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休八写真館針穴カメラ室(大判)

Natasha 45



Natasha 45 ハンドメイドの大判ピンホールを探していた。

大判ピンホールは、ウッドクラフトが多く、どれも魅力的に見えるのだが、使うことを考える といろいろと気になるところがあって、なかなか購入には至らなかった。Natasha 69 の作者、Jerry Chan 氏ならどんなカメラを作るのかな? と探してみたら、まさに望みどおりの4x5判ピンホールを作っていた。

Chan 氏にメールすると、「オーダーを受けてから作るよ、どんなスペックがいいの?」と言ってくれた。何度かやりとりをし、焦点距離は40mm、
フィルムホルダーは右向き、トップにアクセサリーシュー、 シャッターはマグネット式でと頼んだ。ちょっとしたオーダーメイドである。Chan 氏は写真家でもあって、自作のカメラで撮った写真で個展なども開いている。なるほど、い いカメラを作れるはずだ。

仕事も早かった。わずかに1週間ほどで完成し、さらに1週間で包みが届いた。シンプルで、軽くて、堅牢で、緻密なカメラが私のものになった。 2台目のナターシャである。

大判カメラは、本来、背面にピントグ ラ スが付いていて、ピント合わせやフレーミングを行う。だが、ピンホールの場合はこれが不要になるため、何もない。背面がぱっくり空いているのである。この何もない背面にフィルムホル ダーをとり付けると暗箱になるわけで、撮影スタンバイOKだ。

撮りたいものの前に三脚をおき、カメラをとり付ける。ファインダーで大体のフレーミングをする。露出計と露出計算盤から、 F133 の露光時間を求める。
フィルム ホルダーの遮光板を引き抜く。呼吸を整えて、ゆっくりとシャッターを開く。時計を見ながら、シャッターを閉じる。遮光板の黒面を 表にして挿入すると、フィルムホルダーをとりはずせるので撮影が1枚終了する。

40mm はかなりの広角で至近距離であっても、被写体がかなり引く。周囲のゆがみや光量落ちも大きい。

だが、面白い。独自の世界がある。これこそ、カメラの本質であると思う。

追記1: ファインダーは私には必須。それで、Natasha 69 に付属のファインダーを取り付ける。このファインダーは私の大のお気に入りで、たいていの広角ピンホールはこれで撮ることが多い。

追記2: 4x5フィルムは、無灯下で皿現像するものだが、Taco 法という便利な方法がある。乳剤面を内側にして丸めて、輪ゴムで止め、タンク現像するのだ。パ ターソンの大型タンクならば、4本まで入れられて、一度に現像できる。現像液などの液量は、約1リットル必要。

追記3: 慣れてくると、4x5フィルムの扱いは単純だ。フィルムホルダーの抜き差しも、遮光板の抜き差しも間違いがない。

発売年
2012年ぐらい?   愛着度★★★★
型 式
大判フィルム 4x5 inch ピンホールカメ ラ
シャッター マグネットを使ったパタリコ形式(=タイムのみ)
ピ ンホール
φ0.25mm(?) 焦点距離 40mm F133
画角は、縦 120º、横 130º、対角線126º  (35mm 判で 10mmレ ンズに相当)
測 光
なし
ファ イ ンダー
ドアスコープを使った光 学ファインダー
フィ ル ム交換
1.フィルムホルダーを 取り付けて、遮光板を抜く(白面)。
2.写真を撮る。
3.遮光板を入れる(黒面)。
大きさ・重さ w170mm x h138mm x d55mm 290g
(ファインダーとフィルムホルダー装着時 w195mm x h170mm x d75mm 510g)
参考 web
Natasha series handmade pinhole cameras: http://www.facebook.com/NatashaPinholeCamera

Natasha 45

川越の喜多院・五百羅漢。表情豊かな羅漢たちが居並ぶ。50cmほどの距離で撮影。カメラの影が少し入っている。
三脚使用。 Φ0.25mm(?)  F133 f=40mm / Neopan 100 Acros


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