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Web の歴史 (1) ブラウザ


■1.Mosaic

1993年、NCSA の Marc Andreessen が、Mosaic を作りました。これがブラウザの始まりで、文章の中に、画像や音声をいれることができ、web上のさまざまな文書を相互にリンクすること ができました。こうした文章以外のものを文章中に盛り込ませたテキストをハイパーテキストといい、その盛り込ませ方のルール言語が HTML (Hyper Text Markup Language ) です。Mosaic と HTML は Web の標準となって、さまざまな用途に広く使われるようになっていきました。

ブラウザの系譜

■2.第1次ブラウザ戦争

1994年、Mosaic 開発の中心であった Marc Andreessen は NetScape 社を設立して、さらに使いやすいブラウザ NetScape を 開発します。圧倒的なシェアを占めるように なるのですが、マイクロソフト社が新しいブラウザ Internet Explorer (IE) をリリースして、NetScape を猛迫、Windows 98 の普及もあって、ついに逆転します。この NetScape と IE のシェア争いはすさまじいものがあり、これを第1次ブラウザ戦争と言っています。

第1次ブラウザ戦争の際には、両社のブラウザに次々と新機能が加わりましたが、HTML言語に新しいタグを加える拡張争いになってしまい、 せっかくWebページを作っても、どちらか片方でしか表示できないというような状況が生じまし た。これを杞憂して作られたのが、W3C (World Wide Web Consortium) という機構で、HTML 言語の標準化、策定、勧告などを行って HTML 言語の分裂を守ったのです。

■3.第2次ブラウザ戦争

Gecko1998年ぐらいから本格的なウェブの時代に入りまし た。メー ルのやりとりが普通になってきましたし、検索サイトも重要な位置を占めるように なってきました。NetScape の開発は、Mozilla に引き継がれ、Firefox, IceWeasel, SeaMonkey といったブラウザが生まれました。また、NetScape は Gecko、IE は Trident
というレンダリングエン ジン(ブラウザのコアになる部分。レイアウトをする) をリリースしたことと、オープンソー スにしたために、さまざまな派生ブラウザが一挙に生まれまし た。Unix のブラウザであった Konqueror からは、Safari Chrome な どが生まれ、それぞれのレンダリン グエンジン WebKit と Chromium を元に、さらに多くのブラウザが生まれました。

こうしたブラウザの百花繚乱は、さまざまなアイデアやテクノロジーの競争を生みましたので、第2次ブラウザ戦争と言っています。しかし、こう したブラウザの進歩の一方 で HTML 4.01 以降のヴァージョンアップが停滞していて、旧態化が目立つようになってきた時代でもあります。そこで、2004年、新たなワーキンググループ WHATWG が立ち上がり、再び、HTML の見直しを始めました。こうした流れは、Web の歴史(2)言語へ。

■4.NetScape の派生アプリ

NetScape は、Ver 3.0 Gold Edition でブ ラウザ、コンポーザ(エディタ)、チャット、メーラーを装備したスート(総合アプリ)となり、Mozilla を経て、SeaMonkey に継承されました。また、Mozilla 時代にソースコードが公開されたため(=オープ ンソース)、
単機能の派生アプリが 多数生まれました(下図)。
Composer の流れ

NetScape の派生アプリとしては、ブラウザなら Firefox, メーラーなら Thunderbird が有名です。そして、2009年リリースの SeaMonkey 2.0 以降では、 FireFox のエンジンやプラットフォームが利用されています。

また、コンポーザなら、Nvu, KompoZer, BlueGriffon などが有名で、BlueGriffon では、音声や動画の組み込みや、CSS、JavaScript などの編集までもが可能になっています。SeaMonkey よりも高機能のエディタが欲しいときには、BlueGriffon にステップアップできます。


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