updated on 2009/09/20

休八写真館＞中判カメラ室（6x4.5判）

Fujica GS645W Professional

デジタル・カメラが発売され、軌道に乗ってきたなぁ、と思ったのが2000年ごろ。それから、瞬く間にカメラの世界はデジタルに席巻された。フィルムカメラはどんどん現行機種が減っていき、DPEの店もいつのまにかデジタルプリントの店に変わっていった。カメラメーカー、フィルムメーカーも撤退を余儀なくされ、ユーザーもデジタルへとどんどんと移っていった。

デジタル一眼レフやデジタルコンパクトカメラの発展はすごい。撮像素子（CCD/CMOS) の高解像度化もすごいが、それをしのぐメディアの大容量化もあって、何十枚も何百枚も写せるようになった。電池の持ちもすごくよくなって、あまり電池切れを意識することはない。でも、なんだか、自分の中ではデジタルカメラに違和感があった。便利だし、よく写る。お金もかからなくなった。たくさん撮ることができるし、失敗もない。でも、なんだか違う。

答えを見つけた。欲しいカメラは中判カメラだ。

35mmフィルムはもうデジタルに追いつかれ、追い越されてしまった。コンパクトカメラなどはデジタルカメラの圧勝だし、一眼レフでもその座をほとんど明け渡しつつある。画質はまだデジタルよりフィルムが上だが、速写性、機動性、利便性、経済性など多くの点でもうデジタルにはかなわない。楽しみとして撮る領域でフィルムを使う意味があるだけだ。

しかし、中判カメラなら、楽しみとして撮る領域に加えて、豊かな画質、豊かなレンズ群がある。デジタル一眼レフにお金と時間をかけるよりも、中判カメラにお金と時間をかけよう、そんな風に思い始めていた。年もとってきたので、だんだんと視力が落ちてきていて、AEやAFのついたカメラは本当にありがたいのだけれど、ファインダーをしっかりと見て、露出から絞りやシャッタースピードを全て考えながら写真を撮ることをもう一度意識したくなったのだ。

そうは言っても、中判カメラは全くの初心者。ブローニーフィルムの扱いもよくわからない。どうしよう。まずは簡単なカメラからだ。そんな風に考えて、大学生の頃に発売され、ずっと気になっていたフジの中判カメラ三兄弟（GS645／GS645W／GS645S）で中判カメラを始めることにした。三機種のうち、最も有名なのは、蛇腹カメラのGS645 だが、蛇腹部にトラブルが多いらしく、風景などを撮るには広角の方がいいとも考えて、GS645W にした。

デザインや操作性には不満がある。しかし、使ってみると、失敗の少ないカメラ。何よりも、フジの作ったカメラだけあって、ベルビアなどのフィルム特性が十分に活かされる写真が撮れる。簡単に撮れるカメラだけれど、本当にあなどれないカメラだ。

フジは2009年に 6x6cm と 6x7cm 兼用の蛇腹カメラ GF670 をリリースする。6x9cm のスプリングカメラも作ってくれないだろうか。

追記１：　シャッターボタンのストロークがかなり深い。キャノン使いだからというわけではないと思うのだが、ここでシャッターが落ちるというところで落ちないのは、かなり違和感がある。レンズシャッターでなかったら、手ぶれ続出かもしれない。

追記２：　6x4.5cm という画像サイズのため、カメラを立てて使うことが多い。しかし、この時のフォールディングがしっくりこない。右手のシャッターボタンを押しやすくするには、右手を下にした方がよい。しかし、左手の絞りリング、シャッターリングの操作を優先するならば、右手を上にした方がよい。結局、どちらを上にしても、不自由な感じになるのだ。カメラ・デザインも今ひとつなのが惜しい。

発売年	1983年10月　　　愛着度★★
型式	中判フィルム 6x4.5cm／距離目測カメラ
シャッター	レンズシャッター(00番)、1/500～1秒、T
レンズ	固定式 Fujinon W 45mm F5.6
測光	外部測光・平均。ファインダー内に　 -　○　+ の表示が出るので、○になるようにする。
ファインダー	透視式（距離は目測）。倍率 0.45 視野率 87%
フィルム交換	１．使用済みフィルムがある時は、上面の巻き上げレバーで全部巻き上げる。２．右側面のレバーを起こして背面を開ける。フィルムを取り出す。３．古いスプールを巻き取り部に移して、新しいフィルムをセット。（120/220 の切り替えが必要なら、ここで行う）４．巻き上げは右手上面の巻き上げレバー。５．フィルムカウンターは背面の開閉で最初に戻る。カウントアップ式になっている。
その他	ホットシュー、X接点あり。セルフタイマーあり。
大きさ・重さ	w147mm x h114mm x d76mm 680g

東京文京区・湯島聖堂。儒教のお寺。
Fujinon W 45mm F5.6 /Velvia 50

岡山吉備路の福田海本部の祠。
Fujinon W 45mm F5.6 /Velvia 50

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