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休八写真館工作室

宙玉レンズの作製 (1)



Soratama 宙玉(そらたま) 休八バージョン宙玉と書いて、そらたま、と読む。

上原ゼンジさんが考案したトイレンズのことで、ビー玉やアクリル玉などに写る像をマクロレンズで撮影する "遊び" だ。画像の真ん中に浮かんだ玉の中に画像が鮮明に 映し出されるのは面白く、美しい。

こういう遊びは、トイカメラの本で知ってはいた。パンフォーカスなのを利用した遊びであり、確かトイカメラの真ん前に筒をつけて、ビー玉をはめ込 んだだけのシンプルなもの」だった。

でも、上原ゼンジさんのデ ジカメ Watch の記事や、商品化された Zenjix Soratama 72 の作例を見てちょっとびっ くりした。すばらしい写真が撮れていたからだ。

それで、Soratama 72 の購入を真剣に考えた。ただ、一眼レフカメラのレンズ前に装着して使用する仕組みになっていて、最低限でもマクロカメラとその近接距離までの鏡胴が必要で あるし、72mm径のフィルター形式なので、キャノンならば58mmからの、ニコンならば 52mm からのステップアップリングが必要だ。レンズ以外にもいろいろと必要なものが出てくることがわかって、ちょっとまてよ、という気持ちになった。

自作して、もっとシンプルにコンパクトにお安くできないかな?

上原さんの推奨するように、ガラスの中央を真円に切り抜き、そこに球をはめ込むのが一番画質がよくなりそうだが、素人にはガラス工作は難しい。自 作するならば、アクリルでやるしかないだろうと考えて、ハンズへ材料を見に行く。アクリル球でもかなりきれいなことがわかった。少々お値段はする けれど、これで工作をしようという踏ん切りがついた。

手持ちのカメラでもっとも接写機能が高い Ricoh CX3CX6 を使うことにした。φ40mm アクリル玉を使って工作してみた。円周魚眼的な像が手軽に撮れるようになった。

φ40mm 宙玉レンズ部

宙玉 そらたま 自作 <材料>
φ40mm アクリル球  \2,797
φ20mm アクリルパイプ (30cm)  \486 (1cm程度使用)
φ20mm アクリル円板 (2mm厚 5個入り)  \479  
w 1/4 ナット 

<工作>

1) 支柱部の工作
a) パイプを1cmほどに切る。玉を乗せた時にちょうど撮影フレームの中央付近にくるような高さにする必要がある。
b) パイプの切断面をきれいに磨く。球を付ける側はテーパーを付ける。
2) 底部の工作
a) アクリル円板の中央に穴をあける。
b) 穴の周囲をさらにナットのかたちにあわせて凹みをつける。
c) 凹みにあわせて、w1/2 ナットをセメダイン・スーパーXで接着。
ナッ トの周囲にも盛りつけて接着強度を高くしておく。
3) 支柱部と底部をクロロホルムで接着(スーパーXでも接着可能だが早くて堅牢)。

4) アクリル球をパイプのテーパー側にペーパーボンドで接着して完成。

* ペーパーボンドは剥離が可能な接着剤。気をつけないと外れることがあるけれど、余分についた接着剤をはがすことが簡単で、球の表 面を汚さずにすむ。また、工作のやりなおしや球の取り替えなども容易である。そのため、球の接着にはペーパーボンドを使う。

アー ム部

スライディングプレート (エツミ E6081) \1,461

*アームにはネジがひとつしかないので、もうひとつ、調達する。私はほかの部品 から流用。
*アーム長さはカメラの最近接距離に応じた長さのものを選ぶ。


レンズケース

"いいちこ" ワンカップの容器を使う。筒の真ん中あたりで分断し、寸法を短くしてレンズ部を収納できるようにする。

使用方法

1) スライディングプレートの丸穴のひとつに宙玉レンズ部を装着する。
2) スライディングプレートのもう一端のナットをカメラ底部の三脚ネジに装着。
3) カメラレンズの中央で、かつピントのあう位置に宙玉レンズが来るようにアームの長さや角度を調整する。
4) 宙玉レンズにピントを合わせて撮影する。

宙玉(そらたま)隅田川河畔 テラス

隅田川テラスの新川端付近。CX6 で撮影。
支柱が下に見えている。気になるときはトリミングまたは拡大撮影する



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