影時に一番神経を使うところである。その点、このシャッターはピンホールならではの シャッター方式であり、楽に扱えるのがいい。うまく要求に応えていると思う。

追記1: 磁石が強すぎる。そして、開けるための取っ手のようなものがないのと、蓋とボディがぴった りと作られているのとで、開けるのに苦労する。結局、蓋とボディの間に小さな隙間を彫り刻み、そこに差し入れたコインを廻して開けられるよう に改造した。

追記2: ピンホールを楽しむためには三脚が必須。持ち歩きやすいように三脚にも肩吊りを付けて使用している。カメラ自体が軽いので、軽三脚 の使用も可能。


発売年
2010年ぐらい?   愛着度★★★★
型 式
中判フィルム 6x6cm/6x9cm ピンホールカメ ラ
シャッター マグネットを使ったパタリコ形式(=タイムのみ)
ピ ンホール
φ0.25mm 焦点距離 30mm F100
6x6 で画角 105° (35mm判で35mmレンズに相当)
6x9 で画角 125° (35mm判で25mmレンズに相当)
測 光
なし
ファ イ ンダー
ドアスコープを使った光 学ファインダー
フィ ル ム交換
1.使用済みフィルムが ある時 は、上面の巻き上げダイヤルで全部巻き上げる。
2.背面を力づくではずす。フィルムを取り出す。
3.古いスプールを巻き取り部に移して、新しいフィ ルムをセット。
4.巻き上げは右手上面の巻き上げダイヤル。
5.フィルムカウンターは背面の赤窓で見る。
大きさ・重さ w170mm x h94mm x d46mm (ファインダー装着時 h115mm x d64mm) 283g
参考 web
Natasha series handmade pinhole cameras: http://www.facebook.com/NatashaPinholeCamera

Natasha 69 / ナターシャ 69

東京・隅田川。フランス広場側からの中央大橋。右側の虹模様はいわ ゆる光が「暴れている」状態。
ピンホールならではの現象。三脚使用。 Φ0.25mm F100 f=30mm / RDPIII

Natasha 69 / ナターシャ 69

東京・隅田川。霊岸島の水位観測所。背景は中央大橋と佃のマンショ ン群。水位観測所の天頂部は正三角形
なのだが、画角125°の超広角(35mm判カメラなら焦点11mmのレンズに相当)ならではの強い変形。
三脚使用。 Φ0.25mm F100 f=30mm / RDPII
I

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