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Last updated 2015/10/25

「展覧会の絵」 ピアノ曲 (Ka)
"Pictures at an exhibition" piano version (Ka)

 / 展覧会の絵 / Pictures at an an
                exhibition
David Kadouch
 / 展覧会の絵 / Pictures at an an
                exhibition
Pictures at an exhibition by William
                Kapell
Pictures at an exhibitio by Karamursel
 / 展覧会の絵 / Pictures
                at an an exhibition  / 展覧会の絵 / Pictures at an exhibition
Julius Katchen / 展覧会の絵 /
                Pictures at an exhibition / 展覧会の絵 / Pictures at an an exhibition
Julius Katchen / 展覧会の絵 / Pictures at an
                  exhibition
David Kadouch
Ikuyo Kamiya
(神谷郁代)
William Kapell William Kapell Arin Karamürsel
Yakov Kasman
Masahi Katayama
(片山優陽)
Julius Katchen Julius Katchen Nina Kavtaradze
原典版 原典版 arr. Rimski-Korsakov arr. Rimski-Korsakov 原典版 原典版 原典版 arr. Rimski-Korsakov arr. Rimski-Korsakov 原典版
Mirare MIR 170 RCA RCL-8366 [LP]
RCA 09026-68997-2
VAIA IPA 1048 EMI 0094637372920
Approcher  CAL 6228 
AURORA AUCD-9
Decca UCCD-3309 melo classic MC 1003
Danacord DACOCD 552
Paris 2009/11/25-28 Isehara 1982/11/6-7
NY 1953/3/1 Australia 1953/7/21 ? 1994/2
Osaka 2003/8/13-14 1950 Frankfurt 1960/01/13
Denmark 2001/6
清冽できらめくような音。音のひとつひとつに呼吸をするようなゆらめきがあって、魅了され る。フ ランス人らしい演奏というべきか。華やかで洒脱。それでいてアクセントがしっかりついた輪郭の明瞭な演奏。バーバ・ヤーガでもキ エフでも音に濁りがないのは驚くべき技量だと思う。キエフの聴かせどころである2つのコラール部とそのあとのカリヨン部がや やわ かりにくい構成なのがちょっと残念だが、終盤も見事だ。おすすめできる。

ダヴィッド・カドウシュ(ニース1985-) は、14 歳でパリ国立高等音楽院に入学。ペライア、ポリーニ、ピリス、バレンボイムに師事。
楽譜に忠実な演奏。完成度は高い。サミュエルでは、やや音を 引っ ぱり加減にして、口ごもりながらも早口で話そうとしているような情景が表現されていて面白く感じた。早いパッセージでも正確で バーバ・ヤーガは聴き応えが あ る。

神谷郁代(1946-)はドイツ古典、ロシアもの、フランスものなど広いレパートリーをもつピアニスト。



硬質なタッチ。叙情豊かな演奏。曲によってはちょっと極端な濃 淡をつけ すぎているように感じたが、やはりカペルはうまい。バーバ・ヤーガとキエフの大門では修飾音の入った異稿による演奏となってい る。これはカペル自身による アレンジだろうか。ホロヴィッツ版にも通じるものを感じる。

ウィリアム・カペル(1922-53)はロシア=ポーランド系 のア メリカ人。オーストラリアへの演奏旅行の帰りに、飛行機がサンフランシスコ郊外のキングス山に衝突して早逝した。残され ている録音はまさに直前のものであ る。
これほど美しい第5プロムナードがあったとは。そしてその後の展 開も すば らしい。プロムナードは曲間のつなぎのような扱いを受けがちだが、プロムナードはハルトマンの絵から絵を渡り歩くムソルグスキー 自身を現している。つま り、ムソルグスキーの心理描写こそプロムナードで表現されるべきで、カペルの演奏はまさにそれを理解させてくれる。また、ビドロ の演奏がいい。牛車の歩み だとか、ポーランドの民衆蜂起だとか説が二分されているが、重い音の高低の繰り返しは、牛か人々の重い足どりを表現しているはず で、それが見事に現されて いる。バーバ・ヤーガとキエフの大門では異稿による演奏となっており、これがまたいい。 音源が古いせいか、あまり音質はよくないが聴き応えがある。
はっきりとしたタッチで音を出す。ペダル操作が独特なためか、 音の重ね 方と響きに個性がある。全体にゆっくりと重々しく引き続ける。しかし、弾き間違いだろうか、故意にであろうか、楽譜とは違う演奏 が数カ所あった。旋律が正 しいところでも強弱やテンポがかなり独自の解釈でなんだか目眩がしてくる。うーん。

アリン・カラマーゼルはトルコのイスタン ブール 出身。
ちょっとしたフレーズをきわめて印象的なフレーズに変えるすば らしい演 奏。うーん、うまいと聞き込んでいるとサミュエルのところで、最後の音をペダルでひっぱる。あれ、どうするのかなと思っている と、そこに第5プロムナード がかぶさるように始まる。脱帽である。天才の閃きを随所で見ることができる。終盤の迫力も特筆できる。おすすめできる。 颯爽としていて、それでいて優しい音を紡ぐ。徐々に叙情的な演 奏に変 わっていく。何かおとぎ話をするように語りかけてくる演奏。キエフの大門の終盤、カリヨンのモチーフの美しさは特筆できる。

片山優陽は西宮出身。
カッチェン24歳。輪郭のはっきりした演奏。グノムのおどろおどろした様子、やや 滑稽に歩 く様子が表現される。古城、テュイルリ、ビドロといずれも明瞭で高い技術の演奏が続く。第4プロムナードが美しい。リモージュは ものすごい速さで、カタコ ンブはかなりの音量で通す。バーバ・ヤーガ、キエフの大門はものすごい迫力。おすすめできる。

カッチェンは1926年アメリカのロングブ ラン チで生まれ た。わずか11才でオーマンディのフィラデルフィア管とモーツァルトの協奏曲でデビューした神童。しかし、大学では哲学と英 文学を修め、卒業後に音楽家と して改めてデビュー。ヨーロッパを中心に活動したが、ガンのため、1969年パリで亡くなった。
カッチェン34歳。バランスの取れた演奏。音 の強弱や旋律の緩急が明確。ビドロは弱くはじまり、やがて強く、そしてまた弱く終わる。典型的なリムスキーコルサコフ版 の演奏である。早いパッセージの時などに音が重なるぐらいに詰めて演奏するのはカッチェンならではの演奏法。死者の言葉 で、では技法を尽くした演奏。バーバ・ヤーガの(キエフもだが)怒濤のような音の嵐はまるでロックのような激しさであ る。また、予想はしていたけれど、併録のイスラメイもすさまじい。 メロディーの中にある間の取り方がやや長めであるためか、演奏時 間 はトータルでは38分長と長め。「ゴールドベルグとシュミイレ」はなかなか面白い演奏になっている。というのも、ゴールドベルグ は力強くふつ うのテンポで演奏されるが、「シュミイレ」は力無く、しかもかなりゆっくりめに演奏されるので、シュミイレ(貧しいユダヤ人)の 弱々しさがよく表現されて いるように思う。

カブタラッゼはモスクワ出身。このCDはムソルグスキーのピア ノ曲 全集の第2 巻で、ゴパークやソロチンスクなど秀曲が並ぶ。
(time 33'38) (time 33'38) (time 29'12) (time 30'07) (time 37'44) (time 31'18) (time 33'30) (time 29'51) (time 28'35) (time 38'46)
併録:ピアノソナタ10番/回想のソナタ(メトネル)、前 奏曲 とフーガ 嬰ト短調 op29 (タネーエフ)
併録:亡き王女のためのパ ヴァー ヌ(ラヴェル) 併録:ピアノソナタ(コープ ラン ド)、ノクターン、マズルカ、幻想ポロネーズ(いずれもショパン)など 併録:パルティータ4番から2曲(バッハ)、ソナタ3曲(モーツァルト)、子供の領分 から 6曲 (ドビュッシー)、ハンガリアン・ラプソディ(リスト) 併録:ソナタ32番(ベー トー ヴェン) 併録:ゴパーク、瞑想、海 (いずれもムソルグスキー)、ペト ルーシュカ、タンゴ(い ずれもストラビンスキー) 併録:18の前奏曲(スク リャー ビン)、演奏会用練習曲第1番(シフラ) 併録:メフィスト・ワルツ、 葬送 「詩的で宗教的な調べ」、ハンガリー狂詩曲(いずれもリスト)、イスラメイ(バラキレフ) 併録:イス ラメイ(バラキレフ)、ピアノソナタ・ニ長調(モーツァルト)、オリジナルテーマによる12の変奏曲(ベートーヴェ ン)、トッカータ・ハ長調(シューマン) 併録:ゴバーク、ソロチンスクの市、2台のピアノのためのソナタ(いずれもムソルグス キー)

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