© 1984-2016, Kyu-hachi TABATA last updated 2015/12/20

■9 おわりに

■9.1 著作権と配布、転載条件

本ソフトウェアおよびマニュアルの無断改変を禁じます。著作権は田畑 純(休八)が有します。

他のサイトでの転載については、事前に私宛に連絡をくださるようお願い致します。雑誌、書籍等に紹介してくださる場合も同様です。基本的に転載、 掲載自由 の方針ですが、ご希望に添えない場合や、条件つきの承認となる場合があ ります。

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■9.2 変遷

ソフト名
年代
マシ ン
OS
プロ グラム言語
Search
1984年〜 NEC PC-9801
スタンドアローン NEC N88-BASIC(86)
RABIT
1985年〜 NEC PC-9801 MS-DOS NEC N88-BASIC(86)
Pigeonhole ver 0/1/2
1989年〜 NEC PC-9801 MS-DOS Microsoft Quick BASIC 4.5
Pigeonhole ver 3
1997年〜 Windows マシン
Win 95/98/Me/XP/Vista/7
Microsoft Visual BASIC 6.0
dove
2014年〜
Windows マシン Win XP/7
Microsoft Visual BASIC 6.0

1984年、卒論で研究室に入り、研究(らしきもの)を始めたのをきっかけに、自作 ソフトで文献の管理を始めました。もう30年も前のことです。 最初は NEC PC9801上で動くスタンドアローンの N88-BASIC(86)、次にMS-DOS上で動くN88-BASIC(86)、やがて Quick BASIC (以下 QB) に移植し、ピジョンホール ver 0 として、1992年からパソコン通信の NIFTY-serve FGAL (=ソフトウェア・ギャラリー・フォーラム)で公開しました。好評でもあり、その後、ver 1, ver 2 とヴァージョンアップをしました。下記はピジョンホール ver 1M の入力画面ですが、現在のカードとほぼ同じ機能が実装されていることがわかると思います。

Pigeonhole 1m

1995年頃から、Windows マシンが台頭してきました。ネット時代の幕開けと重なって、大きな変革期を迎えます。しかし、私自身は、研究が忙しくなってきたこと、留学なども重なった こと、愛用の NEC PC9801 NS/L がよく動いてくれたことなどもあって、ピジョンホールの Windows 化、すなわちVisual BASIC (以下 VB) への移植作業は、すぐに着手したものの、なかなか進みませんでした。

2004年2月初旬、とうとう PC9801 NS/L がおかしくなりました。ハードディスクのトラブルで、時々、突然止まる、でもちょっとおいて再起動すると何とか動く、という状態。いつ完全停止に なっても おかしくありません。緊急事態です。そこで、急遽、Windows 版 ピジョンホールの開発を再開しました。幸い、「休八の単位計算」、「休八のタイマー」、など小さなプログラムを開発することで、VB に馴染んできていたこともあり、今度は一挙に組み上げました。なんと、実質、1週間ほどでカード画面と検索画面のプログラム部分が出来上がり、次 の1週間 で書式エディタとJPコードエディタが出来上がりました。やれば出来るものです。必要は発明の母とはよく言ったものです。

QB と VB はかなり異なる言語で、移植といっても、多くの部分を新しく作り直しました。そっちの方が早かったのです。でも、ソートや文字列変換などは、QB のソースをできるだけ利用しました。どうしてもいいアルゴリズムが思いつかない時に、ふと QB版のピジョンホールのソースを見ると、うまいことプログラムしていて、昔の自分に助けられたところもありました。ソースのコメントにつけた古 い日付を 見ておりますと、昔のアルバ ムを開くような気持ちがしました。

こうしてやっと、Win 版のピジョンホール(ver 3)ができましたが、基本的には MS-DOS版 ピジョンホール (ver 2) とほとんど同じ仕様でした。このため、あくまでもカード画面が中心でしたし、あとから、あとから、機能を付け足していったので、わかりにくいソフト−使い 手にとっても、作り手にとっても−になる一方でした。プログラムのソースが読みにくく、バグとり や改良がしにくくなっていたのです。

2014年の夏、論文作成中についに我慢の限界を越えました。1週間ほど、どこをど う直すか考えました。プログラム言語は VB.net に移行するつもりでしたが、とてもそこまでは時間が作れず、VB6 のままとしました。作業に入ると3日ほどでコアが完成。断続的に予定のプログラムを組み込んでいって、ほぼ1ヶ月で大改造を終えました。名称を dove (ダヴ、鳩の意味) とあらためました。

dove の画面や操作は、これまでのものを継承していますが、新たにランチャーを加えて、各ウィンドウの役割分担を明瞭にしました。メニューやボタンの設 置も再考しました。今ま で、どんな機能があるのかわかりにくかったと思いますが、改善されたはずです。DOI への対応をさらに進めてJP コードに登録できるようにしました。そして長年あたためていたグループ編集機能も実装。

こうした作業をしながら、見つかったバグを次々とフィクス。無駄なルーチンを削除。長いこと手をいれてないところがずいぶんありました。お恥ずか しいかぎりでした。公開することで、多くの方からバグレポートやご意見をいただけたら幸いです。

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■9.3 更新情報

dove 1d01 1.Win 10 で動作できるように改造。32bit / 64bit 両方での動作を確認。
2015/12/21  Vector にアップ
dove 1c11 1.カードの下にある6つのボタンを配色しなおして再配置。
2.カードのJPコンボにカーソルをあてたらすぐにコンボが開くようにする。
3.JPコードが確定したらすぐにDOI も提示されるようにする。
2015/10/05  Vector にて公開
dove 1c09 1.スプラッシュ画面をキレイに表示できるようにする。
2.カード画面とサーチ画面でのコピー不具合を修正。
3.最終レコードが空の時には、新規レコードを作製できないようにする。
4.サーチ:ボタンを減らす(reset ボタンと clear list ボタンを消去)。
5.サーチ:Re-list ボタンの形状変更とフォーム・サイズ変更時の動きを改善。
6.スクリプトにタブを制御できるようにする。これに伴い script.cfg の形式変更。
7.JPコードを増設したときに生じるバグ(突然止まる。再開できなくなる)を修正。
8.JPコード画面で選択したコードで文献検索できるようにした。併せてメニューやボタンを改良。
9.カード画面で既存レコードの編集内容が自動保存されないケースがあるバグをフィクス。
2015/09/20  Vector にて公開。
dove 1b03
1.JPコード編集:プリント出力の改行幅を改善。
2.JPコード編集:エクセル出力(CSV出力)もできるようにする。
3.JPコード編集:テキスト・エクセル・プリント出力でDOIも一緒に出力できるようにする。
4.サーチ:検索結果のリスト印刷も改善。
2014/09/05  Vector にて公開。
dove 1b01 1.ランチャー:表示フォントと印刷フォントを分けて指定できるようにしました。
2.ランチャー:メニューから検索を起動する際の検索ボタンのオンオフ不良を修正。
3.ランチャー:オプション−デフォルトに戻す、の適用範囲を広げました。
4.サーチ:ワードクリアのバグを修正。
5.サーチ:結果をテキスト出力する時、途中キャンセルすると止まってしまうバグを修正。
6.JPコード編集:apply ボタンを押しても DOI がカードに転送されないバグを修正。
7.JPコード編集:リストをテキスト出力する時、途中キャンセルすると止まってしまうバグを修正。
8.全ウィンドウ:ヘルプのランチャーを呼ぶ機能を改良。
9.カード:リンクをサーチ画面に表示する際にリンク数が200以上あるときに生じるバグを修正。
10.カード:リンク情報のチェックを強化し、自動修正するルーチンを加えた。
11.カード:リンクビューや類似文献表示でサーチが開くときに、ボタンのオンオフがシンクロしないバグを修正。
12.カード:レコードを進めるプレイボタン群を視覚的に立体化。
2014/09/02  Vector にて公開。
dove 1a01
1.ランチャー機能を新設。
2.グループ編集機能を新設。
3.JPコードに DOI を登録できるようにする。
4.マルチウィンドウでの使用を前提にプログラムを大きく変更。
5.各ウィンドウのデザインも最適化。
6.文献バンクのセレクタに残っていたバグをフィクス。
7.JPコードのソートに残っていたバグをフィクス。
8.二重検索や追加検索のバグをフィクス。
9.ヘルプ・マニュアルの修正。
2014/08/28  Vector にて公開。Dv 1 最初の公開バージョン
Pigeonhole 3j 04
2014/07/29 Vector にて公開。Ph 3 最後の公開バージョン
Pigeonhole 3e07 2005/02/01 Vector にて公開。Ph 3 最初の公開バージョン

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■9.4 今後

インターネットの発達と浸透度はすさまじいばかりです。PubMed などで論文を探し出し、大学が契約したフリーのサイトから論文を PDF で落とし、プリンターでカラー印刷して読むのが普通になりました。図書館や書庫を行ったり来たりして文献を探すのはもう滅多にないことです。ま た、論文原 稿の投稿にしてもオンラインで行うのがごく普通になりました。毎日、送受信する電子メールの数もかなりのものです。そして、2009年頃の論文からは、 DOI (Digital Object Index) も付くようになって、ウェブ上でのPDFの参照も楽になりました。

しかし、そうした便利な時代になっても、論文をじっくり読んで、読んだあと、それを自分で整理するというスタイルは変わりません。そしてそのため には、dove のようなソフトが必須だと考えています。

開発言語は Visual BASIC 6.0 ですが、幸いにも Windows 10 でもプログラミングが可能ですし、実行ファイルも普通に動くようです。Windows 8.0/8.1 では先行きに一抹の不安を感じていましたので、少しほっとしました。

それで、これからも「自分で入力する」ことにこだわって、文献管理ソフトを使いながら、さらに改善し、開発を続けていきたいと思います。引き続 き、ご意見、ご感想等をお寄せいただきましたら幸いです。よろしくお願いいたしま す。

         2015年12月20日        Makoto TABATA 田 畑  純 (休八)
http://www.geocities.jp/qqbjj485/

付記: 私のハンドルネーム「休八」は、実はひいじ いさんの 名前です。家系をたどると、ひいひいじいさんもそのまたじいさんも、みんな「休八」で、長男または家を継いだ者 が受け継ぐ名前だったのです。昔どおりならば、私も「休八」だったわけで、しかもかって日本中を席巻したNEC PC-9801 の愛称「キューハチ」にも通じて いてちょっとおもしろい。それで、パソコン通信の時代から「休八」をハンドル名とし、自作のソフトを休八ソフトとしています。どうぞ、皆様、よろしくおつ きあいください。
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