| © 2012, Tatsuyuki KAMIRYO | ネアンデルタール人を推理する |
この三つ目に関して斎藤成也(なるや)さんは、石川統ら編『ヒトの進化』の「遺伝子からみたヒトの進化」の中で、「このような個体数の不均衡を
受け入れれば、エレクトス段階でもサピエンス段階でも、常にアフリカからヒトの新しい流れが生じたことがうなずけるだろう」と、書いておられま
す。僕はこれを見て、新しい変異を抱えたハイデルベルゲンシスの小集団もアフリカから流れ出た、と空想したのです。そもそも理由の一つ目と二つ目
を考え合わせると、長い氷期に見舞われたヨーロッパでアフリカ出身のエレクトスが、ハイデルベルゲンシス(さらにはネアンデルタール人)へ変わっ
ていけるほど長い期間、生き延びることはなかっただろうと思うのです。脳が小さく、だからたぶん適応力が低くて、しかも人数が少ないとなれば、こ
れは仕方ないでしょう。| とびら へ | 前へ 次へ |
↑ トップへ |