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休八写真館35mm判カメラ室

Canon Pellix QL



Canon Pellix QL / キャノン ペリックス QL 一眼レフはレンズから来た光をミラーによってファインダー へ導く。そしてシャッターを押した瞬 間にミラーを上げて、シャッター を開き、フィルムを感光させ る。この瞬間、撮影者のファインダーは暗黒になるのが、一眼レフ最大の欠点である。この欠点は、花火や天体写真など長時間露出の場合を考えるとさ らによく わかる。シャッターを開いている間、像が全く見えていないのだから。

こうした欠点を克服するために、キャノンはペリクル・ミラーを使った Pellix を1965年に発売する。このミラーは半透明のミラーであり、常に光をファインダーとフィルムへと分けて導く。ミラーアップが無いために、像消失 もミラー 駆動の振動も無い。しかも TTL をフィルム前に組み込めるという3つのメリットがあった。

ボディとファインダーは FX と同じものを使っている。レンズを通った光は、ペリクルミラーでファインダーに30%、フィルムへ70%に分けられるために、 0.3段暗くなる。このため、FL50mm F1.2 を付けたときに、実質、 f1.4 となる。まぁ、実際はTTL なので、そうしたことも意識せずに絞り調節ができる。

父から譲ってもらった Canon FX には FL50mm F1.2 が付いていた。長年、この組み合わせを使っていたが、Pellix と FL50mm F1.2 の組み合わせでも使ってみたいと思うようになった。Pellix の改良型である Pellix QL を入手できた。

QL というのは、フィルムのクイック・ローディングができる機構が付いたことを意味する名前だが、むしろ、アイピース・シャッターや露出ボタンのロッ クができ るようにした改善点を評価したい。Pellix はミラーアップが無いために、ファインダーからの光が逆に入り込むという欠点も持っていた。それで、この Pellix QL ではアイピース部分にシャッターが降りるように改良されている。しかし、まぁ、これを実際に使うかというと、多分使わない。なぜなら、アイピース を閉じて し まっては、ペリクル・ミラーの利点を失うからだ。通常時は、ファインダーから目を動かさないようにして、光を入れない。長時間露光時は、冠布 (かんぷ)をかけて撮影すればいいのだから。でも、欠点として指摘されたら、すぐに対応する、その姿勢が大事だと思う。

追記1: Pellicle とは薄膜という意味だが、歯垢の意味もある。Pellix という命名はあまりスマートではなかったように思う。ボディは FX、FP、FT、FTb と同一。

発売年
1966年4月   愛着度★★★
型 式
35mmフィルム/ フォーカルプ レーンシャッター/レンズ交換式/一眼レフカメ ラ
レンズ FLマウント
シャッター 2軸式金属膜横走行/機械式フォーカルプレーンシャッ ター。 1/1000〜1秒、B、X
シ ンク ロ接点
FP/X自動切り替え。 X = 1/60、ドイツ式同軸ソケット (シューあり)
測 光
CdS 素子。TTL測光(中央 12%)。露出値はファインダー内に表示。EV
測距
マニュアル、ファインダー内のスプリットイメージで合わせ る。
ファ イ ンダー
アイレベルのペンタプリ ズム(正 立正像)。視野率上下 90%、左右93%。
フィ ル ム交換
1.使用済みフィルム は、底部のロックピンを押して、上面クランクを使って巻き戻す。
2.背面を開ける時は、底部回転ノブを半回転する。
3.フィ ルムをパトローネ室に入れ、フィルムのリーダー部を引き出し、右手の赤いマークにフィルムを合わせて蓋を閉じる(クイック・ロー ディング)。
4.巻き上げは右手上面の巻き上げレバー。
5.フィルムカウンターは背面の開閉で自動復帰。順算式。
その他 FLシリーズは自動絞り装置が付いているレンズ。 レンズの絞り込みリングで絞り込みのチェックが出来る。
大きさ・重さ w141mm x h90mm x d43mm 700g  (FD 58mm F1.2 装着で 1,110g)
関連 web
キャノン / Pellix QL : https://global.canon/ja/c-museum/product/film63.html
参考書籍
「マニュアルキャノンのすべて」 竢o版 2001

Canon Pellix QL / キャノン ペリックス QL

東京・隅田川の相生橋から豊洲貯木場を見る。薄暮時に。
Canon FL 55mm F1.2 / RAIII

Canon Pellix QL / キャノン ペリックス QL

東京海洋大学・越中島キャンパスの明治丸。薄暮時に。
Canon FL 55mm F1.2 / RAIII


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