updated on 2006/10/01

休八写真館＞35mm判カメラ室

Canon EOS Kiss III

1990 年、EOS 10 が出たとき、初めてオートフォーカス(AF)機を欲しいと思った。しかし、実際に手にとって操作してみると合焦が遅くて、AFはまだまだだと思った。

1995年、EOS 55 が出たとき、今度こそ欲しいと思ったが、高くて手がでなかった。

ある夏の日、帰省時に子供たちを連れてプールに行ったのだが、妹の夫君が New Kiss を使って写真を撮ってくれていた。その写真を見ると水の色がうまく写っており、それでいて子供たちの顔の色もなかなかよく写っていた。青い色と肌色がうまく写るなんてちょっと驚きだ。露出が難しいはずの写真があっさりと撮れていることにも驚いた。一方、私は年をとったからか、疲れ気味の時が多いからか、時々、フォーカスの甘い写真を撮るようになった。それで、EOS Kiss III を購入した。ブラックの機体もあったが、ツートンの方が精悍な感じがした。初めての EOS、初めてのAF機だった。2000年のことだった。

キャノンのよいところは、カメラ本体だけでなく、レンズにも力をいれていることだ。今回の Kiss III には、28-80mm と 75-300mm のズームをつけたが、どちらも軽く明るく扱いやすいレンズだった。また、撮れた写真も色再現がよい。

昔の巨大なレンズがこんなに軽く小さくなったことを驚く一方で、その軽さ故の手ぶれも気になった。せめて、ボディはもう少し重いものの方が自分にはあっている。また、オートフォーカスもしばしば考え物で、自分の思惑以外のところにピントが行く。AFとMFの使い分けを覚えることになった。内蔵ストロボも思っていた以上に暗い。便利ではあるが、何というか、便利の不便も感じた。

しかし、まぁ、結局は「レンズがいい」という１点で、乗り越えられたと思う。少なくともこれでAFにも馴染んでゆき、愛機 T70 を使うことがほとんど無くなった。

追記１：　αショックといわれたミノルタのAF一眼レフ、α-7000の登場（1985年）から遅れること２年、1987年になって、やっとキャノンはAF機を出す。しかし、待っただけのことはあった。レンズマウントをより大きくし、レンズ自体に超音波駆動モーターを組み込んだ EF シリーズと共にEOSシリーズを出してきたからである。この後、1989年には早くも EOS-1 をリリースしている。

追記２：　EOS Kiss は初代が1993年の発売。軽くて簡単操作を旨とし、子供の成長を撮るお母さんをターゲットにした一眼レフだった。

発売年	1999年4月　　　愛着度★★★
型式	35mmフィルム／フォーカルプレーンシャッター／レンズ交換式／一眼レフカメラ
レンズ	EFシリーズ
シャッター	電子式フォーカルプレーンシャッター、最高 1/2000
シンクロ接点	X=1/90 (ホットシュー式)
測光	TTL測光、 EV2-20
測距	オートフォーカス（位相差検出方式　AFフレームは7点）
ファインダー	倍率 0.7倍、視野率は90%。露出、シャッター速度、フォーカス合致の表示あり。
フィルム交換	１．フィルム途中で撮影を中止する時は、背面のボタンを押して巻き戻す。２．背面を開ける時は、左側面の開閉ボタンを押す。３．フィルムをパトローネ室に入れ、フィルムのリーダー部を赤いマーク部まで引き出してから蓋を閉める。４．巻き付けと巻き上げは自動。フィルムカウンターも自動。カウントアップ式。
その他	データ写し込み機能あり。内蔵ストロボ（GN=12）。フィルムは装填されるとすぐにプリワインドされるため、24/36枚目から撮影される。
大きさ・重さ	w140 mm x h90mm x d58.5mm 355g (EF 28-80mm 装着で 555g)
関連 web	キヤノン・カメラ・ミュージアム / EOS Kiss III：　https://global.canon/ja/c-museum/product/film214.html

鹿児島・錦江湾で漁をしている船。 EF 70-300mm F4-F5.6 III USM / Fuji RA	鹿児島・開聞岳麓の磯辺で見つけたギンカクラゲ。 EF 28-80mm F3.5-5.6 V USM / Fuji RA
鹿児島・瀬平（せびら）公園付近から見た開聞岳。 EF 70-300mm F4-F5.6 III USM / Fuji RA	鹿児島・大隅の花瀬川。 EF 28-80mm F3.5-5.6 V USM / Fuji RA

とびらへ

前へ　次へ

↑　トップへ