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休八写真館デジタルカメラ室

Yashica EZ digital F928 (C-mount modified)



Yashica F928C スペックもボディデザインも悪くない。分解や加工もしやす そう。しか も、amazon で \2,980 と激安(2011年6月末)。それで、これを購入し、Cマウントレンズを装着・交換できるように改造した。Cマウント化の手順等はこちら

作業は単純で、レンズユニットを外し、Cマウントを取り付けるだけである。フランジバックを合わせるのが少々難であったが、ボディ面からプラ ス 1mm程 度で適正になることがわかった。仮組みまで2時間程度、調整と仕上げでさらに2時間程度の作業だった。しかし、試写すると木々の緑葉 などが茶 色に写る。最初はホワイトバランスが狂っているのかと思っていたが、いろいろやっても直らない。

そこで、とりはずしたレンズユニットをじっくり観察。一番うしろのレンズだけがフラットでしかも色が着いていることに気づいた。どうも、フィ ル ターレンズ のようだ。それで、これをセンサー前に装着したところ、緑葉がきちんと写るようになった。後でわかったのだけれど、赤外線 (IR) カットフィル ターだっ た。

レンズはオークションなどで中古を安く入手。Cマウントレンズは最近、高値がついているが、その中心はアンジェニューやシュナイダーなどのク ラ シックレン ズで あって、 日本製の実用レンズたちはスルーされている。しかし、F1.0 や F1.2 の望遠レンズや高倍ズーム、低歪曲の超広角レンズや単焦点レンズなどがあって、35mm判や中判とはまた違うレンズの世界が広がる。

使ってみると、液晶を見ながらのフォーカスあわせが難しい。オートフォーカスでないため、液晶を「凝視」してフォーカス合わせをするのだが、 残念 ながら液 晶はそれほど高 精細ではない。結局は、デジタルズーム機能を使って画像を拡大してフォーカスをあわせるという裏技を使うようになった。ピントルーペを使うよ うなものだろうか。

それから、被写体が動いていたり、カメラを動かしながら撮ると、画像が部分的にゆがむ。いわゆるぐにゃり写真であり、CMOS の画像取り込みが遅いために起こる現象らしい。1/2000 のシャッター速度を持ちながら、明るい日中でも像が簡単にゆがむのには参った。カメラを始めた頃のような緊張感でシャッターを押すようになった。

改造のおかげで、いろいろなレンズを楽しめるようになったが、カメラの基本性能がもう少し高ければと思う。手ぶれ、被写体ぶれ、ピンぼけ、露 出ミ スなど、 何かと失敗しやすいカメラでまるでフィルムカメラのようだ。まぁ、マニュアル機とはこういうものだとも思うけれど。

追記1: ヤシカは八州精機(やしま−)として1943年に創業。二眼レフや一眼レフなどを中心に製品展開し、ヤシカ・コンタックスカメラ を製造する など定評のあるメーカーであったが、1975年に経営破綻。 1983年に京セラに吸収合併され、ヤシカブランドは継承された。しかし、京セラの光学事業撤退に伴い、2007年に「ヤシカ」の商標権 が JNC デイタム・テック・インターナショナル(香港)に譲渡された。2009年から、エクゼモード(日本)がライセンス供与を受け、ヤシカブラ ンドで中国製デジ カメの販売を行っている。

追記2: ケンコーがCマウントのデジタルカメラを開発中であるが(2010年10月)、いつリリースされるのか不明である。一方、ペン タッ クスからQマウントという新しい規格のレンズ交換カメラ Pentax Q がリリース(2011年8月末)。これはC/CS マウントのアダプタがあれば、すぐにも使えるカメラになりそうだ。

追記3: Cマウントレンズは、ミラーレス機にアダプターを使って装着できるようになって人気が出たが、センサーサイズが 4/3 型やAPS-Cであるから、Cレンズのイメージサークルよりも大きく、画像の真ん中しか使えない。その点、コンパクトデジカメのセンサー は 2/3 〜 1/3型であってちょうどCマウントレンズのイメージサークルに適応する。

追記4: IRカットフィルターではなく、赤外フィルター(フジ IR 76) を着けた F928 改造機(2号機)も作った。可視光がカットされ、赤外だけで撮影する Cマウントカメラだ。

発売年
2011年4月20日   愛着度★★
型 式
コンパクト・デジタルカ メ ラ (Cマウント改造によりレンズ交換可)
撮影素 子 1/2.3型 CMOS、914万 画素 (3,488 x 2,616 pixel)
レンズ 8.15mm (35mmカメラ換算で46mm) F3.0 外してCマウント化
シャッター 1/2000〜1/2秒
測光
絞り優先AE (F3.0固定でシャッター速度が変動)
ファ イ ンダー 2.4型TFT液晶モニ ター
記憶媒体 SDカード(SD, SDHC 16GB)、 内蔵フラッシュメモリ 16MB
電池・電源 単3電池 2本
大きさ・重さ w88mm x h61mm x d30mm  82g  (レンズのぞく。電池込みで128g)
関連 web
エクゼモード・ヤシカ/EZ F928 ページ http://www.exemode.com/yashica/dc/f928.html
冒忙房の工作ページ http://www.bea.hi-ho.ne.jp/bokuto/kosaku/index.shtml
ユニエル電子のCマウントレンズのページ: http://www.uniel-denshi.co.jp/CCTV-LENSES...... 
東工大・石川先生のHPから: http://www.op.titech.ac.jp/lab/.........
Movie Cameras: http://www.agassiztrading.com/cameras-film/cameras/movie-camera-page.html

C-mount Yashica EZ F928

エキナセア (バレンギク) ?
Cosmicar TV 50mm F1.4 (35mmカメラ換算で280mm)

C-mount Yashica EZ F928

佃から見た中央大橋。背景に完成間近のスカイツリー。
Computar 8mm F1.4
 (35mmカメラ換算で45mm)
Yashica EZ F928C

佃堀の船だまり。Cマウント改造機(1号機)での撮影。
Computar 8mm F1.4
 (35mmカメラ換算で45mm)
Yashica EZ F928CIR

佃堀の船だまり。Cマウント+可視光カット改造機(2号機)での 撮影。
Computar 8mm F1.4 (35mmカメラ換算で45mm)

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