© 1984-2016, Kyu-hachi TABATA last updated 2014/08/24

■4 入力のルール

■4.1 使用可能な文字

(a) 英語と日本語
両方とも入力可能ですし、混在も可能です。ただし、ページや年号などの項目では、日本語IMEへの切替がロックされ、使用できないようになっ ています。
(b) 特殊文字
現時点では欧文フォントなどを使用できません。それで、α、β、γといったギリシャ文字や、T、U、Vといったローマ数字などは日本語IME から2バイト 文字で入力するか、英語で代用入力をしてください。ウムラウトなどの欧文特殊文字も使えません。国際雑誌などに投稿する論文で、ピジョンホー ルで作成した 引用文献リストを使う場合は、ワード上で正しく修正してください。
(c) 下線、肩字、添え字、ボールド
動物の学名などの表記のため、下線を引くことがあります。また肩字、添え字が必要になる場合があります。ディスプレイ上では、これらの表示は できません が、プリンタ上では可能です。下線の場合はその単語の前後にアステリスク (*)、肩字にしたい文字には前後に肩字記号(^)、添え字にしたい文字の前後には添え字記号(@)、強調(ボールド/太字)なら前後に (|)を入力して ください(いわゆる埋め込みコマンド、またはスクリプト文字です)。例をあげます。

種類 使用例
備考
下線 *Xenopus* Xenopus に下線
肩字 10^-3^ 10の−3乗
添え字 H@2@O 水の分子式
強調
|235|
巻号などを強調で。記号(|)は、キーボード右上、 [BS]の左に あり ます。[SHIFT]+[\]で表示させることができます。

これらの表記記号はピジョンホール固有のものです。従って、テキストファイル化する時、他の表記記号に変換または削除する必要があり、これを 行うのがスク リプトです。

なお、* ^ @ | を通常文字として利用する時は ** ^^ @@ || などと続けて表記記号を使うことで、表記記号を単なる文字として利用出来るようになります。これにより次のような表記が可能になりまし た                                                          
例 金属内包フラーレン La@C82    (La@@C82 と登録する)
   数式       3*20/4    (3**20/4 と登録する)
          
(d) 大文字と小文字
文献の登録時は、大文字と小文字を任意に使い分けできます。しかし、必要箇所(文頭、略号など)以外に大文字を使用するのは、避けてくださ い。例えば、文 献の雑誌掲載時のタイトルには、名詞や動詞などの1文字目がすべて大文字から表記されていることがありますが、これをこのまま忠実に入力する ような事は避 けてください。あとでリファレンス作成の時に修正が必要となり、大変厄介です。

 なお、メニュー選択時の1文字入力や、ファイル名、バンク名の指定の時などは、大文字、小文字の区別はありません。また、検索作業でも、大 文字と小文字 は同等に扱われます。例えば、"rna" で検索すると "RNA" も "rna" も引き出されてきます。"RNA" で検索しても "Rna" で検索しても同じことです。
(e) アンダースコア
特殊な人名の入力に利用します。アンダースコア(_)とは、キーボード右下の[SHIFT]キーのすぐ近くにあるキー(カタカナの 「ロ」のキー)を[SHIFT]キーとともに押すと表示される記号です。これを用いて表記するのは、例えば次のような名前です。

例 Le Douarin     ---> Le_Douarin
    le Maire       ---> le_Maire
     Van Der Marel  ---> Van_Der_Marel
    St. Johnston   ---> St_Johnston
     Davis, Jr.     ---> Davis_Jr
     Stewart, III   ---> Stewart_III

これらは、リスト出力の際には、それぞれスペースやピリオドに自動変換されます。人名の登録方法の詳細は4.3節を参照してください。
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■4.2 スタイル

ピジョンホールでは文献を大きく4つのスタイルに分けて扱います(2.1節参照)。従って、これから文献のデータを入れる時には、どのスタイルで 文献を登 録するかをまず決める必要があります。通常は雑誌文献が多いはずですから、 Journal というところに印が入っています。

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■4.3 メモ

70文字を登録できる小さな登録エリアです。本来は、雑誌会などで紹介された論文を登録するとき、日付と紹介者を入力するために設けました(例 1)。「別 刷りあり」とか、「コピーは手元にない」といった、雑誌の内容とは本来関係のない情報を書き込むのにも利用します(例2)。文献の所在や、分類名 を記録す るのにも利用できると思います。
例1 DDS040407 T.Sakuta
例2 Reprint

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■4.4 人名

最大210文字まで登録できます。また、登録の際に、[HELP]キーを押すと画面下3分の1に、ヘルプ画面が出て、入力の際の約束ごとが表示さ れます。 [ESC]キーを押すと主画面に戻れます。約束ごとは次のとおりです。

(a) 普通の人名について
人名は、First name, Middle name(s), Family name の順にいれます。

First name と Middle name はイニシャルでもスペルアウトしてもかまいません。イニシャルの時は、ピリオドを必ず打ってください。また、ピリオドのあとのスペースは省略でき ます(例 1)。フ ルネームで入力もできますが(例2)、リストにするときはすべてイニシャル化されますので、普通は最初からイニシャルで入力しておく方がよいで しょう。ま た、複数著者の場合は、人名の間をカンマとスペース(, )で区切ります。and や & は使用しないでください(例1、2)。なお、邦文論文での入力では、どの様ないれ方でも結構です。ただし、検索やリファレンス作成の時のために、 半角英字 で名前を併記したほうがよいと思います(例3)。フランス語やドイツ語にある発音記号付きのアルファベットは入力できませんので記号抜きの表記を してくだ さい。
例1 J.B.Gurdon, D.D.Brown, L.D.Smith
例2 James B.Gurdon, Donald D.Brown, Leonard D.Smith
例3 天野 實、河原 明; M.Amano, A.Kawahara
(b) 特殊な Family name
Family name (名字、姓) の中には、ピリオドやスペース、カンマをいれないことを守ってください。

ピリオドが入ると直前の文字がイニシャル化された First Name や Middle name と見なされてしまいますし、スペースがあると直前の文字がスペルアウトされた First name または Middle name と見なされます。

カンマがあると直前の文字までが一人目の著者、カンマ以降が二人目の著者というふうに著者間の区切りとみなされます。

それで、こ れら禁止 文字の入っている名前はアンダースコア(_)を替わりに利用して表記してください(例4-7)。アンダースコア(_)はキーボードの右下にあり、 [SHIFT]キーと一緒に押します。このアンダースコアは、リスト出力時に自動消去されます。一方、Family name の中にあるハイフン(-)とアポストロフィ(')はそのままで結構です(例8-12)。また、大文字、小文字の利用も自由です。
例4 Le Douarin ---> Le_Douarin
例5 le Maire ---> le_Maire
例6 Van Der Marel ---> Van_Der_Marel
例7 St. Johnston ---> St_Johnston
例8 Dan-Sohkawa ---> このままでよい
例9 Pierandrei-Amaldi ---> このままでよい
例10 McGinnis   ---> このままでよい
例11 O'Farrell ---> このままでよい
例12 dePomerai ---> このままでよい

(c) First name と middle name
ハイフンを利用できます(例 13, 14)。またフルネームでも登録できます(例2, 15)。なお、フルネームで入力された名前は、出力時に自動でイニシャル化されます。
例13 Jean-Claude Callen ---> J.-C.Callen (or Jean-Claude Callen)
例14 Ji-guan Liu ---> J.-g.Liu (or Ji-guan Liu)
例15 Richard P. Elinson ---> R.P.Elinson (or Richard P.Elinson)

(d) Jr. III などの表記
親子や親族に同じファーストネームを持つものがいる場合、1世、2世という表現を使います。

こうした場合、Family name にアンダースコアで連結して、ピリオドをつけずに入力します(例15,16)。このように入力したものは、リスト出力において、必ず末尾につける (イニ シャルが先であれ、ファミリーネームが先であれ)というルールに従って、表示されるようになります。 なお、全角文字のローマ数字(U、Vなど)はサポートしていませんので、普通の半角英字の I や V を使ってローマ数字を表記してください(例16)。
例16 Davis, Jr. ---> Davis_Jr
例17 Stewart, III ---> Stewart_III

(e) et al 表記
著者名があまりに多い時など、et al. 表記が使えますが、et_al と入力してください。
例18 M.J.Tabata, T.Matsumura, J.-g.Liu, K.Kim, M.Abe, H.Koide, J.Watanabe, S.-H.Youn, Y.Nakamura-Miyawaki, K.Yamashita, J.Kato, T.Itotagawa, M.Iwamoto, S.Wakisaka, K.Kurisu et_al
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■4.5 タイトルとキーワード

(a) タイトル
論文タイトル、本のタイトルのいずれにも、最大280文字まで入ります。特殊文字や日本語入力も可能です。また、タイトル末尾にピリオドが自動で 付加され ます(オートピリオデーション)。なお、タイトルに入っている言葉はすべてキーワード検索の対象となります。なお、論文の扉ページのタイトルは名 詞と動詞 がすべて大文字から書かれていることが多いのですが、これはあくまでも装飾的な表記ですから、文献登録の場合は、不要な大文字化は避けます(例 1)。ま た、ギリシャ文字なども普通の英語表記になおして登録します(例2)。タイトル中のコロンやセミコロンはそのまま入力できます。また、イタリック (または 下線)や肩字、添え字などがあれば、それらはスクリプトを使って入力します。ピジョンホールで使用できるスクリプトは、* @ _ などです。
例1 Hepatocyte Growth Factor Is Involved in the Morphogenesis of Tooth Germ in Murine Molars.
    →Hepatocyte growth factor is involved in the morphogenesis of tooth germ in murine molars.

例2 TGF-β type-1 RNA suggests both paracrine and autocrine mechanisms of action.
    →TGF-beta type-1 RNA suggests both paracrine and autocrine mechanisms of action.
    →TGF-b type-1 RNA suggests both paracrine and autocrine mechanisms of action.
(b) キーワード
タイトル中に含まれない重要な単語や言葉を登録するようにしてください。簡単なサマリー欄として利用するのもよいでしょう。キーワード は、カンマ (,) でもスラッシュ (/) でも適当な区切り記号で区切って下さい。通常の文章(=カンマとピリオドで区切られるキーワード群)の入力も可能です。キーワード検索の 際には、タイトル 欄とキーワード欄に含まれるすべての文字列が対象となります。大文字もすべて小文字と同等扱いで検索されますので、大文字表記は不要で す。論文が発表され た頃、使われていた用語(遺伝子やタンパクなどの名称)が後に変わることもあります。そうした場合に新しい名称をここに入れておくと、検 索がしやすくなり ます。
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■4.6 JPコード (JPcode)

(a) JPコードとは
文献の登録の際には、雑誌や出版社の名前を入れることが必要ですが、これを毎回のように入力するのは、結構大変です。そこで、これらをコード化 し、実際の 文献入力の際にはその番号を入力するようにします。これをJPコード(=Journal/Press-Code)と名付けています。JPコードは4つのカ テゴリーに分けられます。いずれも JPコード編集で登録・修正をします(6節)。
カテゴリー
最初の割り当て
増設単位
備考
Top Journal
1-20番
10
自分がよく見る雑誌を登録。
Common Journal
21-100番
50
普通の雑誌名を登録。
Press name
101-150番
50
出版社名を所在地と共に入れます。
Etc.
151-200番
50
Seminar, Documents, 朝日新聞、毎日新聞、infoweb などと入力しておき、これらのセミナーシートやプリント、新聞の切り抜きなどの整理に使います。
[雑誌名]  フルスペルで登録するのではなく、J. Cell Biol. などと、慣用的に使われている省略形を入れるのが便利です。リファレンス作成時にもそのまま使えるからです。

[出版社名] Academic Press, New York、岩波書店、東京 などと出版社の所在地も合わせていれておきます。

(b) カードで入力する時
雑誌/出版社名に相当するコード番号を入力します。JPコードを直接いれることができるのがもっとも早いのですが、普通はとても覚えきれないは ず。それ で、右のコンボボックスのボタンを押して、リストをスクロールして目的のJPコードを探してください。ここで綴りを入れていくと、コンボボックス のリスト が自動でスクロールされて(=インクリメント・サーチ)、目的のJPコードへと接近して行きます。

JPコードの入力方法
(c) カードで連続登録する時
続けて、文献データの登録作業を行う時には、直前のデータで利用されたJPコードが表示されます。そのままでよければ、リターンを押してくださ い。これ は、論文を読む時、同じ雑誌からの論文を続けて読むことが多いことを考慮しての機能です。
(d) 新しいコードの入力や登録内容の変更
JPコードの登録や編集は、JPコードエディタで行います(6節)。
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■4.7 巻号

雑誌や本の巻号を入力します。雑誌の場合は、各巻がさらに分冊になっていて、それぞれ1号、2号、、、と呼ばれますが、通常は号数まで入れずに登 録します (例1)。ただし、必要とあらば号数を入れて登録してもかまいません(例2)。また、別冊については、巻とは別につく場合(例3)と巻につく場合 (例4) とがありますがいずれも登録可能です。本の場合、版を記入する場所に利用します(例5)。
例1 Vol.10 No.5 ---> 10
例2 Vol.10 No.5 ---> 10(5)
例3  Supplement 4 ---> Sup.4
例4  Vol.4 supplement ---> 4(sup.)
例5  4th edition ---> 4ed.

[禁止事項] カンマとハイフン、全角文字は使用できません。
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■4.8 ページ番号

雑誌論文の開始ページと終了ページを登録できます(例1)。また、アルファベットと組み合わされた特殊な表記のページなど入力できます(例 2,3)。[禁 止事項] ハイフン、全角文字は使用できません。
例1 1930 - 1935  (普通のページ表記)
例2 a22 - a27    (総合科学雑誌などのページ表記)
例3  4.2.1 - 4.2.4  (プロトコール集などのページ表記)
な お、終ページについては、次の例の角カッコで示すような略記入力ができます。自動で補完されてきちんとフル表記されます。
例4 257 - 259  [9]
例5 257 - 263   [3 または 63]
例6 257 - 284   [84]
例7 257 - 305   [05]  注意。5 と入れると 265 と見なされる。
例8 257 - 257  [Return]   
例9 257 - 1024 [024]
注意。24 と入れると 324 と見なされる。


終番号の入れ方
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■4.9 年号

雑誌や本の出版年を入力します。4桁の数字を入れるのが普通ですが、1951-2050 の間は下2桁の数字を入れたら、自動的に4桁の数字に補完されます。例えば、1976年の論文は 76 で、2004 年の論文は 04 または 4 でそれぞれ正しい年号に補完されます。
例1 76 ----> 1976
例2 4 ----> 2004
例3 04 ----> 2004
例4 004 ---> 4


年号の入れ方
[禁止事項] 半角数字のみが使用できます。
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■4.10 リンク (Link)

ひとつの論文を読むとそれが引用している論文をさらに読むことがよくあります。ピジョンホールにはこのような関連論文を記録する機能があります。 この機能 をリンク機能と呼びます。この機能があるおかげで、論文どうしの関連や引用関係を登録することが出来ますし、関連論文をいつでもリストとして画面 に出すこ とも出来ます。

    例1  112-115,118,300,305,1415

入力の際は、上で示すように関連の文献番号をカンマで区切りながら連ねて行き、最後にリターンキーを押します。最大50までの関連づけが可能で す。文献番号は、当然ながらすでに登録されている文献に限ります。

いくつか便利な機能があります。

1.適当な順に登録しても、自動で昇順に並べ替えます。

2.112-115などとハイフンでつないで連番にすると、112, 113, 114, 115 に自動変換されて登録されます。

3.リンクは双方向で行われます。上の例のようにリン ク入力を 100番のレコード編集画面で入力したとしますと、自動的に 112番、113番、114番、115番、118番、300番、305番、1415番からも、100番がリンクされます。また、リンクの解消、追加につい ては、同様にリンク入力状態で、そのリンク番号を消去、または追加することで容易に実行されます。これも自 動的に双 方向の消去、追加がなされます。

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■4.11 URL と DOI

URL のフィールドには、PDFの所在を URL (Universal Resource Locator) 形式で入れます。
ハードディスク上ならば   F:\PDF\Thesleff-Devel07b.pdf
ネット上ならば                  http://BioDirect/Dev/sample.pdf
DOI のフィールドには、文献に記載されている DOI (Digital Object Identifier)を入れます。カードの DOI フィールドが空欄の時、DOI が自動表示されるようになります。
例)  10.1002/bdra.23000
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