updated on 2009/11/23

休八写真館＞デジタルカメラ室

Panasonic Lumix DMC FZ3

パナソニックのカメラ？　というのが最初は正直な反応だった。

しかし、2002年11月に FZ1 が発売されて以来、新製品を必ずチェックするようになった。FZ1のストロボはパンタグラフのように立ち上がり、横から見ると、Ｚ字型になる。このギミックにやられた。カメラ心が揺さぶられてしまったのだ。その上、手ぶれ補正がついている。マクロなどを撮るには必須だと思っていた機能だ。操作性もなかなかよいし、この大きさで12倍ズームはすごい。しかも、デザインもしゃれていた。

FZ2 以降では、このパンタグラフのギミックが無くなってしまうが、性能や操作の改善は続いた。FZ3 になって、300万画素になったこと、価格も安くなってきたことなどから、ついに購入。最初は自宅用だったのだが、期待以上に使いやすく、マクロ写真のクオリティが高いことから、仕事用になってしまった。

私は大学で研究をしており、実験の前や途中経過、そして結果を撮る。解剖、組織、培養などの作業が多く、マクロ写真が普通なので、手ぶれ防止機能の貢献度はきわめて高い。また、単純な構図で撮ることが多いので、中央部１点でのAE/AFにしているが、露出も合焦も早くて正確だと思う。片手で撮ることも多いので、ホールドがよくて操作が簡単なこともありがたい。仕事では失敗できないし、手早く作業する必要がある。FZ3 はこういう要求に十分応えてくれている。

2007年12月、ひょんなことから、シーラカンスを解剖する機会に恵まれた。こういう大きな仕事、失敗できない仕事の時は、使い慣れた道具が一番と考え、このカメラを携行したが、まさに存分に役立ってくれた。この解剖作業には秋篠宮様が見学に来られたりして、TVや新聞でも報道されたのだが、私の手元にはこのカメラも必ず一緒に写っていて、なんだかとても嬉しかった。仕事をしているところをプロに撮ってもらえるなど、なかなかない。愛用のカメラと一緒に撮ってもらえることも、なかなかない。

FZ3 は2009年の今もしっかり働いてくれている。いいカメラだ。

追記１：　Panasonic は、手ぶれ防止機能を搭載した LUMIX DMD-ＦX5 を2003年に発売し、大躍進を開始した。レンズはライカ・ブランドだが、DVDドライブの光学ヘッドの超小型レンズ、バッテリー、ビデオカムなど、パナソニックが他の家電で蓄積した技術が活かされているという。

追記２：　マクロ撮影時に四隅で光量落ちがある。花形フードが付属していたが、マクロのために使うのだろうか。また、オート・ホワイト・バランスのせいで、うすい黄色のものを真ん中に持ってきて撮影すると、これが白く補正され、全体に青みがかった写真になることがある。

追記３：　2008年9月に Lumix DMD-G1 が発売された。ミラーレス一眼の誕生であるが、G1 を見たときに、まさに FZシリーズの後継機と思った。ボディなどの機能はそのままに、レンズ交換式にしたように見えたからである。一般にミラーレス一眼とは、一眼レフカメラからミラーを無くし、替わりにEVF を組み込んだと認識されているが、そういうスペックダウン的な開発ではなく、FZシリーズのようなネオ一眼からの正常進化と見てもいいと思う。

発売年	2004年8月　　愛着度★★★★
型式	デジタルカメラ（ネオ一眼）、手ぶれ補正付き
撮影素子	1/3.2型 CCD、344万画素　（有効画素数 310万画素　2,016 x 1,512 pixel）
レンズ	Leica Vario-Ermarit 4.6-55.2mm F2.8 （35mmフィルム換算で35-420mm相当）最短 5cm(W) / 200cm (T)
シャッター	1/2000～8秒
測光・測距	プログラムAE（評価測光/中央重点測光/スポット測光）、コントラスト検出型AF
ファインダー	電子ビューファインダー（EVF）、1.5型TFT液晶（１１.4万画素）
記憶媒体	SDカード
電池・電源	専用リチウムイオン電池　DMW-BM7 　（7.2V 680mAh 約34g）
大きさ・重さ	w108mm x h68.4mm x d84.8mm 290g (メモリと電池込みで 326g)
関連 web	パナソニック / FZ3 ページ： http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=DMD-FZ3


東京・お茶の水・湯島聖堂で。屋根瓦の虎。	東京・お茶の水・湯島聖堂で。宥座の器。

とびらへ

前へ　次へ

↑　トップへ