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休八写真館針穴カメラ室(中判)

ONDU 6x12 multiformat pinhole



Ondu 612スロヴェニアのハンドクラフト・カメラ。

ONDU は Kick Starter で起業した工房。ピンホールカメラには、工芸品、木工品としての楽しみも あって、世界には、Zero image, Noon, Chamaeleon, Vermeer, Natasha など魅力的な工房がいくつもある。

ONDU のカメラは、デザインの良さもあるけれど、木の美しさにまず惹かれる。手にとってみて、手触りのよさに引き込まれる。木のおもちゃのような心地よさだ。

画角やピンホール径、F値などのスペックは Holga 120WPC とほとんど同じ。違いは、手作りの良さ、仕上げの美しさ、そして、各所の工夫だ。

背面は小型のネオジム磁石で付いているので、少し力をいれてとりはずす。
あけると木の においが香る。撮像するエリアの左右は木枠で仕切っ てあるのだが、仕切り板を動かすことで、6x6、6x9、6x12に切り替えられる。あまり目立たないけれど、フィルムのあたるとこ ろに布製(?)のパッキンが貼ってある。

フィルム・スプールは上のノブを少しひきあげてからいれる。ノブの下面からスプール結合部分までは金属に なっているのだが、天蓋に小さなネオジム磁石が仕込んであり、ノブが貼り付くようになっている。うまいなぁ、と思う。下方のスプール受けも金 属でできているが、これも背板を止めるためのネオジム磁石で軽く固定されている。これもうまいなぁ、と思う。しかも、こうしたネオジム磁石は 外からは全く見え ないように仕込んである。

フィルムを入れたあとは、背 面の赤窓を見ながらフィルムを巻く。シャッターはフロントの添え木で開閉するが、ここもネオジム磁石があって、簡 単には開かないようにロックが効いている。見えないところにネオジム磁石を上手に埋め込むあたりは、ドイツ製の(BRIO などの)木のおもちゃと似ていると思う。

底面中央には三脚のネジ穴がある。シンプルなのが身上のカメラであるが、撮影には水準器やファインダーが欲しい。ただ、デザ インを壊したくないと強く感じさせるカメラでもあって、結局、付けないままである。

 
追記1: ONDU は Kick Starter で起業したスロヴェニアのメーカー。このほかにも Zero image, Noon, Chamaeleon などさまざまな工房がある


発売年
2013年?   愛着度★★★
型 式
中判フィルム 6x6 cm/6x9cm/6x12cm ピンホールカメ ラ
シャッター バルブのみ
ピ ンホール
φ0.3mm 焦点距離 40mm F133
6x6  で画角 90° (35mm判で22mmレンズに相当)
6x9  で画角 103° (35mm判で17mmレンズに相当)
6x12 で画角 117° (35mm判で13mmレンズに相当)
測 光
なし
ファ イ ンダー
なし
フィ ル ム交換
1.使用済みフィルムが ある時 は、上面の巻き上げダイヤルで全部巻き上げる。
2.両側面の留め金を下げて、背面をはずす。フィルムを取り出す。
3.古いスプールを巻き取り部に移して、新しいフィ ルムをセット。
4.巻き上げは右手上面の巻き上げダイヤル。
5.フィルムカウンターは背面の赤窓で見る。
  (6x9 の時は下窓で確認しながら 8枚、6x6 と 6x12 の時は中窓で確認しながら 12枚もしくは6枚撮影する)
大きさ・重さ w200mm x h105mm x d60mm 480g  
関連 web
Ondu Pinhole Camera: http://www.ondu.si/

ONDU 6x12

隅田川の下流にかかる相生橋の下。遊水池にもなっている飛び石でできた通路。不思議な空間。
三脚使用。 Φ0.3mm F133 f=40mm / RDPIII


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