© 2001-2024, Kyu-hachi TABATA updated on  2010/03/18

休八写真館中判カメラ室(6x6判 一眼レフ)

KW Pilot Super



KW Pilot Super / KW ピロート スーパー 手 のひらに乗る小さな中判一眼レフ。

滅多にないのだけれど、どうしても人を撮りたい時がある。

そういう時にはウェストレベルの一眼レフ、しかも 6x6 の小型のカメラが欲しい。レンズはできるだけ明るいものがいい。話をしながら、うち解けた表情になったところを撮りたい。威圧感のないカメラがい い。ひざ におい た小型のカメラで時々、相づちを打つようにシャッターを切りたい。

そんな風に考えていて、このカメラに出会う。

KW のカメラにしてはデザインが今ひとつ、すっきりしないが、操作性の良さやカメラとしての出来はやはり一級品。特徴はミラー部がシャッターとして機 能するこ とで、これは後年、ブロニカ SQ-Ai でよく似た機構が使われた。シャッター速度を速くできないので、万能のカメラにはなり得ない。しかし、室内でフラッシュをたかずに、人と話しなが ら、写真 を 撮らせ てもらうには、必要十分だと思うし、このシンプルなシャッター故にボディを小さく軽くできるのだ。

ファインダーの蓋上部には簡易型の露出計もついている。読み取れる値を露出とするものだ。動きの少ない被写体で、しかも室内の撮影ならば、こ の程 度でもよ いと思う。白黒フィルムを入れて、光の入れ方と表情の付け方に注意する。

あまり、かまえず、ゆるゆると写真を撮る。そういうカメラがいいと思う。

追記1: Pilot はもともとベスト半裁の二眼レフ・スプリングカメラであったが、Pilot 6 からボックス型の 6x4.5 または 6x6 の一眼レフとなり、このスーパーでレンズ交換式となった。ミラー式シャッターのせいか、フィルム面の端では露出ずれが出やすいようだが、 写りはかなり シャープ。さすが KW のカメラだと思う。KW のカメラと歴史はこちらへ

追記2: 上面の濃度式露出計は、数字で読みとる方式だが、EV値とは違う数値。また、私のカメラではどうも機能していないようだ。赤窓 からの光線漏れも あって、補修が必要だった。シャッターを押すときは、シャッターチャージのダイヤルに触れないように注意。うっかり触るとシャッター動作 が止まってしま う。

発売年
1939年   愛着度★★★★
型 式
中判フィルム 6x6cm/一眼レフカメラ
シャッター ミラー・シャッター、1/200, 1/100, 1/50, 1/20, B
レ ンズ
Pilotar 75mm F2.9 (交換可/φ30mm スクリューマウント)
測 光
簡易型の濃度式露出計。
ファ イ ンダー
ウェストレベルファイン ダー、全 面マット、左右逆像。
フィ ル ム交換
1.使用済みフィルムが ある時 は、右上の巻き上げノブで全部巻き上げる。
2.留め金を外して背面を開ける。フィルムを取り出す。
3.古いスプールを巻き取り部に移して、新しいフィ ルムをセット。
4.右巻き上げノブで巻き上げる。フィルム位置は赤窓で確認。
その他
二重撮影防止機能あり(解除も可能)。
フィルム巻き上げ後にシャッターダイヤルをまわしてシャッターチャージをする。
大きさ・重さ w88mm x h108mm x d110mm 628g (レンズ込み)
関連 web
Photo.net の Pilot Super のページ: http://photo.net/classic-cameras-forum/00KBDH

<付記: 濃度式露出計の読み方>

露 出計の数 値→
露出↓

8
7
6
5
4
3
2
1
22
16s
8s
4s
2s
1
2
5
10
16
8s
4s
2s
1
2
5
10
20
11
4s
2s
1
2
5
10
20
50
8
2s
1
2
5
10
20
50
100
5.6
1
2
5
10
20
50
100
200
4.5
2
5
10
20
50
100
200

3.5
5
10
20
50
100
200


2.9
10
20
50
100
200




KW Pilot Super / KW ピロート スーパー

東京・隅田川の中央大橋から上流を見る。
永代橋の左側に建設中のスカイツリーが見える。
Pilotar 75mm F2.9/ RDPIII

KW Pilot Super / KW ピロート スーパー

東京・隅田川の中央大橋たもとの霊岸島水位観測所。
いつもカモメたちの休む場所になっている。
Pilotar 75mm F2.9/ RDPIII


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