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休八写真館プロジェクタ室(スライド・プロジェクタ)

Color Cabin



Slide Projector Color Cabin スライド映写機
        カラーキャビン ひょんなことから、このレトロな機械、カラーキャビンが自分のものになっ た。

通常は黄色いカバー部分を閉じて収納する。この収納状態だと片手に載るぐらいコンパクト。使う時は、カバーを90°たてる。そうすると後方に 約6センチほ ど長く なって、レンズ前玉と後玉の間が空き、そこにスライドフォルダを装着できるようになる。

ボディは鋳造品のしっかりとした金属製。この時代のスライド映写機は本当にしっかりしている。ランプは昔ながらの白熱電球だが、100V 球なので変圧装置などが不要だし、熱もハロゲン球ほどではない。古い形式ゆえに軽量でシンプルだ。

実際、よく売れた商品と見えて、今でもオーク ションによく出てくるし、クーラーファン・ユニットやロールフィルム・フォルダなどのオプションもある。マイナーチェンジも何度か行ってい て、ロゴや塗装 が少しずつ変わっているし、収納用のケースも数種あったよう だ。

しかし、この後、スライド映写機は高機能化の道を歩む。自動スライド送りが付いたり、ハロゲン電球導入のため、大型化し、複雑になり、プラス チック 部品も増えた。カラーキャビンのような小型でシン プルなスライド映写機は、スライド時代においてさえ、時代遅れの機械になっていた。しかし、今となっては単純ゆえにむしろ好ましく思える。

思い返せば、2000年ごろまでは、医学・生物学分野における学会発表や特別講義では、リバーサルフィルムのスライド映写がごく普通だった。 フィルムスラ イドの投影ならば、顕微鏡で見える像に限りなく近い情報量があり、演者と聴衆はほぼ等しいクオリティで結果を共 有出来た。こうした感覚の喪失はどういえばい いのだろう。便利さゆえに 失ったものは大きいのではないだろうか。

追記1: カ ラー・キャビンはマイナーチェンジを何回していて、デザインや色にいくつかのバリエーションがある。その後、カラー・キャビンII で、プラスチック・ボディに変更し、スライドを下に落とすしくみに変え、冷却用のファンも内蔵されたが、結果として、コンパクトさが失われ、約2倍の大き さになった。カラー・キャビンIII はボディはそのままで、ハロゲン球(JCD100V-150WL)対応となった。現行機種の キャビン CS-15 は、その後継機であり、ボディを少し小型化したもの。

追記2: キャビンの前身は、1950年03月設立の「サンビーム光機」であり、1956年10月に社名変更して「株式会社ワルツフィルター 製作所」となったが、1961年07月に再び社名変更して「キャビン工業株式会社」となった。その後、キャ ビンはスライド映写機では国内トップメーカーとなり、世界的 に見ても市場をライカやコダックと分け合っていたが、フィル ムカメラの衰退とパワーポイントの普及で市場は急速に縮小。今で は、CS-15 というシンプルな1機種を製造・販売しているのみである。

追記3: 白熱電球を使うようになっているが、だんだんと入手がむずかしくなりそう。そこで、ハロゲン球を使えるように改造した。改造キャビンの紹介はこちら改造方法はこちら

発売年
?年  愛着度★★★★
型 式
35mm スライド映写機 (デュ アル式スライド・フォルダ付き)
レンズ
75mm F2.5
交 換ラ ンプ
KP-8 100V- 100W  (1800lm, 2970K, 定格寿命 50h, 口金BA15S)
KP-8 100V- 150W  (2900lm, 3000K, 定格寿命 50h, 口金BA15S)
大きさ・重さ d145mm x h93mm x w70mm  748g    (使用時  d205mm x h140mm)


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