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休八写真館特殊デジタル室(サーマルカメラ)

Seek thermal Seek Shot Pro



Seek thermal
        Seek Shot Pro 放射線ならばガイガーカウンター、赤外線ならば 赤外線カメラ。目で見えない ものを検知できたり、映像化できる機械はものすごく魅力的だ。

赤外線も我々には見えない光であるが、実はどのような物質からも放出されていて、その強度は絶対温度の4乗に比例するという。したがって、そ の強度から温度を計算でき、さらに色に変 換するとサーモグラフィ画像になる。医療・建築・軍用に使われているが、本機のような建築用であれば、壁の向こうを走る配管の 位置を確認したり、機械の発熱部を見るのに使われる。

ただし、
小型のサー モグラフィーカメラはなかなか無くて、多くはピストルグリップ型の小さな画像が見えるだけのものが多い。そうした中で、2008年に発売された日本アビオニクスの Thermo Shot F30S には驚かされた。小型カメラの形状をしていたからである。近年では、FLIR System 社Seek Thermal 社 が魅力的な製品を出している。

本機のデザインは秀逸で、大きめのスマホ程度の大きさと軽さ。凹凸も少ないため、ポケットなどにも収納しやすい
。また、背面に大きめのタッチスクリーンがあり、リアル タイムで画像を見ることができる。画像には、実像とサーマル画像があり、個別にも見られるが、 両方を重ねての表示もできる。この表示機能があるだけで、他社の製品とは便利さがワンランク違う。充電は底部のUSB で行うが、電池の持ちもよい。

表から見たとき、赤い枠の真ん中にあるのが、メインレンズでサーマル画像用。その下にある小さなレンズが実像用である。両者には視差があ るので、像を重ねるときには、視差の補正が必要であり、それをソフト的に行うのである。よくできていると思う。なお、この視差は手前の像 と奥の像ではずれ方が違ってしまうから、複数の物体が写っている場合はすべての物体を完全に重ね合わせることはできないが、十分に有用で ある。

操作性は、タッチパネルで行うので簡単だし、メニューもわかりやすい例えば、実像とサーマル画像の重ね合わせ表示のときは、ず れの 補正値と重ね合わせの比率をそれぞれ自由に決められる。

街を歩くときや、通勤の途中で、使うことがある。普段、見慣れた景色が一変する。街の建物や乗り物などを見ると、それらの温度が視覚化されて まるで異なる風景となる。地下鉄の排気口が温かい ことや、エアコンの室外機の熱を見ることができる。

追記1:底面のUSBソケットを覆うためのゴム蓋が外れて紛失してしまったのだが、 メーカーに問い合わせたら、送ってもらえ た。迅速な対応がうれしかった。

追記2:明るいところでは液晶がかなり見づらい。また、タッチの反応が悪いときがある。

発売年
2019年6月  愛着度★★★★
型式
サーマル画像カメラ
温度センサーの解像度
76.8万画素  (320×240) -4.4℃〜330℃ 視野角 57°
液晶
3.5型(640 x 480 dot)、タッチパネル
記憶媒 体 マイクロSDカード 64GB まで。(1GBで5分ぐらい録画できる)
バッテ リー
4時間
大き さ・重さ w140×h80×d28mm 205g
関連 web
Seek Thermal  https://www.thermal.com/seekshot-series.html
ミルス・システムズ https://www.mils-sys.co.jp/products/seek-shot-pro/

SeekShotPro
              工事現場実画像

工事現場の実画像。解像度は低いが描写はよい。

SeekShotPro
              工事現場サーマル画像

工事現場のサーマル画像。中央の重機や右の人物が周囲よりも高温なのがわかる。逆に鉄骨などはかなり温度が低いのがわかる。

SeekShotPro
              手とキーボード サーマル画像

手のミックス画像。視差の補正をできるだけ行った画像。人差し指などはほぼきれいに重なったが、親指の付け根付近ではずれが 出ている。
SeekShotPro
              地下鉄 サーマル画像

地下鉄でのミックス画像。視差の補正が間に合わなかったので、人の姿がややずれてしまっている。


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