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休八写真館35mm判カメラ室

Asahi Pentax MZ-30



Asahi Pentax SP / 旭光学 ペンタックスSP K マウント機であるが、アダプタを使って、M42 マウントの AE カメラとして使っている。

本来のKマウントレンズを装着すると、さまざまなAE機能を持った多機能な電子式カメラになるのであるが、M42レンズを装着すると、シンプ ルな AEになる。モードダイヤルがどこにあっても、実絞り優先AEとなり、レンズの絞りに応じて、適正なシャッター速度が提示される。逆光のときなど の露出補正も簡単で、ボディ左側の [+/-] ボタンを押しながら、シャッターボタンの受け部にあるセレクタ・ノブを動かすだけである。思っていたよりも操作はずっと簡単で、ファインダーの情報も簡 潔、露出補正の簡便さもあって思わず声をあげそうになっ た。

MZ-30 は、フィルムカメラとしてはかなり新しい機種である。シルエットは上位機種のMZ-3 や MZ-7 と似ているが、ダイヤルがより小さく作られていて凸凹感が少なく、ペンタ部のカーブも美しい。機能をシンプルにすることが、フォルムのシンプル化にもつな がっていて、初めて見たときから気になるカメラだった。

操作性はかなりよい。特に、シャッターボタンの受け部にあるセレクタ・ノブは便利で、左右に動かすことで、さまざまな設定を簡単に操作 できる。ボディを構成する曲線と直線が上手につながっていて、ホールド感がよいし、必要なボタンへの指がかりもよい。ファインダーには視度調節も ついている。

金属製カメラや機械式カメラの美点が述べられるとき、比較としてプラスチック製カメラや電子式カメラの欠点が上げられることがある。しかし、 この カメラを手にしていると、プラスチック製で電子式であることの利点が見えてくる。金属では実現できる形状に制限があるし、機械式だと難しいスイッ チ位置や操作系がある。しかし、プラスチック製で電子式だとそうした制限が少なく、デザインを第一にフォルムを作れるし、スイッチなども操作 性を 第一に配置できる。美しく、操作性のよいカメラを作るのには、プラスチック性で電子式であることが大きなメリットになっているし、このカメラの質 感はなかなかよいと思う。

旭光学はM42マウント でも、Kマウントでも、信号ピンなどを加える改良を段階的に行っていて、いくつかのサブシリーズがある。また、M シリーズなどは小型・軽量のレンズシリーズであったりして、シリーズにもレンズにも多様性がある。それでいてレンズ性能は高く、絞りリングと 距離リングの 配置は一定であって、実に使いやすい。こうした機能性が高く、個性豊かなレンズ群を1社で生み出し続けた旭光学は本当にすごいメーカーだと思う。

追記1: KマウントとM42マウントは直径が違うもののフランジバックが同じなの で、純正アダプ タを使うと、マウント部がフラットになって、まるでM42マウント機のよ うになる。マウントアダプタはいろいろなメーカーから出ているが、レンズの位置が真ん中にこないものがあるようだ。スクリューを正確に切ることは案外むず かしいと聞いたことがあるので、工作精度の違いだろうか。結局、ペンタックス純正のマウントアダプタを使っている。

追記2: 私のMZ-30は、カメラのキタムラでの掘り出し物。ミラーもキレイだし、電池を入れると全てが正常に動作する。いいカメラな のに、もう査 定がつかないとかで、\500 であった。1本のフィルムよりも安い。なんだか奇妙で、ちょっと悲しい。

追記3: ペンタックスは、1919年に旭光学と して創業し、1952年には国内初の一眼レフ アサヒフレックス、1962年に名機 SP、1969年中判の一眼レフである 6x7、1979年に110フィルムを使う一眼レフ オート110 と常に一眼レフにこだわり続けたメー カーである。2002年に社名をペンタックスに変更。2006年に HOYAに吸収合併されたが、2011年 HOYA から離れて、リコーと合併。私の MZ-30 は2002〜2006年の製造なのか、Pentax のみの刻印だった。

発売年
2000年2月   愛着度★★★
型 式
TTLストロボ内蔵・TTL自動露出・オートフォーカス35ミリ一眼レフカメラ
シャッター 1/2000 〜 30秒、B
レ ンズ
KAf、KAf2、KA マウント (A位置を持っているKシリーズレンズに限る)
測 光
TTL開放6分割測光  使用レンズにより中央重点測光と自動切替 
ファ イ ンダー
50mm レンズで 92% 0.7倍
フィ ル ム交換
1.フィルム巻き戻しは 自動。強制巻き戻しは左側面の小さいボタンを押し込む。
2.背面を開ける時は、左側面のノッチを上に押し上げる。
3.フィ ルムをパトローネ室に入れ、フィルムのリーダー部を引き出し、右側のオレンジマークまで伸ばす。
4.巻き上げは自動。
5.フィルムカウンターは背面の開閉で自動復帰。順算式。
大きさ・重さ w135.5mm x h92mm x d63.5mm 375g (アダプタ、電池こみで412g、55mm F1.8 装着時で 630g)
参考 web
ペンタックス / MZ-30: http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/filmcamera/35mm/mz-30/
ペンタックス / MZ-30 マニュアルPDF: http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/support/man-pdf/MZ-30.pdf

Pentax MZ-30 / ペンタックス MZ-30

ロバート・インディアナ作の「LOVE」。新宿で。
Fish-Eye Takumar 18mm F8 / RDPIII

Pentax MZ-30 / ペンタックス MZ-30

湯島天神の菊まつり。
SMC Takumar 28mm F3.5 / RDPIII

Pentax MZ-30 / ペンタックス MZ-30

東京スカイツリー。湯島にある東京医科歯科大からの眺望。
SMC Takumar 55mm F1.8 / RDPIII

Pentax MZ-30 / ペンタックス MZ-30

隅田川の相生橋南景。新木場方向に朝日が昇る。
SMC Takumar 35mm F3.5 / TMax 100


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