| © 2012, Tatsuyuki KAMIRYO | ネアンデルタール人を推理する |
いや、「僕が推理した」と書いては、島さんの卓見を横取りすることになってしまいます。「皮膚や毛皮」の項で書いたとおり、島さんは「在野の研
究者の立場を貫いて」こられた方です。こういう立場の人の研究を徹底的に(といってもいいと思うんですけれど)無視するのが、アカデミズムに芯ま
で染まっている日本の学界の悪癖です。「アカデミズム」を『広辞苑』で引いて見ると、「学問・芸術における権威主義的傾向。官学ふう」とも書いて
あります。だからこんな魅力的な見解が、発表から八年も経っているのに全く無視されているんです。日本の学界のもう一つの悪癖は、そういう研究や
学説がひとたび外国(悲しいことに、それは欧米とよばれる国々に限られる)で評判になると、その外国語を日本語に訳して自分の手柄のように吹聴す
ることです。――チョッと大げさにいえばね。| とびら へ | 前へ 次へ |
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