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休八写真館デジタルカメラ室

Pentax Q



Pentax Q 小さなカメラながら、レンズ交換ができる。ペンタックスにはかって auto 110 という個性的な超小型一眼レフがあったが、その再来とも言える。しかし、単なるリバイバルでなく、30年の進歩を感じさせてくれるのがウレシイ。Cレンズを楽しめるカメラであるの が、とてもウレシイ。

1/2.3型の撮像素子は、かっての16mmフィルムやブラウン管時代の撮像管(ビジコ ン管) とほぼ同じサイズ。つまり、1/2型や2/3型対応のCレンズのイメージサークルに撮像素子がちょうど入る大きさであり、フランジバックも十分に短く、C レンズとの相性がいい。ミ ラーレス機としては、撮像素子が最も小さく、それを欠点として揶揄されることもあるが、Cレンズを楽しめるという点で唯一無二ともい えるカ メラである。

一般にCマウントレンズは大口径レンズを作りやすく、標準でも望遠でも、F1.4 などの明るいレンズが安価で入手できる。このため、撮像素子が小さいとボケを作りにくいというデメリットを、大口径レンズを使うことで相殺できる。

開放で 撮るには、ピント合わせがシビアになるのだが、Q は液晶が高精細であって、ピント合わせには困らない。しかも、MF レンズ装着時には、拡大表示機能がボタンひとつで使える機能があって、これもよく使う。また、レンズシャッター機である が、非レンズシャッター・レンズを装着すると、電子シャッターに自動で切り替わるし、マニュアルレンズを装着すると、絞り込みAEに自動で切り替わ る。撮像素子の自動クリーニング機能もあ る。こうした機能のおかげで、レン ズ数本を持ち歩いての撮影でも、交換時のストレスがほとんど無い。Cレンズと Q の相性は抜群だが、ボディ性能が十二分に高いのが本当にありがたい。

手ぶれ補正(Shaking Reduction) 機能は、ボディ側組込みなので、いろんなレンズでも使えると思っていたが、Qレンズ以外には使えなかった。撮像面積が小さいと望遠レンズが作りやす いので、Cマウントレンズでも望遠系が充 実 している。だから、やはり、Cレンズ装着時でも手ぶれ補正が効くように改良して欲しい、と思っていたので残念に思った。しかし、その後、ファーム ウェアのバージョン アップ(Ver 1.10 から?)で 実装された。アダプタなどがついた状態で起動すると、レンズの焦点距離を入力する画面が出るので、ここで焦点距離をいれると手ぶれ補正を使えるよう になる。しかも一度入れた数値は7つまでメモリーされるので、2度目からはダイヤル操作で選択するだけで済む。良く考えられている。Q10、 Q7 と後継機が出ているにもかかわらず、先行機のユーザーを大事にしてくれるのはあ りがたい。

あとは、電子ビューファインダー(EVF)を実装した後継機が出てくるかどうかだ。
液晶だけでの撮影は、明るいところではちょっとつらいし、老 眼のユーザーにもつらいからだ。ただ、このコンパクトなボディにどう組み込むかを考えるとやや悩ましい。ペンタプリズムを入れるような感 じで少しだけ頭がでっぱるような小さなモデルチェンジになるならいいけれど、あまり頭でっかちになるようならば、願い下げである。わがま まかもしれないが、コンパクトさやスマートさを犠牲にしてまで  EVF を付けてくれてもあまりうれしくないのだ。

Q 自体が解像感のよい写真が撮れるカメラだが、標準レンズ 8.5mm F1.9 との組み合わせの時が、もっともシャープで色再現のよい写真が撮れると思う。また、ボディ のボタン配置や操作性もよく、マグ ネシウムボディの質感のよさも魅力である。ボケ・コントロールや、HDR、さまざまなフィルタ機能などは、自分にとっては必要性が低いと感じたが、これも 基本 性能が十分に高いからといえるだろう。

追記1: auto 110 (オート・ワンテン) は、1979年の発売。110フィルムを使用するが、本格的な一眼レフで、交換レンズだけでなく、専用のストロボやワインダーまであってシステム化されて いた。110フィルムの画像サイズは、 17.3 x 13mm であったから、フォーサーズ規格とほぼ一緒であるが、本機では 1/2.3n まで小さくなっている。フィルム粒子よりもデジカメの画素の方が微細になっていることが小さくできた理由だという。

追記2: ペンタックスは Q に先立って、コンパクト・デジカメ Optio I-10 を2010年に発売した。auto 110 を連想させるシルエットだった。

追記3: Cマウントレンズには、撮像素子の大きさによって 1型対応、2/3型対応、1/2型対応、1/3型対応などがある。広角レンズでは撮像素子に制限があって、1/3型対応になることが多く、それらを使って の撮影は画像周 辺に影が出るので注意。Qで使用するには、1型、2/3型、1/2型対応レンズがよい。ただし、1型や 2/3型はレンズが大きくなるし、価格も高めになるから、1/2型対応レンズがもっとも適したレンズということになる。ただし、解像度はせいぜい 5 メガピクセル(500万画素)であるから、Q 専用レンズと比べるとややシャープさに欠ける。

追記4: ペンタックスは、1919年創立の旭光学のブランド名で、2002年から社名となった。2007年、TOBによって HOYAの傘下となったが、2011年にリコーへカメラ部門が譲渡された。Q は、リコー/ペンタックスになってからも、プラスチックボディの Q10 (2012年)、撮影素子を 1/1.7 に拡大した Q7 (2013年) と後継機が続いている。


発売年
2011年11月  愛着度★★★★
型 式
レンズ交換式・デジタル カメ ラ(ミラーレス一眼)
撮影素 子 1/2.3型 CMOS、1275万 画素 (有効画 素数 1240万画素 4,000 x 3,000 pixel)
レンズ
マウント
Qマウント (焦点距離は 5.5倍換算)
標準
Pentax Prime 01 8mm F3.5-5.6 (35mmフィルム換算で28-84mm相当)
シャッ ター レンズシャッター 1/2000〜30秒、電子シャッター 1/8000〜2秒
測光・ 測距
TTL撮像センサー測光、分割/中央重点/スポット、 コントラ スト 検出型AF
液晶
3.0型TFT液晶モニター (約46万画素)
記憶媒 体 SDカード(SD、 SDHC、 SDXC)
電池 専用リチウムイオン電池 D-LI68  (3.7V 1000mAh 約g)
大き さ・重さ w98.0mm x h57.5mm x d31.0mm  180g (メモリと電池込みで200g、Pentax Prime 01 8.5mm F1.9 装着で 236g)
その他
カメラ内に手ぶれ補正あり。NDフィルター機能あり。
関連 web
Pentax Q :http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/q/

Pentax Q / 8mm F1.9

キンモクセイ。
たちのぼるような香り。隅田川テラ スで。開放、最近接での撮影。
Pentax Q 8mm F1.9 (35mm判換算で 44mm)

Pentax Q / 8mm F1.9

お茶の水橋からの夜景。神田川、聖橋、JR御茶ノ水駅。
川面に映る像はかろうじて見える程度 だったが、鮮明に写っていた。
Pentax Q 8mm F1.9
(35mm判換算で 44mm)
Pentax Q / Cosmicar
              50mm F1.4

柘榴の実。入谷の鬼子母神の神社境内で。
このレンズは優秀で、マクロ撮影のような使い方をす ると結構面白い。
Cosmicar  50mm F1.4 (C マウントレンズ
/35mm判換算 で 275mm)
Pentax Q / Theia 1.3mm
              F3

秋葉原の柳森神社。エンジェルス・トランペットの花が咲いていた。稲荷神社なのだが、
キツネ だけでなく、タヌキ、イノシシの石像もあり、しかも、ネコがよくたむろしている。まるで異界のような佇まい。1/3 型対応のレンズなので、四隅に小さなケラレが出る。
Theia 1.3mm F3 
(C マウントレンズ/35mm 判換算で 7mm)


隅田川テラスの一角、パリ広場からの展望。柳森神社の作 例のように本来は四隅にケラレが出るのだが、動画の時は投影面積が小さくなるためにケラレが見えなくなる。
Theia 1.3mm F3  (C マウントレンズ/35mm 判換算で 7mm)
隅田川テラスの一角、葦の小さな林の中でみつけた野生の ネズミ。冬が近いからか、食べることに余念がない様子。都会に居るにもかかわらず人とは無関係な生活をしているのが新鮮。
Cosmicar  50mm F1.4 (C マウントレンズ/35mm 判換算 で 275mm)


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