| © 2012, Tatsuyuki KAMIRYO | ネアンデルタール人を推理する |
寒い時期を生き抜くためには、火の絶えない暖房用の炉辺も不可欠です。「炉なら北京原人(エレクト
ス)の時代からあったじゃないか」と思われる
かもしれません。しかし、あの化石が見つかった周口店の「遺跡」は住居跡ではありませんでした。火の燃えた跡があるとすれば自然発火の結果だ、と
いうのが現在の見解です。シリアのデデリエ洞窟やフランスのドルドーニュ地方の洞窟群、その他のネアンデルタール遺跡には「火を使った跡」こそ数
多くあるけれど、どれも暖房設備としての「常用の炉辺」の跡と判断するには無理があるようです(『ネ
アンデルタール人の正体』にある西秋良宏「1 日を推理する」、マイラ・シャクリー『ネアンデルタール人』)。
唇
に届くまでにはその振動が弱くなって、ヒトのように発声するのは無理だろうといわれています。ジョ
ン・ダーントン(John Darnton)の『ネアンデルタール(Neanderthal、1996)』ソ
ニー・マガジンズ(平成8年)のネアンデルタール人は声を出せません。
ジーン・アウルの『ケーヴ・ベアの一族』は、複雑な音を使わない乏しい会話しかできずに、コミュニケーションの多くを身振りに頼っておりました。| とびら へ | 前へ 次へ |
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