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休八写真館針穴カメラ室(中判)

Holga 120WPC



Holga
          120WPCHolga の 6x6 ピンホールカメラ Holga 120PC は、明らかにレンズカメラの流用であったが、こちらはほぼ専用の設計。

120PCと比べると、シャッ ターボタンにはレリーズが取り付けられるようになり、シャッターはバルブのみ。三脚穴も最初からついている。ファインダーとストロボ装着部が なくなり、天蓋が真っ平らになった。重さは 6x6 の120PC とあまり変わらない。ピンホール径はやや大きくなって、ボケみが強くなった。

天蓋部には、
6x9 の画角が引いてある。6x12 だと、この画角よりもさらに広い範囲で映り込む。6x9 と 6x12の切り換えは、内部にあるアダプターの付け替えで行う。ただ し、6x12 で撮影すると四隅が盛大に光量落ちするので注意が必要。このカメラでは、周 辺と中央での絞りが2倍近く違うようだ。

ピンホールを斜めに通過する光は、金 属板に厚みがあるため反射して光が減ってしまう。穴の見た目の大きさも減っているし、フィルム面までの距離が増えるために光束も広がって しまう。だから、どうしても中央と比べて光束が減って、光量落ちが起きる。でも、周辺の光量落ちは、ピンホールゆえであって、ピンホール ならではの面白さでもある。

「ここをピンホールで撮ったらどうなるだろう」、そんなことを考 えて三脚を立てて撮影する。その気持ちがフィルムが現像されて仕上がってくるまで持続するのだ。
 

追記1: 姉妹カメラに 6x6 のステレオピンホール 120PC-3D があり、共有部品が多い。シャッターユニットが横に広いのは、65mmほど離れた2カ所のピンホールを同時に開閉できるようにするためだろう。


追記2: 現像したフィルムを見る と、画像向かって左側隅にケラレがある。変だなと思い、内部の壁を少し広げたが治らない。外のピンホール周辺の押さえを削ったけれど治らない。 Iseita 氏からピンホールの外の部分をすり鉢状に削ることを教わって、やっと解決。感謝。

発売年
2010年   愛着度★★
型 式
中判フィルム 6x9cm/6x12cm ピンホールカメ ラ
シャッター バルブのみ
ピ ンホール
φ0.3mm 焦点距離 40mm F135
6x9  で画角 105° (35mm判で35mmレンズに相当)
6x12 で画角 116° (35mm判で28mmレンズに相当)
測 光
なし
ファ イ ンダー
なし
フィ ル ム交換
1.使用済みフィルムが ある時 は、上面の巻き上げダイヤルで全部巻き上げる。
2.両側面の留め金を下げて、背面をはずす。フィルムを取り出す。
3.古いスプールを巻き取り部に移して、新しいフィ ルムをセット。
4.巻き上げは右手上面の巻き上げダイヤル。
5.フィルムカウンターは背面の赤窓で見る。
  (6x9 の時は16に合わせて 2枚送りで 8枚、6x12 の時は12に合わせて 2枚送りで 6枚撮影できる)
大きさ・重さ w210mm x h96mm x d56mm 220g

Holga 120WPC

東京・隅田川テラスを永代橋から新川町沿いに歩く。中央大橋が近づ く。画角116°と6x12のフィルムならではのパース。
三脚使用。 Φ0.3mm F135 f=40mm / RDPII
I
Holga 120WPC

東京・隅田川。霊岸島の水位観測所。背景は築地方向。上掲の写真と 同じ日の撮影。どちらも四隅のケラレを改修する前の写真。
三脚使用。 Φ0.3mm F135 f=40mm / RDPII
I

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