| © 2012, Tatsuyuki KAMIRYO | ネアンデルタール人を推理する |
最初のホモ属(すなわち原人)としては、「頑丈になりかけて止まった」アウストラルピテクス・ガルヒ
(A. garhi )から進化(多様化)してきた、ホモ・ハビリス(H. habilis
)だとみなすのが妥当なようです。ハビリスからエルガスター(初期のエレクトス)が派生して、この種は旧世界の各地に拡散しました。エルガスターは肉食の
傾向を高めたので、アフリカだけでは増えた人口を養えなくなった、というアラ
ン・ウォーカー(Alan Walker & Pat Shipman)の説、『人類進化の空白を探る(The Wisdom of
Bones, 1996)』朝日新聞社(平成12年)には説得力があります。これを言い換えると、当時の人口密度はアフリカが最高で
あって、しかもそこで増え続けてい
た、ということです。エレクトスに限らず、どの段階の人類にせよ、その小集団がアフリカを出て行っても、アフリカの人口密度には影響しなかったは
ずです。だから「出アフリカ」の項では、そういう移動がなんども何度も繰り返されただろう、と書いたんです。| とびら へ | 前へ 次へ |
↑ トップへ |