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フィンランドのクリスマス  (ヘルシンキだより #25)


フィンランドのクリスマス(=ヨウル)についてご紹介します。日本だとただのお祭りですが、フィンランドでは宗教色や民族色が強く、また、静かな やや質素な印象の強い行事でした。ここにはふれませんでしたが、スウェーデン系の行事、聖ルチア祭などもあります。また、ヨウルプッキの由来等に ついては多くの本で紹介されているようですので触れません。とりあえず見た範囲のものを記すことにします。

25-1 気候

極北に近いため、冬の日照時間は極端に短く5時間ほど。気温もマイナス5度程度。北の方の町では、日の出ない日が続き、気温がマイナス20度まで 下がりますクリスマスはもともとは冬至のお祭り。つらい冬が峠をこし、これから春へと向かううれしいお祭りなのです。

25-2 ヨウルクー

「クリスマスの月」の意味で12月のこと。12月に入るとアドベンド・カレンダーで日を数え、窓に影絵を貼ってショウアップし、クリスマスカード を書き始めます。「クリスマス週間」は12/21?1/13。

25-3 くるみ割り人形

国立バレエ団は年末が近づくとこの出し物。国立劇場でこれが始まると「ああ年末だな」と感じるようで、日本で言う「第九」のような感じです。入場 料も大変安く、子ども連れで楽しみます。子どもにはイスを高くするための分厚い座布団のようなものが貸し出されます。

25-4 ヨウルオルト

クリスマスの頃だけ売り出される黒ビール。とてもおいしいビールでした。このほか、クリスマスに欠かせないのが、グロギーという赤ワインとブラン デーをベースにした甘いホット・カクテル。オーブンで時間をかけて作るクリスマス・ハムも大事な味です。

25-5 ピックヨウル

「小さいクリスマス」の意味ですが、職場などで開かれる盛大なパーティです。大体、クリスマスの1週間ほど前の金曜日に開かれます。みんな暗い冬 のことを忘れて夜遅くまで飲んで踊って騒ぎます。フィンランド人は歌が好きで、誰かがギターをひき、みんなで歌います。ダンスも好きでタンゴがよ く踊られているようでした。右の囲みは、このピックヨウルで覚えた歌のひとつを日本語にしてみたものです。

25-6 ヨウルプッキ

「クリスマスのおじいさん」という意味で、つまりはサンタクロース。フィンランドのサンタさんは元祖を名乗るだけあって、トントゥという助手が何 人もおり、世界中の子どもたちへのプレゼントの準備やトナカイの世話などをしてくれており、万全の体制が整っています。また、サンタさんについて 世界中を回り、子どもたちを眠らせる役割を果たすとのこと。本当はコルバトントゥリに住んでいるとのことですが、極北の町ロヴァニエミにあるサン タ村に行くとヨウルプッキやトントゥにあえます。

25-7 ヨウル

24日(イブ)は朝からお父さんは家の大掃除、クリスマス・ツリーの調達、クリスマス・サウナのための薪割り、お母さんは買い物やクリスマス・ハ ムなどのいろいろな料理で大忙しです。そして 25日には、年長の子どもたちも里帰りして家族が揃い、教会のクリスマス・ミサにも行き、静かなヨウル(=クリスマス)を迎えます。この日は市内 の交通機関や店もいっせいに休みになり、町は本当に静まります。日本の正月とよく似ています。

25-8 クリスマスセール

クリスマス週間の間はどこの店も大安売り。でも本当に値が下がるのはクリスマスが終わってから。どこの国でも似たようなものですね。

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