© 2001-2024, Kyu-hachi TABATA updated on  2011/02/12

休八写真館35mm判カメラ室

Canon EOS 7



Canon EOS 7 /
        キャノン EOS 7 EOS Kiss III ではフォーカスが時々思い通りにならず不自由に感じ始めた。それで、視線入力のできる EOS 7 を購入した。フォーカスのヒット率はかなり高く、通常使用では不満が無くなった。AFの癖にも慣れてきて、MFとの切り替えの判断を早くできるよ うになっ た。AF機でもいい写真が撮れるようになってきた。

EOS 7 のデザインに強く惹かれたことも購入の強い動機だったのだが、EOS Kiss III と同じデザイナーの作品と知って納得した。グリップの処理やペンタ部分のデザインは特にいいと思う。手にしたときの重さも良い。かっての愛機 Canon T70 と同じ重さだったのも妙に嬉しかった。

鹿児島では、海にも山にも持っていった。デジタル全盛の時代になりつつあったが、私のメインカメラはあくまでも EOS 7 だった。レンズは EF 28-105mm F3.5-4.5 と EF 75-300mm F4-5.6 の2本。フィルムは Velvia (ASA 50)。サブカメラは IXY digital 300、 DVカムは SONY DCR-PC110。これら機材をカメラバッグに 入れて持ち歩いた。 EOS 7 は、T70 以来の信頼できるカメラだった。

最初は鹿児島の海に惹かれて、海岸を散策したり、貝拾いに夢中になった。いろんな生き物たちがいて、それらを記録した。夏は、奄美大島、沖永 良部 島、屋久 島などの島に渡ってのんびりした。

2003年の秋からは、EOS 7 一式をリュックに入れて山歩きするようになった。足繁く通ったのは霧島連山だ。最初は大浪池(おおなみのいけ)に登るだけで大変だったのに、いつ のまに か、韓国岳(からくにだけ)や新燃岳(しんも えだけ)を歩き回るようになっていた。特に韓国岳の山頂から眺める高千穂峰(たかちほのみね)の美しさには何度も心を奪われた。温泉好きなことも あって、 登 山の後の温泉も大きな楽しみだった。

2011年1月、新燃岳が噴火した。穏やかな霧島山系になじんでいた自分には、そして今や東京に居てテレビを通して噴煙を眺めている自分に は、な ん だか信じられない光景だった。あれだけの噴火と降灰があれば、多くの草木が枯れるだろう。5月の山麓を彩るミヤマキリシマやえびの高原周辺のノカ イドウは 今年は花がつかないかもしれない。夏の緑葉も秋の紅葉も今年は惨憺たる状況だろう。

フィルムストックを取り出して、かっての新燃岳を眺めた。どれも穏やかな山の姿だった。

追記1: 1987年の EOS 650 で始まったEOSシリーズは、2000年10月の EOS D30 から本格的にデジタルカメラへとシフトしていく。フィルムカメラとしての EOS はこのEOS7がほぼ最終型と見なしてよく、2004年3月の EOS 7s と 同年10月の EOS Kiss 7を最後に、フィルムカメラの新型機はリリースされていない。Canon 7/7s が、キャノンのレンジファインダーカメラの最終機だったことを合わせて考えると、7はつくづく「終わりのジンクス・ナンバー」ということにな りそうだ。

追記2: デザインやスペックはよかったが、操作系が複雑すぎる気がした。特に背面のスイッチの煩雑さには未だに慣れ ない。ただ、中級機ゆえの複雑さなのかもしれない。フラッグシップ機などは案外、単純な操作系だからだ。

追記3: 2005年になって、左側のダイヤルの軸が折れてダイヤルごとぽろりと取れてしまった。キャノ ンのカメラでこういう壊れ方は「あり得ない」と思っていたのでちょっとびっくりし、がっかりした。この後、1年としないうちに、再度このダイ ヤルが壊れ、 今度はOFFにしても電源がつきっぱなしになってしまった。すぐに修理に出したが、いざ使う段になって、視度修正ができなくなっているのに気 づき、再修 理。修理が続いたのも残念だったが、大事なところでいい写真を撮ること ができなかったのは痛かった。

発売年
2000年10月  愛着度★★★★★
型 式
35mmフィルム/ フォーカルプ レーンシャッター/レンズ交換式/一眼レフカメ ラ
レンズ EFシリーズ
シャッター 電子式フォーカルプレーンシャッター、最高 1/4000
シ ンク ロ接点
X=1/125 (ホットシュー式)
測 光
TTL測光、 EV1-20
測距
オートフォーカス(位相差検出方式 AFフレームは7点)
ファ イ ンダー
倍率 0.70。視野率は上下 90%、左右92%。視線入力機能あり。露出、シャッター速度、フォーカスの表示あり。
フィ ル ム交換
1.フィルムを途中で巻 き上げる 時は、左側面のボタンを押して巻き戻す。
2.背面を開ける時は、左側面の開閉ボタンを押す。
3.フィ ルムをパトローネ室に入れ、フィルムのリーダー部を赤いマーク部まで引き出してから蓋を閉める。
4.巻き付けと巻き上げは自動。フィルムカウンターも自動。カウントアップ式。
その他 データ写し込み機能あり。内蔵ストロボ(GN=13)。
大きさ・重さ w146.7mm x h103mm x d69mm 580g  (EF 28-105mm 装着で 955g)
関連 web
キヤノン・カメラ・ミュージアム / EOS 7: https://global.canon/ja/c-museum/product/film224.html

Canon EOS 7 / キャノン EOS 7

霧島・新燃岳。
2011年に噴火したが、それ以前の火 口の 様子。
EF 28-105mm F3.5-4.5 II USM / Fuji RVP 50
Canon EOS 7 / キャノン EOS 7

霧島・山ノ城(やまんじょ)温泉。
天然の露天風呂。
EF 28-105mm F3.5-4.5 II USM / Fuji RVP 50
Canon EOS 7 / キャノン EOS 7

霧島・韓国岳の登山道の紅葉

Canon EF75-300mm F4-5.6 III USM / Fuji RVP 50
Canon EOS 7 / キャノン EOS 7

霧島・韓国岳の山頂で見た
環水平アーク。
EF 28-105mm F3.5-4.5 II USM / Fuji RVP 50
Canon EOS 7 / キャノン EOS 7

沖永良部島・ウジジ浜海蝕に よってできた奇 岩が並ぶ。
EF 28-105mm F3.5-4.5 II USM / Fuji RVP 50
Canon EOS 7 / キャノン EOS 7

沖永良部島・笠石海浜公園
のアダンの木。田中一村もよく描いていた。
EF 28-105mm F3.5-4.5 II USM / Fuji RVP 50

とびら へ 前へ  次へ
↑ トップへ