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休八写真館針穴カメラ室(大判)

ViSt phf 45 field type



Vist45
        Fileldまるでフィール ドカメラそのものだが、軽量かつコン パクト。

前板にレンズなどが付くわけではないので、
前板を支える支柱がシンプルだ。しか も、左右にかしいだ状態で前板を固定できるので、アナモルフィックな撮影も可能である。ボディの軽量化と機能追加を同時にやれている。

前板に組み込まれているのは、0.25〜0.8 mm の針穴 9枚。ターレットを 回すと任意の針穴に切り替えることができる。シャッターはレリーズで操作するが、バル ブなので、時間を見ながら、開閉することになる。また、前板を前に出すほど視野が狭くなり(=画角が小さくなる)、最大繰り出しで標準 レンズの画角になる。無論、繰り出しが少なければ、広角であって、いわば、標準〜広角のズーミングができる。この柔軟性は大変便利で、被写体と撮影ポイン トに合わせて、画角をかなり自由に変えられる。

ただし、針穴とフィルムの距離(=焦点距離)が変わるとF値が違ってくるし、最適な針穴径も 違ってくる。だから、撮影時には、前板をどこまで出すかを決めたら、F値を求める必要がある。また、ス ポットメーター(=露出計)で被写体 の明るさを求めたら、そこから、F値に応じたシャッター速度露出ダイヤルで算出す る。しかも、長時間露光になるはずだから、フィルムの相反則不規が起こるかどうかをフィルムに合わせて判断して、露出時間を決定する。

悩ましいのはフレーミングで、前板から引き出すファインダー枠と後板上面にあるセンターポイントを使うことで確認している。このあたり、画角 を変えられるファインダーなどがあると便利だろうなぁ、と思う。


35mm換算で50mm〜28mmの画角を持っているので使いやすい。撮った画像を見ると周辺の露光不足もなく、光が均等に入っているのがわ かる。これとクラップ型の ViSt phf 45 があれば、ほとんどの画角を網羅できる。しかも、どちらもコンパクトにたためる。理想的な針穴カメラといってよい。うれしい限りである。

追記1: ViSt Kamera はリトアニアのカメラ工房。ViSt 製のクラップ型の大判ピンホールカメラを持っていたので、若干、このカメラの入手を躊躇したが、画角の点で重ならないことがわかって入手した。

追記2: 前板を自由な角度で調整 できるが、アオリ、ライズ、 フォール、シフトなどの大判写真のテクニックはできない。いずれも、レンズあり きの光学テクニックなのである。

発売年
2017年   愛着度★★★★
型 式
大判フィルム 4x5 inch ピンホールカメ ラ
シャッター 遮光シャッター式(=タイムのみ)
ピ ンホール
9枚(0.25 0.3, 0.35, 0.4, 0.45, 0.5, 0.6, 0.7, 0.8)
焦点距離によってF値は変化する。早見表は下記。

焦点距離 (mm) 180 170 160 150 140 130 120 110 100 90 80 70 60 50 40
最適な針穴径 0.48 0.47 0.45 0.44 0.43 0.41 0.40 0.38 0.36 0.34 0.32 0.30 0.28 0.26 0.23
画 角 (°)  48 50 53 56 59 63 67 72 77 83 90 98 106 116 127
35mm 判換算 50     40   35     28     20 16 12 10
F 値 φ0.8 225 212.5 200 187.5 175 162.5 150 137.5 125 112.5 100 87.5 75 62.5 50
φ0.7 257.1 242.9 228.6 214.3 200 185.7 171.4 157.1 142.9 128.6 114.3 100 85.7 71.4 57.1
φ0.6 300 283.3 266.7 250 233.3 216.7 200 183.3 166.7 150 133.3 116.7 100 83.3 66.7
φ0.5 360 340 320 300 280 260 240 220 200 180 160 140 120 100 80
φ0.45 400 377.8 355.6 333.3 311.1 288.9 266.7 244.4 222.2 200 177.8 155.6 133.3 111.1 88.9
φ0.4 450 425 400 375 350 325 300 275 250 225 200 175 150 125 100
φ0.35 514.3 485.7 457.1 428.6 400 371.4 342.9 314.3 285.7 257.1 228.6 200 171.4 142.9 114.3
φ0.3 600 566.7 533.3 500 466.7 433.3 400 366.7 333.3 300 266.7 233.3 200 166.7 133.3
φ0.25 720 680 640 600 560 520 480 440 400 360 320 280 240 200 160

焦点距離(f) はピンホールからフィルムまでの距離。画角(a)は対角線 (160mm)と焦点距離から求められる。F値(b)は使用する針穴の径によって変わる。灰色の部分は画角的にこのカメラでは無理 (clap 型で適応)。朱色の部分は焦点距離と針穴のよい組み合わせ部。

[画角]  画角 a, 画面サイズ d, 焦点距離 f として、a = 2 arctan (d / 2f)  
[F値]  F値 b, ピンホール径 r, 焦点距離 f として、b = f / r
[最適な針穴径] 最適な針穴径 c,
焦点距離 f として、c = √(0.0013 x f)

フィ ル ム交換
1.フィルムホル ダーを 取り付けて、遮光板を抜く(白面)。
2.写真を撮る。
3.遮光板を入れる(黒面)。
大きさ・重さ w180mm x h160mm x d50mm 572g  (前板を最大に引き出して d190mm)
参考 web
ViSt Kamera : http://www.vist.lt/

ViSt 45 field - 東京ジャーミィ

代々木上原にあるモスク、東京ジャーミィ。快晴だったが、雲があるような画像になっていて不思 議だ。
150mm φ0.45 F360 20s /Neopan 100 Acros

ViSt45 field type / 東京ジャーミィ

めったにやらない撮り比べ。モノクロの方がよ り鮮明でシャープだった。空はこちらの方がきれい。
150mm φ0.45 F360 20s /Provia 100F

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