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休八写真館工作室

針穴プレートの製作



pinhole plate 針穴カメラ(=ピンホール・カメラ) の針穴部 は、通常、薄い金属片に穴を あけて作製する。そして、これを本体の前面に取り付けて使用する。そこで、真鍮板やステンレス板で針穴プレートを作ってみた。

針穴カメラには 直径 0.2-0.5mm、カメラ・オブスキュラには直径 1.5-3 mm ぐらいの針穴が適当らしい。針穴を作る時には、次の3つの注意が必要。

1. 小さすぎてはいけない。解像度があがるけれど、像が暗くなるし、光の回折も強くなっていくか ら だ。
2. 大きすぎてもいけない。像は明るくなるけれど、解像度が低くなり、ぼんやりした像になってし ま う。
3. 真円でなければいけない。バリはきちんと取り、形を整える必要がある。

穴をきちんとあけるには何を使うか。木綿針を木槌で叩くとか、ピンバイスを使うとか、いろんな方法があるようだ。

私の場合は、愛用しているペンシル型 ケガキの替 え芯を取り出して、これを木槌で軽く叩いて穴をあけた。力の入れ具合を替えながら、いくつか作ってみた。バリをとるの はサンドペーパー。形を整えるのは裁縫針を使った。


材料

・真鍮板 0.1mm厚 ---- 100mm x 200mm で \600 ぐらい
・マジック・インク
・ペンシル型ケガキの芯: ---- シンワのペンシルC型の芯
・裁縫針 ---- つむぎ針11号を使用
・木槌など ---- プラスチック・ハンマーなどでもOK
・サンドペーパー 2000号

作り方

1.
0.1mm厚の真鍮板を 25mm x 25mm に切る。普通のハサミで切れる。数枚作っておく。
2.
マジックで2本の対角線をひく。交点が中心になる。
3.
いらなくなった紙の束などを下敷きにし、真鍮板を置く。中心にケガキの芯をあてて、木槌で軽 く叩 いて穴を あける。
4.
穴を開けた反対側の面にバリが出ているので、サンドペーパーで磨いてバリをとる。
5.
裁縫針を穴に差し、ゆっくりと回すようにして穴の縁をなるべく丸く、なめらかにする(=穴の 形を 整え る)。
6.
サンドペーパーでバリをとる。
7.
実体顕微鏡やルーペで観察して、丸くなっていることを確認し、直径を測る。

*4−7を繰り返し、形のきれいな穴、手頃な大きさの穴を作る。
*大体、ピンホールカメラには 直径 0.2-0.5mm、カメラ・オブスキュラには直径 1.5-3 mm ぐらいが適当らしい。

使用方法

針穴カメラやカメラ・オブスキュラなどの針穴として使用。カメラ側には 15mm x 15mm ぐらいの四角い穴を作っておき、そこに完成した針穴プレートを黒いパーマセルテープ(遮光性のあるテープ)で貼り付ける。針穴の直径と針穴・投影 面の距離 など の関 係は次のようになる。

ピンホールの諸元 画角(*)
直径 投影距離 f値 6x9の時 6x7の時 6x6の時 6x4.5の時
(mm) (mm) 101mm 88.9mm 79.2mm 70mm
0.17 21 126 134 129 123 117
0.18 24 133 129 123 118 111
0.2 30 148 119 113 107 100
0.25 46 185 95 88 81 74
0.3 66 222 74 68 62 56
0.35 91 259 58 52 47 42
0.38 107 281 51 45 41 36
0.4 118 296 46 41 37 33
0.5 185 369 31 27 24 21
0.6 266 443 22 19 17 15
0.8 473 591 12 11 10 8

* 1段目の 6x9 などというのは中判フィルムのサイズ(cm)。2段目の数字(mm)は対角線長。


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