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休八の分子量計算

Mole
 ver 1.20 
(Win版 MW)


Mole ver 1.20生 化学系の実験で欠かせない分子量計算(モル計 算)ができるソフトです。分子式を入れてリターンを押すだけで、計算ができます。

あまりにシンプルなので、コマンド(マジックワード)機能を加えたり、タイマーを加えたりして、シェアウェアとして公開していましたが、タイマー を「休八の10キータイマー・鯛まーくん」として分離し、シンプルなソフトに戻し ま して、フリーウェアとしました。

■1.分子式の入力ルール

CaCl2 などと化学式を入力して、リターンを押すとその分子量を算出してくれます。入力する化学式は高校などで習った表記どおりですが、いくつかルールがありま す。

ルール1
  添え字はその ままの文字サイズで入力します。

例1 
H2SO4
H2SO4
例2 Ca(NO32 Ca(NO32

分子式は可能な限り、そのまま入力します。例1のですが、アルファベットとアル ファベットに挟まれた数字は、直前の分子の添え字と見なされます。つまり、 H2+SO4 とみなされ、H+2SO4 とは見なされません(抵触するケースはルール3)。

カッコ はそのまま使えます(例2)。

ルール2
  添え字は分数や小数でもよい。

例3  PbZr1/3Ti2/3O PbZr1/3Ti2/3O
例4
Mg1.7Fe0.3SiO4 Mg1.7Fe0.3SiO4
例5
MgFeSiO4
不可

添え字は、分数表示(例3)や小数表示(例4)でも大丈夫。鉱物など、連続固溶体の計算ができます。

ただし、固溶体で使われるカンマ を使った式(例5)はダメです。量比が無いと計算不能です。

ルール3
  プラス記号を有効に使う。

例6 MgCl26H2O MgCl2+6H2O
例7  MgO2SiO23Al2O3 MgO+2SiO2+3Al2O3

プラス記号(+)を適宜、使ってください。例えば、水和物(例6)が典型で す。

また、添え字と係数を区別する際にも使います(例7)。全て同じ大きさで、しかも続けて表記すると、
SiO2の左の2がO の添え字なのか、SiO2 の係数なのかがわからなくなる。
SiO2の右の3にしても、SiO2の 添え字の続きなのか、次のAl2O3の 係数なのかがわからなくなる。
そこで、こうした混乱を避けるために、分子式の中にプラス記号を入れて添え字と係数を分けるのです。


■2.便利な機能継続計算

継続計算
 +-*/から 始めます。

  +-*/ から 始まる式 を入力すると、直前の計算結果の継続計算ができます(右図)。

例えば、0.97 で割れば純度 97% の試薬の1モルあたりの重量 (g) を求めることができますし、0.1 をかけると 0.1 モルの重量 (g) を求めることができます。

こうした計算は、試薬を調製するときに必須のはずです。

レジューム機能
  レジュームボタンを押します。

レジュームボタンを押すと直前の式が再表示されます。化学式などを修正して再計算する時などに便利です。
登録データ
カスタマイズ
  原子量データを登録できます。

元素の原子量は、 MW.dat というデータファイルに記述されており、このファイルはエディタなどで編集可能です。

元素記号以外でも、入力が可能です。Aq (水和物) 、Et(エチル基)、アミノ酸記号(3文字記号)なども入れていますが、必要に応じて、これ以外の記号も入れることができます(■4参照)。

なお、メチル基は、Met と表記され、これを入れることも可能ですが、アミノ酸のメチオニン Met と重なるため、現時点では加えておりません。必要な時は、エディタでアミノ酸のデータを消して重複を避ける必要があります(■4参照)。

なお、[Data] ボタンを押すと使用できる記号が表示されます。


■3.コマンド機能

DOS の時代は、プロンプトからコマンドを打ち込み、さまざまな操作を行うのが普通でしたが、Windows になってそれがほとんど無くなりました。しかし、コマンドには魔法の言葉 magic word や呪文 dispel によってPCを動かすという、独特の操作感と迅速性がありましたし、操作性の良さもありました。そこで、懐古的かもしれませんが、コマンド機能を実装しま した。

次のようなコマンド(命令)を入力してリターンをしてください。命令に応じてPCが動作します。

help   
ヘルプ文書(今、読まれてい るこの文書)を呼び出します。 [help] ボタンと同じ機能です。
web
休八ソフトのHPを Internet Exprorer を使って呼び出します。
calc
電卓(Win 添付ソフト)を呼び出します。
clear 画面消去。[CLR] ボタンを押すのと同じ。
clr 画面消去。[CLR] ボタンを押すのと同じ。
resume
直前のデータ復帰。[Resume] ボタンを押すのと同じ。
data
登録データの一覧。[Data] ボタンを押すのと同じ。
edit
ノートパッド(Win 添付ソフト)を呼び出します。引数でファイ ル名を指定。 (くわしくは■4)
例: edit mw.dat   (← mw.dat を編集)
xchg
利用するデータファイルを変 更できます。引数でファイル名を指 定。 (くわしくは■4)
例: xchg aa.dat   (← データファイルを aa.dat に変更)

注) コマンドは大文字でも小文字でも有効です。xchg は引数が必須です。


■4.データファイル

MW.dat

基本(標準)となるファイルで、原子記号、原子番号、原子量などのデータが登録されています。次のような特徴があります。

1) このファイルは、Mole.exe と同じディレクトリにあり、Mole.exe の実行に際して、読み込まれます。
2) 化学式から分子量を求める際の計算の基準値となります。
3) テキストファイル形式なので、テキストエディタ(メモ帳など)で簡単に編集できます。
4) 一般的な周期表を元にデータを入 れていま すが、自分で作った記号などを加えることもできます。実際、中をごらんになったらわかりますが、アミノ酸の3文字記号などもいれています。
5) 元素記号やオリジナルの記号は同じものが無いようにしてください。

例:  H,   1, 1.00794
       He, 2, 4.002602
       Li,  3, 6.941
       Be, 4, 9.012182
       B,   5, 10.811
       Aq, 0, 18.015
       Ala, 0, 89.1
       Arg, 0, 174.2
       Asn, 0, 132.1
         ↑ ↑    ↑
           |     |      +----
【原 子量】 実数。
           |     +-------- 【原子番号】 整数。元素ではない場合は、0を入れます。
           +-----------元素記号名】  一文字目が大文字。二文字目以降は小文字。記号は重複しない こと。


AAdat

アミノ酸の1文字記号を入れています。使用したい時は、mw.dat と入れ替えてください。入れ替えるには、マジックワード xchg を使用します。

例: xchg aa.dat


■5.履歴

分子量計算の部分は、1990年代はじめに Nifty-serve などで公開していたフリーウェア 「休八の単位計算 MW」 というソフトで、QuickBASIC で書かれていたものです。NEC PC9801 や、DOS/V マシン、HP100/200LX で動くソフトで、コマンドラインから実行する形式のものでした。単純なソフトでしたが、使い勝手がよく、割と評判がよかったように思っています。 また、 QuickBASIC の英語版も入手することができ、DOS/V プログラミングを行った最初の作品にもなりました。

ただ、Windows とコマンドラインではかなりインターフェースが異なるため、どのようにしたら移植できるのか、実は見当がつかなくて、ずっとほったらかしにしてい ました。最近になって、やっと実現できそうな気がしてきて、11年ぶりのバージョンアップというか、Windows への移植(Visual BASICへの移植)を行いました。そして、ラボなどで必須のデジタルタイマーの機能を加えてみました。

MW というソフト名を引き続いて使うことも考えましたが、同名のソフトが他にも出ているようですし、機能強化版なので、Mole (モール)と改名しました。Molecular weight calculator の最初の部分のもじりです。

Mole ver 1.20
タイマーを分離して、シンプルにする。フリーウェアとして公開。
2016/2
Mole ver 1.10 マジックワード(コマンド)を追加。タイマーは、 アラーム音を 改良し、1分間鳴り響くようにしました。タイマーの設定時間も直接入力を可能に。 2012/8
Mole ver 1.00 レシューム機能やマジックワード(コマンド)機 能を追加。ヘルプ を 充実させ る。シェアウェアとして公開 2006/6
Mole ver 0.30 複数のタイマー起動の実現にかなり難 航。時間の個別管理に苦労したが、「コロンブスの卵」的発想で解決。 2006/5
Mole ver 0.20
タイマー機能を加えた。これでラボツールと標榜できるようになる。アラームも3つ から自由 に選べるよ うにした。非公開。
2006/5
Mole ver 0.10 Quick BASIC 4.5 で書かれたMWを Visual BASIC に移植。計算ルーチンはそのまま使えたので、分 子量計算のみがで きるバージョンとして設計。 名称を Mole と変える。非公開。 2006/5
MW ver 4.10
NEC PC9801 用、DOS/用、HP100/200LX 用。 MW最後のバージョン。この頃は、NIFTY の FGAL を中心に公開していたが、後にベクターでも公開。
1995/8


■6.著作権など

このソフトは、フリーウェアですが、著作権を放棄したものではありません。ヘルプファイルやアイコンも含めて、改変したものを第三者へ譲渡するこ とを禁じ ます(改変なしでの譲渡は可能です)。

このソフトへのご意見等は、下記へお願いします。感想、バグ発見や改善のアイデアなどがありましたら歓迎します。最新情報や、他の自作ソフトなど の紹介 は、私のホームページにありますので、どうぞおいでください。

http://www.geocities.jp/qqbjj485/Q-soft/index.htm

田畑 純 (休八)
たばた まこと (きゅうはち)