「50の手習い」で今から3年ほど前
から、フィンランドの民族楽器カンテレを習いはじめた
。動機は北海道教育大学札幌校にシベリウスアカデミ−から留学生としてカンテレ奏者エヴァ・アルクラさんがきて、1年間滞在するという事を聞き、
以前から
習得したいと思っていたので、さっそくエヴァさんに師事して習い始めたのである。でも1年経ったら当然彼女はフィンランドへ戻った。出来る事な
ら、せっか
く始めたのだから、もう少し色々な曲を弾いてみたい、もっと上手になりたいと思いはじめ、フィンランドにカンテレ武者修行に出かけたいと思いつめ
るように
なった。そのことを、昨年の夏、大滝村にいらしていたフィンランド人のスティッグさんに雑談の中でお話しをしたら、「ヘルシンキの則子の部屋が、
誰も使っ
ていないから、そこを使ってもいいよ」と言って下さった。(奥様の則子さんが昨年6月に亡くなられた。スティッグさん自身はボストンに住んでい
る。私は、
スティッグさんのこの申し出がなければ、今回のこの旅行は決行できなかったと思う)|
●旅程●
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14:30発のJALで成田空港へ
昨日、家の中が何とはなしに寒かったので、ヒ−タ−を触ってみると、冷たかった。壊れているのではないかと思い2階のアンナさんに聞いてみた。ア
ンナさん
は親切にこのマンションの持ち主の方に電話をしてくれた。管理人の方が、午前中に見に来てくれるということだったが、来なかった。まあ、いいや、
寒くなっ
たらお湯を沸かして温かい飲み物を飲んで、たくさん着よう。
初めてタンペレホ−ルへ行ったが、ホ−ルは、近代的な造りで、建ってからまだ10年程だという。クラリネットのレッタ−さんが迎えてくれた。
(レッタ−さ
んは今から4年ほど前にやはり、シベリウスアカデミ−から教育大学に短期留学に来ていた。そしてこのコンサ−トのチケットを1ユ−ロで調達してく
れた。感
謝!ノ−マルチケット代は10ユ−ロ−位だという)リトバ先生のリサイタルかと思ったら、カンテレ協奏曲だった。オ−ケストラは30人編成のタン
ペレ交響
楽団。エヴァさんとはまた違った大学の先生らしい演奏スタイルだった。作曲はノルドグレンで、会場に来ていた。パ−カッションの音が日本的で非常
に印象的
だった。作曲家のペッカ・ヤルカネンも聴きに来ていた。コンサ−トが始まる前、ロビ−でカンテレグル−プが演奏をしていた。指揮者はエヴァさんが
初めてカ
ンテレを習った先生イズモ・ソッパネン。曲名はクラシックばかりでシュ−ベルトのセレナ−ド、バッハのカノン、ボッケリ−ニのメヌエットだった。
ビデオカ
メラを持ってくればよかった(写真3)。
休憩時間にカンテレを貸して下さったお礼を言いたくて、リトバ先生に会いに行った。ノルドグレンともお話しをすることができた(写真4)。
私が初めてカンテレに出会った時、すぐさまバッハをこの楽器で弾いてみたいと思ったけれど、やはり間違いではなかった。私も札幌に戻ったらバッハ
を弾いて
みたい。
フィンランドへ来てからずっとお天気の良い暖かい日が続いていたが、今日は曇り。朝7時半に目が覚める。完全に時差ボケから開放されたようだっ
た。また、
心配していた便秘も全くなし。11時45分にテロとヘルシンキ駅で待ち合わせをしてマルミタロへ(建物の名前)。エネスタムご夫妻が来ていて、後
片付けを
していた。フィンランドに着いた時、エネスタムさんが空港から家まで車で送ってくれたので、奥さんにお礼の気持ちを込めて、お花を買って持って
行った。
(マルミタロでは3月18日から4月13日まで木路 毛五郎展が開催されていた)(写真6)
私は、家にいる時は、いつもテレビをかけっぱなしにしていた。それは、フィンランド語や英語などの言葉に慣れるためであった。また、ス−パ−マ−
ケットに
もよく行った。何も買わなくても色々なものを見て歩き、フィンランドの生活に早く慣れようと努力をした。ツア−の時には経験のできないことだっ
た。
今日は午後4時半にエヴァさんと待ち合わせして、シベリウス・アカデミ−P-buildingへ行った。カンテレ学科がある所である。私はそこで
カンテレ
のレッスンを受けた。今まで弾いていた手の形が違う。また、ジャンプの仕方も違う。多分、直すのに大分時間がかかるだろうな。新しい曲をまた貰っ
た。とて
もかわいい曲。早く弾けるようになりたい。(シベリウス・アカデミ−には、T-building, R-building P-building
の3つの
建物がある)
今日は朝からとても良いお天気。午前中少し練習してから、近くのス−パ−へお買い物に行った。洗顔クリームを買いたかったけれど、とうとう分から
なかっ
た。帰ってきて直ぐに電話のベルが鳴った。3月にロバニエミでガイドをしてくれた吉野純子さんからだった。嬉しかった。明日、会う約束をした。
■4月19日(金)
カンテレ・ユニオンの総合マネ−ジャ−イズモさんの家族と一緒にオペレッタを観た。ミンナさんも来ていた。オペレッタはカンテレを題材にしたもの
で、フィ
ンランド語だったけれど、時々言葉が分かり、面白かった(写真11)。
エヴァさんと一緒に朝食を取る。その後、エヴァさんは練習。私は一人でホテルの周辺を散歩した。カレヤランタロという建物があったので、入ってみ
た。でも
カレワラの資料などほとんどない。地下では古いCDやレコ−ドなどを売っていて、たくさんの人が来ていた。CDなどを買うのに入場料が必要で3ユ
−ロ払っ
た。
■4月22日(月)
■ 4月25日(木)
ペッカさんが10時に迎えに来る。ペッカさんの美人のお友達と3人でエスプラナ−ディ通りでコ−ヒ−を飲み、朝市へ行った。又、たくさん歩いた。
ミンナさ
んのところで1時から5弦のレッスン。楽しかった。コイステネンのカンテレはやはり音が良い。レッスンの帰り、いつもヘルシンキ駅から地下鉄を
乗っていた
が、今日は、一つ手前のカイサニエミ駅から乗った。地下歩道を一歩入ると、素適な歌声が聴こえて来た。コ−ラスかと思ったら、南ロシアからきたと
いう二人
の女性だった。この地下歩道の中はとてもよく響き、エコ−になって、それが重なり合いコ−ラスの様になって聴こえたのである。周りを見渡すと、岩
盤がむき
出しになっており、天井がとても高かった。素晴らしいアルトだった。彼女たちの歌を聴いているうちに目頭が熱くなった。この歌声、この響き、音楽
てなんて
すばらしんだろう。この様な場所でもこんなに素晴らしい音楽を聴くことができる。いいな、なんだか、私のこの旅が、本当に幸せなラッキ−な3週間
だったこ
とを改めて感じる。たくさんの人と出会い、たくさんのコンサ−トを聴き、たくさんレッスンを受けた。
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