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休八写真館工作室

日食フィルタ−



Eclipse
        A-1 2009年7月22日、屋久島以南で皆既日食が見られた。6分半という長 い時間の皆既日食だった。

屋久島や奄美、加計呂麻、沖永良部などを再訪するよい機会かな? などとも考えたが、ちょっと時期的に仕事が忙しいこと、島嶼部の混乱が見え ていたので遠 慮の気持ちが募ったこと、お天気次第でもあること、天気が良ければ良いで酷暑の島々であることなどを考えて、結局、どこにも行かず、自宅近く で部分日食を 楽しむことにとどめた。

でも、結構楽しめた。カメラで撮影することにしたからだ。

ひとつめは、機材を選ぶ楽しみだ。まず、レ ンズは反射式望遠レンズの Canon Reflex 500mm にした。やはり大きく写したいし、レフレックス特有の周辺ボケも太陽を撮るには欠点にならないからだ。カメラ・ボディは F-1 と A-1 で迷ったけれど、試してみたところ、すんなりと A-1 に決まった。ファインダーに出る情報が赤いLEDなので見やすかったからだ。フィルムはネオパン400 (PRESTO) にした。

ふたつめは日食フィルターを作る楽しみだ。いろいろと調べて Baader社の AstroSolar Safety Film という遮光フィルムが適切だとわかる。これを国際 光器(マゼラン)から購入し、家にあるいろんな材料を組み 合わせて脱着可能なレンズ・フィルターを作製し た(写真上)。Reflex 500mm だけでなく、デジタル・ビデオ用のものも作った。こうした大きな部分を取ったあとの端切れは日食グラスを作るのに使った。

3つめは予行の楽しみだ。1ヶ月ぐらい前から、休日の11時ごろに近くの隅田川テラス周辺で太陽の撮影テスト を何度 か行った。撮影場所、撮影方向、機材、手順などが順に決まっていった。

しかし、当日は全国的に曇りや雨。山口の防府市では大水被害が出たほどだった。

東京でも厚い雲に覆われたが、幸いにも時々雲が薄くなって、運が良ければ観察できるかな? という微妙な天気。とりあえず、A-1 や三脚などを持って近く の隅田川テラスのベンチへ行った。家族も一緒だ。

ベンチに座って待っていると、日食中の太陽が数回、顔をのぞかせてくれた。薄雲ごしだったのと、ほんの 数秒ずつだったので、A-1 では撮影が間に合わない。望遠が長玉すぎて太陽の位置を出すのに時間がかかったのと、フィルター不要となったけれど、いつまともに太陽が出る とも限らず フィルターをはずしてピント合わせをすることに危 険を感じたからだ。それで、写真はサブで用意していたデジカメで撮り(写真下)、あとは自分の目で見て、大いに興奮し、大いに楽しんだ。

次は3年後の金環日食を楽しみにしたい(*1)。


材料

・太陽観察用フィルム(Baader AstroSolar Safety Film): 天文観察用品店で購入。ND=5の遮光フィルム。
・塩ビの透明板: 書類などを持ち運ぶクリアファイルを切って使う。
・両面テープ: 15mm幅を使用。特に選ばず。
・クラフト紙: 薄手でありながらしっかりした紙ならば何でも良い。
・カメラの交換レンズ: Canon Reflex 500mm を使用

作り方

1.
レンズの取り付け部にクリアファイルで作った 帯を巻き付 け、両面テープで輪を留める。
2.
このクリアファイルの帯に遮光フィルムをかぶ せ、セロテー プなどで貼り付ける。しわが出 た時などは貼り直す。貼り付けるのはクリアファイルなので、貼り直しがしやすく、筒から脱着するのも容易。
3.
クラフト紙で作った帯をその外側からかぶせ て、両面テープ で貼る。
4.
フィルタに近いところ数カ所に空気穴をあけて おく。
5.
レンズをカメラに装着して使用する。

*1 3年後の金環日食の時は、
日 食フィルタも作り直してくデジタルEOSで撮影。撮った写真はこちら

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