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休八写真館デジタルカメラ室

Ricoh CX3



Ricoh CX3 このカメラのマクロ機能はスゴイ。最短1cm でも撮れてしまうし、ズーム全域でマクロが使える。普通のコンパクトカメラは広角マクロしか使えないことを考えれば、相当なものだ。

さらに、ズームマクロという機能があって、これまたスゴイ。実体顕微鏡写真のような拡大マクロが簡単に撮れてしまうからだ。しかも、顕微鏡の 下に セットで きないよ うなものでも撮影できるし、顕微鏡では撮れないようなアングルでも撮影できるので、顕微鏡よりも便利なところがある。この機能は CX3 からではなく、もっと前の Caplio R シリーズからの継承機能だ。リコー、すごい。

ただ、液晶だけでは使いにくい時があ る。モードダイヤルがまわしにくい。USBコネクタ部のゴムカバーが貧弱で頼りない。フォーカスがなかな か合 わない時 がある。しかし、ズームの動きは秀逸。他のメーカーと同じくシャッターボタンのすぐ周囲にあるリングを動かしてズームするのだが、ちょうどよいと ころで止 めることができる。グリップのホールド感も秀逸。グリップ形状は、フィルム GR からの伝統だが、少しずつ変移がある。CX3は、金属グリップであり、細かなダイヤモンドパターンがあり、少しこぶ状に盛り上げてあることなどから、CX シリーズの中でも特にホールド感のよい機種だと思う(全 CX の比較はこちら)。

このカメラは研究室にいつも置いていて、実験などの記録に使っている。これ以前に使っていた Lumix FZ3 もなかなか使いやすいカメラで気に入っていたのだが、CX3 はそれよりもかなり高性能、高機能である。小さな試料の写真、ゲルの写真、手順や配置の記録写真などに威力を発揮する。タンパク定量や核酸定量の結果など も機器付属のプ リンタ出力ではなく、表示ディスプレイを写真に残すようになった。その方が、記録としてわかりやすいし、残しやすいからだ。このカメラのおか げで実験の記録がずいぶんと能率化された。ちょっと画期的なカメラだ。

CX シリーズは、毎年のように3月、11月でモデルチェンジをして、少しずつ改良されていった。コンデジの機能拡張期にあたることもあり、めまぐるしく改善さ れていったが、CX6 で終焉した。ちょっと残念である。

追記1: CX シリーズのデザインは、フィルムカメラの名 機、リコーGR を踏襲しており、Caplio R8, R10 の後継機でもある。光学ファインダーがないの は残念だが、アスペクト比を変えられたり、 縦横対応のデジタル水準器が付いているのは便利だ。

追記2: Ricoh CX3 に 1ヶ月ほど遅れて発売の Pentax Optio W90 にも「顕微鏡モード」という拡大マクロ機能があり、近距離照明用の LED も付いていた。それで W90 と CX3 を店頭でじっくりと比較検討。結局、拡大マクロでのフォーカス精度やホワイトバランス補正などの違いで判定して、CX3 を購入したが、こういう特殊なニーズに応えてくれる個性派カメラが複数あるのはありがたい

発売年
2010年2月19日   愛着度★★★★
型 式
コンパクト・デジタルカ メ ラ
撮影素 子 1/2.3型 裏面照射型CMOS、1060万 画素 (2,816 x 2,112 pixel)
レ ンズ
4.9-52.5mm F3.5-5.6 (35mmフィルム換算で28-300mm相当)   最短 1cm (W) / 28cm (T)
シャッター 1/2000〜8秒
測 光・ 測 距 プログラムAE(マル チ、中央重 点、スポット )、コントラスト検出型AF
ファインダー 3.0型TFT液晶モニター 約92万ドット
記憶媒体 SDカード(SD, SDHC 32GB)、 内蔵フラッシュメモリ 88MB
電池・電源 専用リチウムイオン電池 DB-100 
大きさ・重さ w101.5mm x h58.3mm x d29.4mm  185g  (電池、メモリ込みで 206g)
関連 web
リコー / CX3 :  http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/dc/cx/cx3/

Ricoh CX3 / リコー CX3

ニシキウズガイの仲間たち。マクロモードで撮影。

4.9-52.5mm F3.5-5.6
Ricoh CX3 / リコー CX3

ベニシリダカガイのクローズアップ。ズームマクロで撮影。
4.9-52.5mm F3.5-5.6

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