© 2000-2024, Kyu-hachi TABATA Last updated 2007/11/23

「展覧会の絵」 ピアノ協奏曲
"Pictures at an exhibition" piano concerto

 / 展覧会の絵 / Pictures at an
                exhibition  / 展覧会の絵 / Pictures at an
                exhibition
 / 展覧会の絵 /
                Pictures at an exhibition

 / 展覧会の絵 / Pictures at
                an exhibition
Geoffrey Simon
w/ Philharmonia O.
Tamas Ungar (pf)
Igor Blaschkow
w/ Deutsches S. O. Berlin
Emile Naoumoff (Pf)
Tolga Kashif
w/ Royal P.O.
Maksim Mrvica (pf)
Thomas Wilbrandt
w/ Modern Sinfonietta
arr. Lawrence Leonard arr. Emile Naoumoff arr. Tolga Kaahif arr. Thomas Rilbrandt
CALA CACD1012 ALCAR ALC 5106 2 東 芝 EMI TOCP 67467 Decca 436 717-2
London 1992/2/21-24, 4/8-10 Berlin -2015, Kyu/2/14-18 2004/8 Berlin 1992/2-3
オーケストラによるプロムナードで始まり、グノムからピア ノが入る。こ の後、 うまくピアノとオケが絡みあいながら進行する。ムソルグスキーの原曲をもとに編曲を行ったそうであり、協奏曲というスタイル も相まって、原曲のイメージが 自然に膨らむ。しかし、一方でラヴェル編そのものというようなところもあり、ピアノ原曲版とラヴェル編の無難な折衷のような 感じもする。ブックレットには 編曲の歴史についての詳しい解説があり、興味ぶかい。一聴の価値ありで、おすすめできる。

 / 展覧会の絵 /
                Pictures at an exhibition
CALA CACD1030

曲順を替え、「展覧会の絵」 をメインにし、ピアノ協奏曲版であることを明確に表示した再プレス版。ライナーも
簡潔に書き換えられ、若いサイモンや、ピアノのアンガーなど の写真も削除されている。
鐘の音のモチーフがピアノによって 何度も演奏される。このモチーフは「はげ山の一夜」や「ボリス・ゴゥドノフ」などでも用いられていたものであり、心理描写の 効果がある。ただし、「展覧会 の絵」では本来のモチー フであるプロムナードとあわせて、二重に全体をつらぬくため、やや構成が複雑になりくどい感じがした。また、ピアノのアレン ジはかなり装飾豊かなものと なっているが、オケのア レンジはラヴェル版の影響が強くそれでいて添え物的になってしまっていた。せめて鐘のモチーフを他の楽器でも受ける形でどこ かに取り入れるなど構成に広が りを持たせるべきだっ たのではないだろうか? 第5プロムナードが省略され、ビドロもラヴェル版風であることも物足りない。大胆な試みの一方でこ うした欠点が目に付き、協奏曲 としての面白さも不足気味で不満が残る。

ナウモフは、1962年のソフィア生まれ。 作曲・編 曲。ピアニストとして活躍しており、 ストラビンスキー「火の鳥」のピアノ版編曲などもこれまでに手がけている。
ピアノ協奏曲だが、ラヴェル編と原曲を 単純に組み合わせたような、ややお手軽な作り。取り上げている曲もプロムナード、古城、バーバ・ヤーガ、キエフの大門の4曲 のみのダイジェスト版となっ ている。演奏はオケに負けまいとただ単純に張り合っているようでこれも物足りない。リスナーの対象がクラシック・ファンでな いのは明らかだが、なおさらも う少しきめ細かな編曲と演奏が欲しいように思う。残念。

マキシムはクロアチア出身のピアニストで 21世紀の「戦場の ピアニス ト」というキャッチフレーズでプッシュされている。アテネ・オリンピックのメイン・テーマ「オリンピック・ドリーム」も 演奏。このCDは「ヴァリエー ションズ」というタイトルでさまざまな有名曲が収録されており、後半はRPOと共演する豪華な構成。
ピアノやオンド・マルトノまで加わった意欲的な編曲。出だ しのプロム ナードはピアノ協奏曲風。続くグノム はバスーンをスローテンポで使い、そこに高音の管楽器をからませ、不安な感じをうまく出している。しかし、こうした不安やス トレスを演出するのはうまい が、古城、テュイルリー、ひなの踊り、リモージュなどではもっと軽やかさや伸びやかさがあってもよいと思う。プロムナードは 第2で管、第3で管弦、第4で オンドマルトノ、第5で弦という風にうまく使い分けられ、構成の妙を感じる。最後のキエフの冒頭で再びピアノの清明な音が入 るのが美しい。続いて弦を中心 にした展開があり、見事な構成。
 なお、Exhibition Echoes(time 15'02) という「展覧会の絵」の別バージョンが収録されている。これは、プロムナード、グノム、プロムナード、古城、カタコンブ、エ ピローグの5曲から成る抄録版 ともいえるもの。
(time 33'51) (time 44'02) (time 12'28) (time 41'37)
併録:はげ山の一夜(リ ムスキー =コルサコフ編)、ソロチンス キー・フェア(リアドフ)、クリミアからの絵(ゲール)など 併録:ピアノの管弦楽のための瞑想(ナウモ フ) 併録:コレブレ(フー リッ ツィ)、ピアノ協奏曲1番(チャイコフスキー)、戦場のメリークリスマス(坂本龍一)、オリンピック・ドリーム(エセッ クス)、ボヘミアン・ラプソディ (マーキュリー)など多数 併録:Exhibitionistic Echoes (ムソルグスキー/ウィルブランド)

とびら へ 前へ  次へ
↑ トップへ