© 2001-2024, Kyu-hachi TABATA updated on  2009/09/20

休八写真館その他のカメラ室(トイカメラ)

LOMO Fisheye 2



Lomo FishEye2 藤田一咲さんの「気まぐれカメラBook」に "トイカメラの問い" という名文があって、しかも、このフィッシュアイ2で撮影した写真が大きくプリントされていた。トイカメラも面白いよ、という誘いの言葉にひ かれて、買っ てしまった。

たしかにトイカメラ、面白い。

トイカメラは、機能や利便性を追求しない。いろいろな制限も受け入れる。失敗することも受け入れる。面白い写真を撮る。目で見えたものがその まま写るので は面白くない。ちょっと違ったものが写ることを期待してシャッターを押す。遊びの要素も大事にする。遊びの道具は単純な方が面白い。壊れるこ とも受け入れ る。

このフィッシュアイは、まず値段が手頃なのがありがたい。魚眼レンズは、本来かなり高価であるが、こちらは7000円台で買える。画角は 170°強 だが、真ん中あた りは歪みがゆるいので、人物を撮る時などはむしろ好都合だ。撮れた写真を見ると 円周がフィルムから ちょっとはみ出しているが、欠点というほどではないだろう。シャープネスも色再 現も予想以上で、好印象だ。

また、ビュー ファインダーが明るくて、見やすい位置にあって、フレー ミングしやすいのも美点だ。かなり 近くに寄れるのもいい(最短1cm)。絞り固定で単速なのが物足りな いけれど、こ の大きさ と軽さで円周魚眼の写真 が撮れるなんて、なかなかのものだと思う。カメラバッグに隙間があれば、これを ちょっと入れ てもいいかな、と思う。

フォルムもいい。フォー ルドし やすくて、軽いのに手ぶれはしにくいように思った。アルミ風の 加工がされているのもおしゃれだ。ただし、ロゴが目立たないのはなんだか締まらないので、プ ラカ ラーで銀 色に塗ってみた。ストラップは、一見おしゃれだったのだが、 使ってみるとどうに もいただけな くて、少ししっかりしたものに替えた。天蓋のカニのマークは何を意味しているのだろう。魚眼をカニ目に例えているのだろうか。シャッターはちょっと軽すぎ るけれど、仕方がないだろう。フィ ルム装填や巻き上げもかなりシンプルで装填ミスや巻き上げミスを心配したが、今のところ、ミスはない。ストロボも光量不足を感じたが、レンズ の近くで発光 するのだから、どうしても死角が大きくて、光量を上げる意味があまりないのかもしれない。

機能を追求しないのがトイカメラではあるけれど、やはり絞りかシャッタースピー ドを変 えられるようにしてほしい。それから、ブローニーフィル ムを使った魚眼専用カメラもあると嬉しい。6 x 6cmサイズで円周魚眼の写真を撮れるならば、フィルムの無駄はほとんど無いし、巻き上げも 単純な回転式にできるはずだ。

トイカメラ、撮るときも、撮れたものも面 白い。いろんな事を考えたり、工夫をするのも面白い。

追記1: フィルムの中央に丸く撮像するのが円周魚眼。フィルム全面に撮像するのが 対角魚 眼。対角魚眼は大きな円周に内接するようにフィルムがあると考えるとわかりやすい。円周魚眼はイメージサークルが小さくて、全周がフィル ムに入ってしまう 訳だが、周辺光量が不十分だと円周がぼんやりしてちょっと締まらない写真になる。

追記2: ファインダーがカメラの中心からずれており、水平をとりにくい。私自身の癖もあるだろうが、出来た写真を見ると、少しだけ、右あが りになっている写真が撮れることが多 い。

追記3: レニング ラードの GOMZ、モスクワのKMZ、キエフのArsenal などが合併・再編をして、1962年に LOOMP、1965年に LOMO (Leningradskoye Optiko-Mechanichesckoye Obyedinenie; レニングラード光学器械連合) となって現在に至る。1985年ごろから、ウィーンの写真芸術家たちが LOMO LE-A などを用いて歪みやボケ、ケラレを是とする写真をとりあげ、ロ モグラフィーと称してトイカメラ・ブームを作った。

発売年
2007年  愛着度★★
型 式
35mmフィルム/ ビューファイ ンダーカメ ラ(トイカメラ)
シャッター リーフシャッター、1/100(固定)、f8相当
レ ンズ
魚眼 f8 170°
測 光
なし。
ファ イ ンダー
ストロボシューに装着。
フィ ル ム交換
1.使用済みフィルムが ある時 は、上面クランクを使って巻き戻す(ロック機構はない)。
2.背面を開ける時は、左側面のスライダーを動かす(ロック機構はない)。
3.フィ ルムをパトローネ室に入れ、フィルムのリーダー部を引き出し、右手のスプールにひっかけて、巻き付ける。
4.巻き上げは、シャッター周囲のメインスイッチをNにして、右手上面の巻き上げレバー。
5.フィルムカウンターは背面の開閉で最初に戻る。カウントアップ式になっている。
その他 ストロボ内蔵(GN不明)。
大きさ・重さ w105mm x h60mm x d60mm 250g (電池含む)
参考文献
藤田一咲, 「気まぐれカメラ BOOK」 玄光社 2007

Lomo FishEye2

隅田川河畔。越中島付近から。Velvia 100
Lomo FishEye2

逆の河畔から相生橋を見る。Velvia 100


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