© 2001-2024, Kyu-hachi TABATA | updated on 2006/10/01 |
子供の頃のことなので、どちらも父の選択なのだけれど、自分の選択であっても、やはり他にはありえないような気が するから不思議だ。
このカメラは、小5の時の修学旅行の直前に、父が買ってきたカメラだ。うれしかった。父は、修学旅行の前に試し撮りをしてくれて、露 出が少しアンダー気味だから、とASA 100 のフィルムを入れて、ASA 64 で撮るよう言った。この頃はフィルムといっても大概、白黒だった。旅行は長崎と熊本だったが、熊本城をうまく撮れたように記憶している。といって も、露出 もシャッター速度もオートだし、距離はゾーンフォーカスなので、難しいことは何もない。フレーミングのみに集中できるし、小さくて軽いので、子供 の自分に はな かなかよいカメラだった。中学1年生のころ、見ず知らずの人にちょっとしたテクニッ クをさりげなく教えてもらったことがあった。友達何人かと一緒の記念写真のシャッターをお願いしたのだが、僕らの後ろに太陽があり、逆光に なっていた。今 のカメラのように、逆光の補正などはない。一時的にフィルム感度の目盛りを上げる方法は知っていたのだが、「こうすれば、簡単なんだよ」とそ の人は言いな がら、セレン型露出の受光部(トンボの複眼のような面白いデザインだった)の前に指をかけ、わざと光をさえぎってからシャッターを切ったので ある。お おー、す ごい。コンパクトカメラでも、楽しめる。しかも、ちゃんと撮れていた。大きな驚きだった。
中学にあがり、FXを使うようになり、だんだん Trip 35 を使わなくなっていった。その後、20年以上、実家のどこかで眠っていたはずだ。それが2年ほど前のある日、妹 が使っているのを見つけた。子供の写真を撮るのに使っていると言っていた。妙にうれしく思った。発売年 |
1968年5月 愛着度★★★ |
型
式 |
35mmフィルム/コン
パクトカ メ ラ(レンジファインダーカメラ) |
シャッター | 機械式フォーカルプレーンシャッター、最高 1/250〜1/30 |
レ
ンズ |
Fズイコー 40mm
F2.8 |
測
光 |
レンズ周囲のセレン型露
出計で測 光。自動で絞りが開閉 |
ファ
イ ンダー |
透過窓。絞りと距離のピ
クト文字 用の小窓もある。 |
フィ
ル ム交換 |
1.使用済みフィルムが
ある時 は、底部のロックピンを押してから(フィルムロックの解除)、上面クランクを使って巻き戻す。 2.背面を開ける時は、開閉ピンを引き出してあける。上面クランクも引き上げる。 3.フィ ルムをパトローネ室に入れ、フィルムのリーダー部を引き出し、右手のスプールに差込み、巻き付ける。 4.巻き上げは背面の巻き上げダイヤルを回す。 5.フィルムカウンターは背面の開閉で最初に戻る。カウントアップ式になっている。 |
その他 | 距離はゾーンフォーカスでピクト表示。距離リングの裏側に
m 表示と ft 表示あり。 オート(A)では 1/250 固定で自動絞り。ストロボ用は 1/30 固定で 2.8-22 で絞りを選ぶ。 |
大きさ・重さ | w116mm x h69mm x d56mm 410g |
関連 web |
Photoli フィルムデビューならこれ/ Trip
35: https://photoli.jp/articles/102 |
松山市駅でぼっちゃん列車。市電を待っていたら運良く出会えた。 F Zuiko 40mm F2.8 / RDPIII |
松山城の中庭部分。内部は木造部分が多く残されていた。 F Zuiko 40mm F2.8 / RDPIII |
永代橋南景。真ん中は月島・佃のマンション群。隅田川が分岐 して左右を流れていく。 ネガをスキャンしたあと、2枚の写真をMicrosoft ICE でスティッチ合成した。 F Zuiko 40mm F2.8 / T-max 100 |
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