© 2001-2024, Kyu-hachi TABATA updated on  2010/10/02

休八写真館工作室

116フィルムカメラ用の120スプール



116 film-sized 120 film Ensign Carbine No. 12 Tropical が 116 フィルムカメラだったので、120フィルムを116フィルムの代用品として使う方法を考えることにした。

116フィルムは、かって120フィルムについで普及していた中判フィルム。構造は全く同じで、スプールに裏紙付きのフィルムが巻かれているだけの単純な ものだが、大きさがややおおぶりで、スプール幅は73mmある(写真参照)。撮像は 7 x 11cm ぐらいのものが多かったようだ。しかし、1984年に116フィルムの製造は終了してしまった。

構造が似ている 120フィルムを代用する方法が昔からいろいろと出されていて、基本はスプールを改造して120フィルム幅にするものと、カメラのスプー ル受けを改造して120スプールがはまるようにするもののふたつだ。

いろいろと考えて、120スプールの両端を 3.5mm ずつ肉厚にすることにした。ネットで調べると、正統派はプラ板やアクリル板を加工して貼り付ける方法。ただし、カタチを整えるのが案外、難しそうだ。ボー ド用金具などを差し込む方法もあって、これなどはもっとも簡単だが、軸がずれやすくフィルムがきちんと巻けるかちょっと不安に思った。簡単で確実な方法は ないものかと考えているうちに、余っている 120 フィルムのスプールの両端の平板部分を使って、アダプタを作製することを思いついた。

このアダプタは、2つを新しい120フィルムのスプールに、2つを受け用のスプールに付けて使用する。付ける時は、両面テープを使って貼り付けるだけ。 これで116スプール幅になるので、116カメラのフィルムとして使用することができる。撮影が終わって、巻き上げたフィルムは、アダプタを剥がせば、 120フィルムそのものなので、そのまま現像できるし、「長巻き現像」でラボに出せばカラーフィルムでも現像ができる。

材料費は殆どタダであるし、加工も簡単。できあがったものは、120スプールにぴったりだし、巻き上げもスムースだ。

材料

・120フィルムのスプール2本。
・糸のこなどの切断の道具。
・砥石などの削る道具。回転式砥石(
水研機など)があると便利。

作り方

1.
120スプールの両端から 5mm ぐらいで切断。ひとつのスプールから2つ断端がとれるので、2本のスプールを使って4つの断端をとる。
2.
断端を透明なアクリル板などに両面テープで貼る。貼りつけ るのは平板側にする。4つをできるだけ寄せるようにして、一枚のアクリル板に貼り付ける。アクリル板から4つの断端の軸が立っている状態になる。
3.
この軸部分を砥石などで丁寧に削っていく。平板部分も入れて高さ3.5mmになったら完成。ア クリル板から取り外し、アダプタとして使用する。(写真の左から3つめ。上が平板側から見た写真、下が軸側から見た写真。)

使い方

1.
120フィルムのスプール両端に貼り付けて使用する(写真 の左から4つめ)。貼り付ける時は、平面部を背中合わせにするようにして、両面テープで貼り付ける。カメラのスプール受けにはかっての軸部分があたるよう になる。
2.
写真を撮る時は、赤窓に 6 x 4.5 で撮影するときの数字が表れるので、3, 6, 9, 12, 15 を写真位置とする。12.5cm幅でフィルムが送られるので、ちょっとフィルム間隔が開く。節約したければ、3 の次は、5と6 の中間地点で、その次は8、その次は 10と11 の中間で、、、、という方法もあるが、ちょっとわずらわしい。
3.
写真を取り終わったら、アダプタ部分を剥がして、現像する。ラボに出すときは「長巻き現像」。空スプール はそのまま、巻き取り用に使える。


とびら へ 前へ  次へ
↑ トップへ