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休八写真館35mm判カメラ室

Olympus μII



Olympus μII / mju II / mju 2 /
        ミューII オ リンパスは小さく作ることにこだわるメーカー。PEN がそうだし、XA もそうだ。OM-2 も一眼レフの中では軽量小型だった。顕微鏡でも BH-2 という名機がある。いずれも小さいのに操作性が高く、機能や利便性が犠牲になっていない。その上、デザインがすばらしい。

そうしたオリンパスの技術の結晶ともいえるのが、1990年代のミューシリーズ。特にこのミューII の完成度は高かったと思う。35mm フィルムカメラでありながら プログラムAE も AF もストロボもついていて、フィルムの自動巻き上げと自動巻き戻しもしてくれる。フィルムの装填確認窓もついているし、DXコードの読み取りもでき る。それ でいて、XA よりも小さく収めてしまった。しかも、XA と同じようなバリアの開き方、スイッチ位置、ほぼ同じスペックの単焦点カメラだったので、XA の後継機として購入した。

しかし、不思議なものである。このカメラに替えたとたん、撮影回数が極端に減った。撮る面白さが減ってしまったからだ。面白いカメラというの は難 しい。

フィルムを入れる。感度を合わせる。巻き上げる。構える。絞りを決める。フォーカスを合わせる。フレーミングする。呼吸を整える。シャッター を押 す。こう いう一連の動きをすべて奪われてしまった。必ずうまく写っているので、フィルムの出来具合を丹念に確認することもしなくなった。しかも、行き過ぎ た自動化 のためにフォーカスを任意に変えたり、ボケを調整したりできなくなった。第一、ファインダーを覗いたってどこにフォーカスがあってるのかさっぱり わからな い。コントロールできるのはアングルのみなのだ。

構えて撮るだけ、というのはつまらない。必ずうまく撮れる、というのはつまらない。でも、そういうことが原因と気づくほどには、このとき、僕 はカ メラと向 き合っていなかった。ただ、何となく、ミューII を持ち歩きながらもシャッターを押さない日々が過ぎていった。やがてカメラを持ち歩くことさえもしなくなっていった。

ミューは、XA の後継機と思っていたけれど、オリンパスは後継機であるとは明言しなかった。方向性の違いをよく 認識していたのだろう。このことは、最近、デジタルPEN の発売(2009 年7月)で 気づかされた。 デジタルPEN は、まるで異なるメカニズムのカメラでありながら、PEN のコンセプトを継承しようとしている。小型でありながら高機能で、撮る楽しみを増やしてくれる、そういうカメラを目指している。だから、 はっきりと PEN と名乗っている。オリンパスのカ メラへの思いを感じた。

追記1: 私が購入したのはシンプルな海外仕様。国 内仕様で は、パノラマ切り替え、AEモード切り替え、デー ト機構などもついていた。一 見、多機能なカメラであった が、絞りやフォーカスリング、ファインダー情報など、いわばマニュアル性の削減や省略によってコンパクト化を実現したという側面もあった ように思 う。この後、ズーム搭載機が主力となり、デ ザインのまとまり も崩れて いった。

追記2: カメラを持ち歩かなくなった時期は3年ほど続いた。再びカメラを持ち歩くようになったのは、デジタル・コンパクトの IXY digital 300 のおかげだ。だから、デジタルカメラや全自動カメラにも感謝している。カメラとして面白いか どうかはまた別な問題なのだと思う。

発売年
1997年3月   愛着度★★★
型 式
35mmフィルム/コン パクトカ メ ラ
シャッター 電子式フォーカルプレーンシャッター、1/1000〜4秒
レ ンズ
35mm F2.8 (最短35cm)
測 光
TTL測光 / AE / AF
ファ イ ンダー
実像式
フィ ル ム交換
1.使用済みフィルムが ある時 は、背面のロックピンを押すと巻き上げられる。
2.左側面のロックボタンを押して背面を開ける。
3.フィ ルムをパトローネ室に入れ、フィルムのリーダー部を引き出し、左手のスプール部に入れる。
4.背面を閉じると自動的に巻き上げられる。
5.フィルムカウンターは背面の開閉で最初に戻る。カウントアップ式になっている。
その他 内蔵ストロボあり。生活防水機能(JIS保護等級4)
大きさ・重さ w108mm x h59mm x d37mm 135g
関連 web
Lomopedia / μII: https://www.lomography.jp/magazine/340402-lomopedia-olympus-mju-ii

Olympus μII / mju II / mju 2 / ミューII

大阪・万博公園。色はいい。印象派の絵のようだ。
35mm F2.8 / Fuji RA
Olympus μII / mju II / mju 2 / ミューII

大阪・万博公園。岡本太郎作の太陽の塔。好きなアングル。
35mm F2.8 / Fuji RA
Olympus μII / mju II / mju 2 / ミューII

北九州市門司と下関を結ぶ関門大橋。
35mm F2.8 / Fuji RA
Olympus μII / mju II / mju 2 / ミューII

高校生の時に庭に植えたスイセン。毎年花を咲かせてくれる。

35mm F2.8 / Fuji RA

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