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休八写真館プロジェクタ室(OHP)

3M 2660



Slide Projector Color Cabin スライド映写機
        カラーキャビン OHP はアクティブだ。

投影している原稿に、その場で書きこんでいく。書き込みは、ひとりではなく、複数の人間でも可能。ひとり ひとりの筆跡や絵が入っていくプレゼンは、結構、面白いし、一回性であることが緊張感や高揚感をもたらす。

こうした要素は板書(ばんしょ、黒板を使ったプレゼン)にもあるのだが、あざやかな色が使え、写真やグラフが使える点で表現力が高い。黒板と比べ ると、字 や絵が小さくてすむのでスピードが速い。何よりも、ベースになる原稿を次々と差し替 えることができるので、話題をスピーディに進行できる。まばたき出来ないほど早い展開のプレゼンを見た時の興奮は、今でも忘れられない。

現在、手書き原稿の投影などには書画カメラが使われるが、リフレッシュレートの制約が あって、次々差し替えたり、手早く書き込んでいくと映像がちらちらして見るに堪えない。OHP のプレゼンと書画カメラの プレゼンは、可能な表現レベルがあまりにも違う。

1990年代にちょっとした OHP のブームがあった。学会発表でもOHPのみで 行うという思い切った学会もあったぐらいだ。OHP のプレゼンの可能性にみんなが気づき始めたからだと思う。そして、薄型で携行が可能な反射式OHPの登場の時期とも一致する。

OHP は原稿の下から強い光をあて、その像をアームについた集光レンズとミラーで前 方に映し出す装置である。従来のOHPは、透明なステージの下に光 源があり、光をA4サイズにむら無く広げる必要があって、大きな箱形の装置にアームが付くようなデザインだった(=透過式OHP)。ひとかかえもある筐体 のため、収納や運搬がむずかしく据え置きが前提の器械だった。

しかし、ステージの下にフレネルレンズと鏡をつけることで、反射光を集光できるようになり、一挙に小型化された(=反射式OHP)。加えて、アー ムがたためるようになって、収納性や運搬性がよくなった。器 械のデザインも洗練されてきた。これにより、買い換え需要や新規購入が起こり、OHPの普及が進んだと思う。

私の見た最初の反射式 OHP は、リコー 312R だったと思う。なんと優美な器械だろうと思った。グッドデザイン賞を受賞していた。その後、各社 から、より小型で、より高機能な反射式 OHP が登場してブームを支えた。2660 はそうしたものの中でももっとも後期の器械であり、重量 5kg は OHP としては最軽量。片持ちのアームは、華奢に見えるが、がたつきなどは無い。ランプハウスには予備ランプをセットできるようになっていて、ランプが 切れたらすぐにリプレースできる。

あくまでも、スピーディな進行と展開が身上。手書きの文字や絵がもたらす発想のひらめきや表現のきらめき。回顧するだけでなく、再現したいと考え るこの頃である。

追記1: 3M (スリーエム) は、日本ではスコッチテープやポストイットなどの文具メーカーの印象が大きいが、アメリカでは 事務機器などを広く扱っている。OHPの製造販売も1950年ごろからで、全米最大のシェアを持つ会社である。しかし、OHPそのものが使わ れなくなってきており、2660についても、すでに販売終了しており、2014年には修理期間も切れるという。

追記2: 型番の2660 はしばしば、M2660 と表記されている。程度のよい中古を \4,100 で入手。

発売年
1996年  愛着度★★★
型 式
反射型OHP (ス テージサイズ 285x285mm A4 長辺サイズ)
レンズ
275-320mm 
交 換ラ ンプ
指定ランプ:  24V-250W EHJ  (LPL-16 2200lm、口金 GU4、平均寿命 100h)
代替ランプ: OSRAM A1/223
大きさ・重さ w310mm x d410mm x h110mm  5kg    (使用時  h510mm)


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