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休八の単位計算
Q-unit   <壊変率>

共通事項 長さ 面積 体積 重さ 速度 圧力 熱量 温度 壊変 年号


■壊変率(放射能)の単位

原子の核が放射線を出しながら崩壊していくことを壊変といい、その割合を壊変率(放射能)といいます。ここではベクレル、キュリーなどをとりあげ ます。関 連単位と して、温泉などで表示されているマッヘ(1リットル中のラドン放射能濃度)も入れてみました。

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■ベクレル系(SI系)

  1 Bq(ベクレル) = 1dps = 2.7027 x 10-11 Ci = 27.027 pCi
 1 rd(ラザフォード) = 1 MBq

*毎秒あたりの壊変数を示す。現在の法定計量単位はBq。
dps は disintegration / sec の略で、壊変毎秒と訳されます。


■キュリー系

  1 Ci = 3.70 x 1010 Bq = 37 GBq (ギガ・ベクレル すごく 大きな単位です!)

*1gのラジウムと平衡状態にあるラドンの毎秒あたりの壊変 数。つまり放射能の強さをラジウム・ラドンとの比較で示す値だと思います。1953年に再定義され「原子核の壊変数が毎秒3.7 x 1010の 放射性核種の量」となりました。
*1975年にBq が国際単位になるまでは、もっとも使われていましたが、あまりに大きな単位で、実験室などでは、せいぜい、ピコ・キュリーやマイクロ・キュ リーの使用で す。


■マッヘ  (注:これは濃度の単位です)

 1 M.E. = 1×10-3esu/kg = 3 × 106C/kg = 116.279 R

 (1) ラドン(Rn-222)の時: 1 ME = 13.3  Bq/L =  0.359 nCi/L
 (2) トロン(Rn-220)の時: 1 ME = 11.7  Bq/L =  0.316 nCi /L

*1マッヘ=空気または水1リットル(または水1kg)に含まれるラドン(またはトロン)の電離作用によって 1×10-3静 電単 位(esu)の飽和電流が生じるときの放射能濃度。一 般に温泉はラドン含有量を調べ ておりますの で、(1) 式を採用しました。


【付記1】  マッヘについて

1930年の国際ラジウム標準委員会で制定された単位です。もっぱら、温泉などの 効能書き に見られる単位で、M.E. (=マッヘ単位)と表記し、マッヘと読むのが通例。昔、 使われていた泉効計の単位なのだそうですが、最近はBq/L に代わっており、だんだん姿を消しつつあります。

このマッヘという単位は、
キュリーやベ クレルのような線源の強さを示す値ではなく、その溶液中に含まれる放射能(ラドンなど)の含有量を示すものですから、本来は壊変率と は同列には扱えませ ん。しかし、 「温泉」という身近なところで使われている単位ということであえて組み 込みました。マッヘに数を入れて、○Bq という表示が出たら、○Bq/L または、○Bq/kg を示すのだと読み替えてご利用ください。


【付記2】 温泉の分類

分類
ラドンの含有量
規定 した団体 など
温泉 5.5 ME 以上
2.0 μCi/L 以上
温 泉法(1948年)
放射能泉 8.10 ME 以上
3.0 μCi/L 以上
療養泉 8.25 ME 以上
113 Bq/L 以上 日本薬学会
飲料水として使用不可 18.9 ME 以上
7.0 μCi/L 以上 WHO勧告

1948年の温泉法の文面にはラドンの濃度として、Ci が使われていますので、上記の Ci による含有量表記が基準の表記になります。同様に、WHO でも Ci 表記。日本薬学会は、Bq 表記です。

なお、
放射能泉(ラドン泉)について、1913年から内務省衛生試験所によっ て調査された 結果を下記に示します。多 くは冷泉であるので、温泉(水温 25℃以上) となると、三朝温泉が最上位となるそうです。また、最近の調査結果では、三朝温泉はもっと高い数 値が出ている ようです。

温泉 ラドンの含有量
三 朝温泉 鳥取県 176 ME 2412 Bq/L
柿ノ木鉱泉 島根県
239 ME 3275 Bq/L
恵那ラジウム鉱泉 岐阜県
411 ME 5628 Bq/L
池田鉱泉 島根県
4251 ME 58238 Bq/L
増 富鉱泉 山梨県 11732 ME 160728 Bq/L

【参考】 原 子力百科事 典 ATOMICA   温 泉の科学