休八写真館＞中判カメラ室（6x10判）

Brooks-Plaubel Veriwide 100

「レ ンズ先に ありき」のカメラ。シュナイダーのスーパーアンギュロンで画角 100°の世界を撮る。しかも 6 x 10 cm に撮る。

ワイドカメラでありながらコンパクトなのが大きな魅力だ。ボディはシンプルだが堅牢。自 動巻き止めと二重押し防止もついている。

水準器は３つついているので後期型。レンズの左右にあるふたつは縦位置用と横位置用だろうが、天頂写真を撮るときに水平をとるのにも使え る。

レンズは鏡胴こそ大きめだが、中央のレンズ径は意外に小さく、レンズ厚も薄く見える。シャッター音も極端に小さく、振動もほとんどない。 なん だか撮りっき りカメラのような貧弱さを感じてしまうが、これで、立派な写真が撮れてしまう。

ただし、広角すぎてフ レームファインダーは使いにくい。Veriwide 100 専用のライカ製ファイ ンダーはネット・オークションで見つ けたけれど $600 もする。とても手がでない。

そこで、35mm レンジファインダーカメラ用の 21mm ファインダーを流用することにした。ラ イカ、ツァ イス、フォクトレンダーなどの新旧ファインダーを検討し、実物を見 て確認するこ とにした。浅草、上野、秋葉原、日本橋、銀座、四谷、新宿など のカメラ店を巡 り、いろいろな ファイン ダーを見て歩いた。ファインダーは意外にも高価なも のが多い。しかも、中 途半端な大きさのもの、像周辺がひどくゆがむものなどもあって、決められなかった。

あきらめかけていたところで見慣れない小さな 21mm ファインダーを見つけた。メーカー名はないけれど、国産の手作 り品らしい。値段も手頃だし、像 周辺の歪みもあまりなくて、ベリワイドの撮像に近い視野だった。購入して、取り 付けてみ る と、このファインダーをつけたままで、フレームファインダーのセンター部分（背面にヒンジで付いている）を引き起こせることがわかった。フレーム部分も引 き起こせるので、ビューファイン ダーとフレームファインダーの両方を同時に使えることになる。まるでオーダーし たようにぴっ たりの組み合わせだった。

Veriwide 100 を購入できたのも偶然。いいファインダーに出会えたのも偶然。こういうこともカメラの楽しみだと思う。

追記１：　プラウベルはフランクフルトのレンズメーカー。ボディも作るようになり、クラップ・カメラのマキ ナ(大 名刺判のガラス乾板カメラ)はプレス・カメラとしてよく使われた。後 に日本のドイが出資して作成したプラウベル・マキナ67シリーズも有名。

追記２：　Brooks はニューヨークのカメラ用品会社。後継機では、プラウベルの名が消えて、ブルックス・ベリワイドとなる。

追記３：　周辺での 光量落ちが結構め だつ。センターNDフィルターがあるのも頷けるが、これはこれでいい味だと思う。

発売年	1960年　　愛着度★★★★
型 式	120フィルム 6x10cm／ レンズシャッター／レンズ固定／距離目測カメラ
レンズ	Schneider Super Angulon 47mm F8  (左右100°上下40°)
シャッター	COPAL レンズシャッター、1/500, 1/125, 1/60, 1/30, 1/15, 1/8, 1/4, 1/2, 1, B
シ ンク ロ接点	MXV 切り替え (V はセルフタイマー）、ドイツ式同軸ソケット
測 光	なし
測距	目測式
ファ イ ンダー	フレームファイン ダー (ファイ ン ダースコープを使用する）
フィ ル ム交換	１．左側面のスライ ダー を動かし ながら、背面を開ける。使用済みフィルムをとりだし、空スプールを入れ替える。 ２．新しいフィ ルムをパトローネ室にセット。背面閉じる。 ３．巻き上げは左手上面の巻き上げノブ。自動巻き止めになっている。 ４．カウンターは背蓋開放で自動復帰。順算式(0-7, E)。
その他	３カ所に水準器がある。ストラップはローライフレック ス用 が使え る。
大きさ・重さ	w160mm x h110mm x d80mm 993g

隅田川テラスと永代橋　　Schneider Super-Angulon 47mm F8 / Kodak 400TMY

第３台場からのレインボーブリッジ。Schneider Super-Angulon 47mm F8 / RDPIII

小石川後楽園の枝垂れ桜。Schneider Super-Angulon 47mm F8 / RDPIII

旧江戸川の舞浜大橋。寒い冬晴れの日に。Schneider Super-Angulon 47mm F8 / RDPIII

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