© 1991-2012, Kyu-hachi TABATA
休八の繰り返し タイマー

Q-repeat   ver 1.64


■1 組織実習試験とは?

医・歯・獣医学部の形態系教室の実習試験は、組織切片の指定箇所の名称を30〜40問、時間内に答 えてゆく 形式 のものが多いようです。私の所属する教室でも同様で、学生にずらりとならべた顕微鏡や写真を30秒おきに移動してもらいながら答案用紙に答えを書 いていっ てもらう形式です。つまり、30秒カウントを40問繰り返すわけです。この試験の様子は、「動物のお医者さん」(佐々木倫子著)でも病理学実習試 験の場面 で出てきます。興味のある方は、さがしてみてください。

さて、この試験の進行ですが、「動物のお医者さん」では白ひげの老教授が嬉しそうにストップウオッチを使って、数十秒おきに「はい、移動して」と やってい ます。でも、学生数や、問題数が多い場合は、実に退屈な仕事になります。

そこでこの繰り返しタイマーを開発しました。時間枠の所に1問あたりの時間(秒)と移動時間(秒)、問題数(繰り返しの回数)を入力します。あと は、開始 ボタンを押すだけ。中断や再開もできます。単純ですから、実習試験以外にも使い道があるかもしれません。


■2 PCの配置

学生に見える位置に置き、かつ試験監督官が操作しやすいようにすればOKです。普通なら、教壇におけばいいでしょう。それと音が出なくてはいけま せん。適 当なサウンドボードとスピーカーが必要です。これらの設定が可能かどうかは、それぞれのPCのマニュアル等をご覧ください。

なお、こうした条件を満たすマシンとしてノートPCはお手軽です。必要に応じてデジタルプロジェクターなどをつないで画面を大きく投影したり、外 部スピー カーを接続して音を大きくすることもできます。


■3 操作方法

(1) 時間の設定

右上の時間枠の所に1問あたりの時間(秒)と移動時間(秒)、問題数(繰り返しの回数)を入力し、リターンを押してください(リターンを押さない と入力し たことになりません)。入力が正しく行われたかどうかは、合計の秒数表示の変化とチャイム音で確認できます。 ここでは例として「1問あたり 30秒、移動時間 5秒、問題数 40問」の設定を示します。



(2) 計時開始

画面上の「開始」ボタンをマウスで左クリックすると計時開始します。また、すぐにボタンの名称などが下記のように変わります。



(3) 計時の中断と再開

顕微鏡や学生の不正などのトラブルで、一時停止する際は「中断」ボタンを押してください。下記のようなボタン表示になりますので、トラブル解決 後、「再 開」ボタンをマウスで左クリックすると、続けてカウントすることができます。はじめから計時しなおすときは「リセット」を押してください。



(4) 計時の表現

計時が始まると緑の丸()が画面で1秒ごとに表示されてゆきます。最後の10秒に なると黄 色い丸()、 4秒 になると 赤い丸()に替わり、かつ最後の赤丸4つのところでは「ピッ・ ピッ・ピッ・プー ン」という 時報が鳴ります。それから 「移動してください」の表示が出て、5秒をカウント。これが1セットで、40回繰り返されます。

現在、何問目かは左上に示されます。40問終わると、「試験終了」の表示とともに「ポンポンポンポーン」と合図のアラーム。

*各時間の設定が短すぎると、これらアラーム音が鳴らない場合があります。これは、 直前のア ラーム音が鳴り終わらないうちは、次のアラーム音が発声されないからです。また、PCの負荷がかかっている時なども音声が不十分になる場 合があります。い ずれにしても、計時優先で進んでいますので、ご了承ください。

*移動時間がセットされていない(= 0秒になっている)と「移動してください」のメッセージも出ません。


(5) ヘルプ

「?」ボタンを押します。 ヘルプを印刷したいときは、ヘルプ画面(今、ご覧になっているこの画面)の上でマウスを右クリックしますとポップアップメニューがでますので、 「印刷」を 選んでください。

(6) 画面のリサイズ

画面右上の×印の左横にあるボタンを押すと全画面表示と縮小表示が切り替わります。また、縮小画面の右枠、左枠、下枠、右下隅の部分などをマウス でドラッ グすると任意の大きさに変わります。

(7) 終わり方

「終了」ボタンが有効になっている時(青表示)に押すと時間設定が保存されて終了できます。一方、画面右上の×印のボタンを押しても終了できます が、この 時は時間設定が保存されません。


■4 カスタマイズ

Q-repeat.exe と同じフォルダ内にQ-repeat.cfg という設定ファイルがあります。これをエディタなどで開き、内容を書き換えると細かなカスタマイズができます。


[標準の内容]
[内容の意味]
1行目
30,5,40
1問あたりの時間、移動時間、問題数
2行目
Q-Jihou1.wav
時報その1
3行目
Q-Jihou2.wav
時報その2
4行目
Q-Jihou3.wav
終了の合図
5行目
移動してください 
移動時に表示されるメッセージ(10文字程度まで)
6行目
試験終了
試験終了時に示されるメッセージ(10文字程度まで)
7行目
10
1行あたりの円の数(普通は10個)

1行目は Q-repeat 上での時間設定が保存されているだけですが、2−3行目の wav ファイル名や、5−6行目のメッセージ、7行目の円の数はこの設定ファイルでしか変更ができません。時報の音などが気に入らない時は、自分で用意 した wav ファイルを指定したり、そのファイル名を上記デフォルトにある名前にリネームしたりして使用するとよいでしょう。

もしも、この設定ファイルの設定がうまくいかなくなったり、標準に戻したい時は、この Q-repeat.cfg を消去します。すると、Q-repeat.exe が新たにデフォルト値から構成される Q-repeat.cfg を作成してくれます。


■5 たくさんの秒数をカウントしたいとき

設定時間は1問あたり30-40秒程度を前提に画面を作っています。このため、秒数が長くなるとカウントはできるもののマークなどが画面に収まらなくなります。こうした場合は、次のような方法を試してみてく ださい。

(A) 一旦、全画面表示から部分表示に替えて(右上隅の×アイコンの左にあるアイコンを押す)、画面を縦長にし、縦にたくさん表示できるようにする(下 左図)。 ただしこの方法では余計なところが写ってしまう欠点があります。

(B) repeat.cfg というファイルの7行目を変更して(→4.カスタマイズ参照)、1行あたりの丸の数を増やす。1行あたり20個にして、200秒カウントにした例 を示しま す(下右図)。この方法は全画面表示ができますので、見た目がきれいです。


(A) 縦に長く表示する

(B) 1行あたりの丸を増やす 


■6 履歴

ver 1.64 ヘルプを修正。インストーラーを廃止して簡易パッ ケージで配布。プログラムは変更なしです。
2012/8
ver 1.63 インストーラのバグフィクス(古いバージョンが ある時、 インストールできませんでした)。 2005/12
ver 1.62 画面のまばたきを減らしました。音が時々でなく なるバグ も解消。 2005/8
ver 1.54 ヘルプファイルのHTML化。時間が若干ずれる のを防ぐ ルーチンを導入。リサイズの時のメッセージ文字サイズや丸のサイズ変更を改善。コマンドボタンの名称や時間設定の入力様式も 改善。1行あたりの丸の数も設 定ファイルで変更可能に。 2005/3
ver 1.32 VB 6.00 によるコンパイル。ヘルプファイルの修正とパッケージングの改良です。 2002/9
ver 1.3 ヘルプファイルに必要な *.cnt ファイルを添付。これでヘルプの目次が使えるようになります。また、ボタンの有効・無効をブルー・グレイで表示、リセットボ タンも作成し誤操作をしにくく しました。このバージョンで機能の殆どが整備されました。 1999/10
ver 1.2 一般公開のためにヘルプファイル作成。このバー ジョンか ら Vector にて公開。 1999/2
ver 1.1 非公開。Win95/98 へ移行。トラブル発生時の対応を考えて、継続機能を加える一方で、操作と表示をよりシンプルにしました。 1998/12
ver 1.0 非公開。REPTIMER の Win3.1 への移植強化版。1997年から利用。 1998/11
REPTIMER
NEC9801版。QuickBASIC で作成していた元祖「繰り返しタイマー」。私たちの教室では、1991年からこれで実習試験をしていました。人手が減る分、 不正の予防に気を回せます。 NIFTY の FGALAP LIB 5 で公開。
1991


■7 著作権など

このソフトは、フリーウェアであり、著作権を放棄したものではありません。ヘルプファイルやアイコンも含めて、改変したものを第3者へ譲渡するこ とを禁じ ます。

このソフトへのご意見等は、下記へお願いします。感想、バグ発見や改善のアイデアなどがありましたら歓迎します。最新情報や、他の自作ソフトなど の紹介 は、私のホームページにありますので、どうぞおいでください。

http://www.geocities.jp/qqbjj485/Q-soft/index.htm

田畑 純 (休八)
たばた まこと (きゅうはち)