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休八写真館中判カメラ室(6x9判)

Kodak No.2 Folding Pocket Brownie



Kodak No.2 Folding Pocket Brownie 120 フィルム用の最初のカメラが No. 2 Folding Pocket Brownie (model A) で1902年の発売。このカメラはモデルBで1907年からの発売。この時代の Kodak カメラは、No.2, No.2A, No.3, No.5 などの番号から始まるカメラ名が普通だが、これは使用するフィルムの規格を示している。

単純なカメラだが、丁寧に作られている。前板を倒し、レンズボードを手前まで引き出す。ガイドレールをスライドさせて、撮影距離(ft と m の二重表示)のところで止める。シャッターはエバレディ・シャッターで Instant, Time, Bulb の3つだ。Instant のシャッタースピードは大体 1/30 ぐらいだという。

レンズは 120mm F11 らしい。絞りの目盛りは 1, 2, 3 とあって、F12, F25, F45 だという。晴れた日、例えば F8 1/250 の明るさならば、F22 1/30 に換算できるので、絞りは2の少し手前あたりにセットすればよいことになる。

ファインダーは手前の四角い小箱(ミラーボックス)。この小箱は縦位置撮影時には直角に回転させて使用できる。十字に見える投影部も、縦位置 と横 位置で使 い分けるためのデザイン。この頃からすでにこの形だったのかと感心するが、いかんせん、小さくて見づらい。フレームファインダーやビューファイン ダーがあ ればと思いつつ、大体のアングルが分かる程度でシャッターを切る。

Kodak の白黒フィルムを入れて撮影した。シャッターも絞りも数字どおりのようで、ほぼ適正の露出で写真が撮れていた。100年前のカメラであることを思 えば驚異 的だ。シンプルゆえに狂いも少ないのかもしれない。高機能なデジタルカメラが数年しか使えないことを考えると好対照だと思った。

追記1: ブ ローニーは子供 用のカメラとして開発されたので、ブラウニーというキャラクターが宣伝に使われた。 また、開発したBrownell 博士の名前にちなむとも言われるが、保存の利く美味しい焼き菓子ブラウニーとも形が似ている。いずれにせよ、親しみやすいいいネーミング だったと思う。

発売年
1907年   愛着度★★★
型 式
120フィルム  6x9cm/ フォールディングカ メ ラ
レンズ 120mm F11
シャッター エバレディ・シャッター、instant (1/30), bulb, time
シ ンク ロ接点
なし
測 光・ 測距
なし
ファ イ ンダー
反射ファインダー
フィ ル ム交換
1.使用済みフィルムが ある時 は、上面クランクを使って巻きあげる。
2.背面を開ける時は、左右の隠しボタンを押す。古いフィルムを取り出す。
3.スプールを巻き取り部に移して、新しい120フィ ルムを入れる。
4.フィルムのリーダー部を引き出し、右手のスプールに差込み、巻き付ける。
5.上面クランクで巻く。赤窓でフィルムの位置を確認する。
大きさ・重さ w172mm x h93mm x d137mm (収納時 w172mm x h93mm x d48mm) 468g
参考 web
The Brownie Camera Page: http://www.brownie-camera.com/88.shtml
参考文献
高島鎮雄, 「クラシックカメラへの誘い」 朝日ソノラマ 2007

Kodak No.2 Folding Pocket Brownie
              アメ横

東京・アメ横。人が途切れるのを待ってシャッターを切った。    
120mm F11 / 100TMAX
Kodak No.2 Folding Pocket
              Brownie 浄妙院

東京・谷中の浄名院。無数の地蔵が並ぶ。   
120mm F11 / 100TMAX   


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