updated on 2009/09/20

休八写真館＞中判カメラ室（6x6判一眼レフ）

Hasselblad 503CX

ハッセルブラッドは雲の上のカメラ。レンズ一本とボディだけで50万円からという価格は、プロならばともかく、アマチュアにとっては普通のカメラではない。

そんな風に思っていたけれど、2008年後期からの世界不況とデジタル・カメラの席巻のせいで、オークションサイトを覗くと驚くほど安く、いい中古品が出るようになっていた。ネットで買うときにはリスクが伴うが、ハッセルは故障の少ないカメラだ。また、ヨーロッパからの出品だと、年間を通して気温が低く乾燥している気候のせいか、モノを大事にする人々が多いのか、状態のいい中古カメラが多いように見える。しかも、日本はカメラ・メーカーががんばってくれているおかげで、外国製カメラの輸入に関税がかからない（消費税は必要）。加えて、ドルが円に対して安くなっていることもあって、ドル売りのものを円で買う時には、割安感がある。

こうした状況のおかげで、503CX を購入することができた。ハッセルのカメラでは 500C/M が有名だし、人気がある。しかし、アキュートマット・スクリーンの採用で明るくなったファインダー、光の乱反射を防ぐパルパス材が採用された内壁、クランクが折り畳まれている巻き上げダイヤルなど、500C/Mよりも実用面で充実している一方で、すぐに後継機 CXi が出たせいか、中古市場では安くなっていたのが選択の理由だった。

6x6 の写真は面白い。縦と横がないということもあるけれど、真四角であるために、ばっちり決まるフレーミングもある。例えば、神社の鳥居を正面に神殿を奥に写真を撮るときなどは、ものすごく座りのよい写真になる。本当に驚いた。

ハッセルブラッドの500EL という機種は宇宙仕様もあって、アポロ計画に使われた。アームストロング船長が撮った鮮明な写真はハッセルで撮られていたのだ。古典的なカメラであるけれど、宇宙を身近に感じさせてくれるカメラでもある。

追記１：　2009 年4月ぐらいになって、海外のオークションサイトであれほど出回っていた中古カメラがめっきりと減りました。お得な出物をほとんど見なくなりましたし、開始価格もかなり高めになりました。オバマ大統領が2009 年1月に就任し、アメリカの景気回復の見込みが出てきたのでしょうか。

発売年	1988年　　　愛着度★★★★★
型式	120フィルム 6x6cm／レンズシャッター／レンズ交換式／一眼レフカメラ
レンズ	CFシリーズ
シャッター	機械式レンズシャッター、1/500～1秒、B
シンクロ接点	X接点、ドイツ式コネクタ。
測光	なし
測距	マニュアル。ファインダーで像合致。
ファインダー	アキュートマットスクリーン。ウェストレベル（正立左右逆像）。
フィルム交換	１．使用済みフィルムがある時は、右側面の巻き上げダイヤルを使って完全に巻き挙げる。２．マガジン部左側面のダイヤルを半分ねじって、フォルダを引き抜く。使用済みフィルムを取り出し、古いスプールを巻き取り部に移す。３．新しいフィルムを入れ、リーダー部を引き出し、巻き取り部のスプールに差込み、巻き付ける。４．マガジン部左側面のダイヤルを動かして、フィルムの一部を咬みながら、マガジンに差し込む。５．巻き上げは上面左の巻き上げダイヤルを使い、カウント窓を見ながら巻き上げる。
大きさ・重さ	w107mm x h114mm x d180mm 600g (マガジンA12 と Planar 80mm F2.8 を装着して 1,546g)
参考文献	藤田一咲, 「気まぐれカメラ BOOK」玄光社 2007 マニュアルカメラ編集部編　「魅惑のハッセルブラッド図鑑」　枻出版 2009

白馬村の朝。 Distagon CF50mm F4 / Velvia 100	ハナミズキ。 Planar CF80mm F2.8 / Velvia 50
モミジ。夏なのに、1本の枝だけ紅葉していた。 Planar CF80mm F2.8 / RDPIII	北九州市、小倉城の一角にある小倉八坂神社。 7月のはじめに、小倉祇園太鼓の祭りが行われる。 Distagon CF50mm F4 / RDPIII
北九州市のリバーウォーク。紫川越しに。 Planar CF80mm F2.8 / RDPIII	北九州市の小倉城。昔と変わらない。 Planar CF80mm F2.8 / RDPIII

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