| © 2012, Tatsuyuki KAMIRYO | ネアンデルタール人を推理する |
ラ・ シャペローサンの遺骨からネアンデルタール人像を作り上げたのは、のちのパリ人類古生物学研究所の所長になったマルセラン・ブール
(Marcellin
Boule)という人です。彼は学者ですから、その特徴を文章で著して論文に発表しました。ただしその一方で、まだ無名の貧しい画家(今では抽象絵画のパ
イオニアの一人として評価される)、フランティシェク・クプカ(Franisek
Kupka)に、そのイメージを描かせています。日本の韓国併合(明治43年)の前年(1909)、フランスの挿画雑誌に掲載された復元想像図では、顔面
以外の全身は毛で覆われているようにみえます。まぁ、古いハリウッド映画に出てきそうなサルの化け物です。腕に比べて脚が短く、膝が伸びてい
ない
から、腰を落とした前かがみの姿勢で、棍棒を握っています。一応立ってはいるけれど、脚だけでならヨタヨタとしか歩けずに、走るときは四つん這い
になりそうです。また、前に突き出された頭部は上から押し付けられたように平べったくて、どうみても賢そうではありません。| とびら へ | 前へ 次へ |
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