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休八写真館35mm判カメラ室

Nikon Nikonos V



Nikon Nikonos V / ニコン ニコノス V 雨に 濡れる花や景色に心を動かされることがある。

だから、雨の日はこのカメラを持ち歩く。傘をさしながら、操作し、ファインダー を覗きながら被写体に寄って いく。いつのまにか、夢中になって、濡れるにまかせて写真を撮っていることがある。雨の日の撮影は、いろいろと考えることがあって面白いし、 できた写真も 面白い。

ニコノスは、水中カメラとして有名であるが、水陸両用レンズを装着すれば、全天候型のシステムカメラになる。TTL測光の絞り優先AEカ メラ であり、
シャッタースピードはファインダー に表示され る。フォーカルプ レーンシャッター機であるが、音はかなり静かで振動も少ない。振動や音がよく響く水中でも、これなら魚たちを驚かせることが少ないだ ろう。

ボディは堅牢そのもので、ずっしりと重く、南部鉄瓶のようだ。もとはフランスのスピロテ ク ニーク社が開発した 「カリプソ」であり、1963年から「ニコノス」としてニコンが製造・販売するようになった。ハウジングをつかわずにそのまま水中に持ってゆける のと、水 中専用の交換レンズ群がカリプソ・ニコノスの魅力であった。

ニコノス III (1975年)までは、ボディが二重シェル構造になっていたが、ニコノス IV-A (1980年)で全面的なモデルチェンジが行われ、背面の開閉のみでフィルム交換ができるように なった。ニコノスV(1984年)になって、AEとマニュアルが切り替えて使えるようになり、2001年まで販売された。今でも部品交換や調整な どのサー ビスをニコンが提供しているのはありがたい。

ニコノスを陸で使うのを「陸ニコノス」と言う らしいが、 私の場合は、「雨ニコノス」というべきか。雨の日は、暗いので露出あわせが難しい。TTLの自動露出では不十分で、結局、防水のスポットメーター Sekonic L-408 を併用するようになった。し かし、暗いのと紫外線が 強いためか色調が思うように再現されないことが多い。距離は目測あわせだが、絞りを開いていると被写界深度が浅くなるのでシビアになる。 近接ならなおさらで、ピンぼけが出やすい。低速シャッターが多いので手ぶれも 出や すい。だから、難しい。でも、面白い。雨の日の楽しみである。

雨の中でシャッターを切る。静かなシャッター音は雨の静寂を乱さない。

追記1: 中古で購入したが、最初は露出計のオン・オフが鈍くて、シャッター半押し でも露出計が寝たままということがしばしばあっ た。使っているうちにだ んだんとすぐに起きてくるようになった。

発売年
1984年4月  愛着度★★★★
型 式
35mmフィルム/ フォーカルプ レーンシャッター/レンズ交換式/防水カメラ
レンズ ニコノスシリーズ
シャッター 上下走行式メタルフォーカルプレーンシャッター、最高 1/1000
シ ンク ロ接点
X=1/90 (専用コネクタ)
測 光
TTL測光(中央重 点)、EV -1〜18
測距
目測
ファ イ ンダー
逆ガリレオ式。倍率 0.55。視野率 85%。シャッター速度の表示あり。
フィ ル ム交換
1.フィルムを巻き戻す 時は、 シャッター速度ダイヤルをRにして、左のクランクを引き上げてから巻き戻す。
2.背面を開ける時は、左側面の赤いロックボタンを押しながら開閉レバーを回し、蓋を開く。
3.新しいフィ ルムをパトローネ室に入れ、フィルム圧板を跳ね上げておいて、フィルムをセット。
4.フィルム圧板をもどし、ノッチがかかっているのを確認して蓋を閉じる。
5.シャッター速度ダイヤルをR以外(Aなど)にする。クランクはまだ引き上げたまま。
6.フィルムカウンターがリセットされるので、1になるまで巻き上げる。
7.1になったら、左のクランクを逆回しして少しフィルムを張り直してから、クランクを押し込んで正位置にする。
大きさ・重さ w146mm x h99mm x d58mm 705g (W-Nikkor 35mm 装着で 878g)
関連 web
Nikonos museum / Nikonos V のページ: http://homepage2.nifty.com/nikonos/nikonos5a.htm

Nikon Nikonos V / ニコン ニコノス V

雨の日のヒュウガミズキ。新緑に朱が混じって美しい。

W-Nikkor 35mm F2.5 / RXP

Nikon Nikonos V / ニコン ニコノス V

ツルバラ。雨の中で、この一帯だけ明るく華やいで見えた。

W-Nikkor 35mm F2.5 / RXP

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