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「展覧会の絵」 録音あれこれ
"Pictures at an exhibition" the recordings

■1.録音時間

昔の演奏は、やたらと早いテンポのものが多いです。ピアノならリヒテル(1958年、29'21)もホロヴィッツ(1951年、 29'11)も早弾 きになっていますし、オーケストラでもクーセヴィッキー (1930年、29'49) やトスカニーニ (1948年、29'36)などは、いずれも30分を切るものばかりで、早いテンポの演奏です。メディア(SPやLPは録音時間が短かっ た)の制限もあっ たためでしょうか? ちなみに、ピアノならモイセーヴイッチの1960年録音は、わずかに24分12秒と最速。一方、テンポの遅いものは というと、ピアノ ならアファナシエフの 44分20秒、オケならばチェリビダッケの後年の録音で 42分37秒です。これらがとぎれなく聴けるのは録音時間の長いCDのおかげでしょう。


■2.同時収録曲

オーケストラでは、同じくムソルグスキー作曲の「はげ山の一夜」がもっとも多いと思います。ついでロシア音楽ということで、ストラビン スキー「春の 祭典」やボロディン、チャイコフスキーの楽曲などとの組み合わせがあります。これと同じくらい使われるのが、ラヴェルの楽曲で、全曲ラ ヴェルづくしという のもあります。たとえばク−セヴィッキー、ジュリーニなどです。また、標題曲づくしというのもありました。セルのCDがその例で、ハー リ・ヤノシュとキー ジェ中尉がカップリングされていました。よくあるのは、「展覧会の絵」のピアノ版とオーケストラ版という組み合わせです。園田高弘(ピア ノ)のCDでは、 ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァヌ」の原曲(ピアノ曲)がカップリングされていました。これも管弦楽曲が有名であり、比較したくなる 組み合わせですよ ね。ストラヴィンスキーの「春の祭典」もピアノ版がありますが、これとのカップリングはまだ見たことがありません。


■3.二足のわらじ、三足のわらじ

ピアノ版とオケ版を1枚のCDにカップリングしたものがしばしばありますが、そうした中でも、アシュケナージ(1982年)とアントルモン (1989年) は特別です。なぜなら、ピアニストとしてピアノ版を演奏し、かつ指揮者としてオケの指揮もしているからです。アシュケナージの方は、ラヴェル 編管弦楽曲で はなく、自分自身で編曲した管弦楽曲を演奏しているところからピアニスト、指揮者、アレンジャーの三足のわらじといってもよいでしょう。

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                展覧会の絵 / Pictures at an exhibition
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                展覧会の絵 / Pictures at an exhibition
Uladimir Ashkenazy
w/ Philharmonia O
Philippe Entremont
w/ Denver S. O.
arr. Ashkenazy
arr. Maurice Ravel
London/ポリドール F25L-5311
Victor VICC-9
London 1982/9
Denver 1989/1/19-21


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