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休八写真館プロジェクタ室(スライド・プロジェクタ)

ELMO CS-II



ELMO CS-II スライド映写機 エルモ 「拾ってばかりだ」 といわれそうだが、こ れも大学の分別ゴミの中か ら拾い出したもの。

最初見た時は、何の機械かわからなかったのだけれど、2日ほどして、「もしかして、スライド映写機だったのかも」と気づいた。雨が降りそうだ。急いで見に 行った。まだ在った。小雨が降り始める中、濡らさないように持ち帰った。

かなりコンパクトだが、堅牢な造りの立派な 35mm スライド映写機だ。持ち手部分の真下あたりにランプハウスがあり、前方にはレンズ群、後方にはファンがついている。ファンはスイッチのオンオフに関係な く、コンセントにつながっていれば常に回るようになっているようだ。レンズ前方にデュアル・スライドフォルダをとりつけるようになっているが、スペースが 広めにとってあり、オプションのロールフィルムフォルダや連続スライドフォルダが使える。フォーカスは最前方のレンズを回転してあわせる。

通電させてみて、ファンの故障に気づく。断線部を見つけてそこを修理。回るようになったところで、改めて投影チェック。ぼんやりとした影が映ることから、 レンズ群の中で一番大きな凸レンズが、中央で ぱっくり二つにひび割れているのに気づいた。ファンが回らなくなったのに気づかずに使っていて、熱膨張でレンズが割れたのかもしれない。

とりあえずは映ることもあって、しばらく、そのままで使っていたけれど、2002年ごろ、思い切ってエルモに修理を頼んでみた。

さすがにエルモでももう部品は置いていないだろう。でも、製造元ならば、レンズの図面や工程方法が残っているだろうから、オーダーメイドで作ってもらえる かもしれない。費用がかかるかもしれないけれど、 何とか使えるようにしたい。そう思っていた。

少し日数がたってから連絡があった。他の機種の部品を流用できることがわかったとかで、なんと新しいレンズがつ いて戻ってきた。嬉しかった。助かった。エルモに頼んで、本当によかった。

CS-II は何よりもデザインがいい。すっきりしているし、小さいし、ファンの音もほとんどしない。スライドは手差しなので、決して便利ではないが、ひとりでゆっく りとスラ イド投影する時などはこれで充分。色再現もいいし、画像のひずみも見あたらない。裏側には三脚の取り付けができるようにねじ穴もついている。

例えば、コダックやキャビンのプロジェクターは確かに便利で高機能だ。カルーセルやカートリッジでスライ ドをセッ トしたら、あとはリモコンでスライド切り替えやフォーカスあわせができるし、ズームが使えたりもする。仕事で使う時や、大きな部屋で大きく投影するときに は、これらを使うのが正解だろう。しかし、小さ な部屋で投影するなら、CS-II の方がずっと使いやすい。

この映写機で投影したスライドの風景や花は本当に美しい。ブローニーも映せたらいいのになぁ。

追記1: エルモは今では防犯カメラや電子機器のメーカーだが、かっては8mmや16mmのムービーカメラや映写機を製造・販売していた。

追記2: CS-II の先行機は CS-Jet (海外では CS として販売) 。ボディの本体部と前玉部をつなぐブリッジが本体に引き込まれるようになっていて、コンパクトに収納できる。ただし、電灯を消してファンだけをつ けておくことができず、消灯後の冷却ができない。ランプやレンズ、スライドフォルダなどは全て共通。

発売年
1968年1月  愛着度★★★
型式
35mm スライド映写機 (デュ アル式スライド・フォルダ付き)
レンズ
85mm F2.8
交換ラ ンプ
KP-8 100V-150W (管高75/90mm、管径25mm、口金径15mm、フィラメント高さ35mm)
大きさ・重さ d290mm x h145mm x w88mm 1,300g


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