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ひとびと
  persons

 / 展覧会の絵 / Pictures at
                an exhibition
ウラジミル・ワシリエヴィチ・スターソフ
Vladimi Vassilievitch Stassov
1824-1906

芸術評論家。ムソルグスキー(作曲家)、ハルトマン(建築家)、レーピン(画家)らの才能をいち早く見抜き、高く評価 し、精神的な支柱 となる。すなわち、「独自のストーリーにロシアの芸術的・精神的伝統を盛り込む」という芸術観の確立である。ハルトマン の死後は、その遺作展を主催し、ム ソルグスキーに「展覧会の絵」作曲のきっかけを与える。ムソルグスキーはスターソフを敬愛し、しばしば手紙を書いてい る。「展覧会の絵」もスターソフに捧 げられており、原譜にかかれた情景の説明文はスタソフの筆による。スターソフはムソルグスキー死後も彼を擁護し、その作 品普及につとめ、ムソルグスキーの 伝記を残した。

 / 展覧会の絵 / Pictures at
                an exhibition
イリヤ・エフィモビチ・レーピン
Ilya Yefimovich Repin
1844-1930

スターソフに見いだされた画家。リアリズム絵画の代表作「ボルガの舟曳き」などで著名。有名なムソルグスキーの肖像画 は、スターソフの 依頼で、晩年の療養期の小康状態の時に書かれた。病んではいたが、ムソルグスキーの力強さや人間性を巧みに引き出してお り、レーピンのもうひとつの傑作と いってよい。ムソルグスキーの歌唱曲集「子供の歌」の表紙絵なども描いている。1900年からはフィンランドのクオッカ ラに移り住み、同地で没。
 

 / 展覧会の絵 / Pictures
                at an exhibition
ミーリー・バラキレフ
Mily Barakirev
1837-1910

五人組(原語は”力強い仲間”の意)のリーダー格。代表作「イスラメイ」でも知られる作曲家。独学我流に近い音楽家で あったムソルグス キーに音楽理論やピアノの作曲法を教えた。といっても、体系だったものではなかったらしい。また師弟関係ではなく、勉強 仲間のような関係だったらしく、あ る意味、これらが幸いしてムソルグスキーの感性は損なわれなかったとも考えられる。ちなみに5人組のメンバーは、バラキ レフ、ムソルグスキー、リムスキー =コルサコフ、キュイ、ボロディン。

 / 展覧会の絵 / Pictures
                at an exhibition
ニコライ・アンドレーエビチ・リムスキー=コルサコフ
Nikolay Rimsky-Korsakov
1844-1908

五人組のひとりで最年少であったこともあり、ムソルグスキーやボロディンなど先輩の作品の補訂を行い世に残す。ムソル グスキーについて は、「展覧会の絵」、「はげ山の一夜」、「ホヴァンシチナ」、「ボリス・ゴドノフ」などを補訂し出版。リムスキー=コル サコフによる編曲は、ムソルグス キーの意図と合致していないという指摘もあるが、やはりそれを世に出した功績は大きい。「はげ山の一夜」なども編曲を 行っているが、原曲(アバド&BPO のCDあり)を聞くと、リムスキー=コルサコフの功績の大きさを感じる。

 / 展覧会の絵 /
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セルゲイ・クーセヴィッキー
Sergey Koussevitzky
1874-1951

ロシア出身で、アメリカはボストン交響楽団の常任指揮者であった。この頃のボストン響はフランスが生んだ最高のメン バーが揃っており、 彼もまたかなりのフランスびいきであったらしい。そして、ラヴェルをボストンにまで招き、オール・ラヴェル・プログラム の演奏会を開いて、ラヴェルをス ターダムに押し上げ、「展覧会の絵」のオーケストレーションを依頼する。1922年、ムソルグスキーの死から41年経っ ていた。

 / 展覧会の絵 / Pictures at
                an exhibition
モーリス・ラヴェル
Maurice Ravel
1875-1937

1874年、サン=サーンスがフランスに持ち込んだムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」のピアノ譜はフランス楽壇 の注目を集め、後 の印象派の形成に大きな影響を与えた。中でもドビュッシーやラヴェルにとってはムソルグスキーは先駆者的な存在であり、 高く評価していた。従ってラヴェルが「展覧会 の絵」のオーケストレーションを引き受けたのは二つ返事であったに違いない。そして、展覧会の絵は一挙に知られるように なっていった。


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