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2014/03/16 |
■1.概要
ムソルグスキーの伝記映画で、アンナ・アプラモーワとグレゴーリ・ロッ シャーリの協同脚本を、ロッ
シャーリが監督・製作したカラー映画(1950年)。話は、五人組とスターソフが、1858年ペテルスブルグでグリンカの新しい民族音楽に出
会うとこ ろから始まる。ムソルグスキーが故郷で見た民衆の苦難、ペテルスブル
グで仲間達と開いた無料音楽学校などが描かれたあと、オペラ「ボリス・ゴドゥノフ」の作曲の着手と、上演までの苦難が描かれる。第一稿はついに
上演できず、
スターソフもその論文を法廷でとがめられたり、音楽学校も財政難から閉鎖されたりしたが、ムソルグスキーは屈せず第二稿を完成。再び上演禁止
にあうが、仲 間の協力によってついにマリンスキー
劇場で上演することが出来た。終盤はこのオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」の上演を舞台のそででムソルグスキーらが見守るようにしながら進行し、
観客の大歓声 とムソルグスキーの力強い結語で終わる。
原題 | Мусоргский (Mussorgsky) |
邦題 |
夜明け -ムソルグスキー物語- |
製作・配給 | ソ連・レンフィルム 1950年、北星映画 1951年 |
監督 |
Grigory Roshal |
脚本 |
Anna Abramova, Grigory
Roshal |
撮影 |
M. Magid, L. Sokolsky |
編曲・指揮 |
Domitory Kabalevsky |
指揮 |
P. Haikin (?) |
演奏 |
キーロフ記念レニングラード・アカデミー劇場交響管弦楽団 |
セット |
Nikolai Suvoroff, A.Veksler |
スクリプター |
A.Shargorodky, Kiror |
受賞など |
ス ターリン賞第1位 (1950) カンヌ映画祭装置賞 (1951) |
俳
優・女優 |
配
役 |
備
考 |
Alexandr Borisov |
Modest Petrovich Mussorgsky |
主人公のム
ソルグスキー。5人組のひとり。大地主の貴族の息子であり、軍属、公務員で あった。 |
Nikolai Cherkasov |
Vladimi Vassilievitch Stassov | スターソ
フ。評 論家であり、ムソルグスキーの良き理解者・指導者。 |
V. Balashov |
Mily Alekseyevich Balakirev | バラキレ
フ。5 人組のリーダー的な人物。5人の中で唯一軍属でなかった人物。「イス
ラメイ」の作曲で有名。 |
Andre Popov |
Nikolai Andreyevich Rimsky-Korsakov | R=コル サコ フ。5 人組のひとり。海軍士官で作曲家。「シェラザード」などファンタジッ クな楽曲を得意とする。 |
Y. Leonidov |
Alexander Porfir'evich Borodin | ボロディ ン。5 人組のひとり。本業は軍医でかつ大学の化学の教授。オペラ「イゴール 公」の作者。 |
B.Freindlikh |
César Cui | キュイ。5 人組のひとり。本業は築城学の権威。「オリエンタル」の作者。辛辣な 批評家。 |
F.Nikitin |
Dargomydjky | ダルゴム
イス キー。グ リンカと5人組の間の時期に活躍した作曲家。ムソルグスキーらに大き な影響を与える。 |
Lyudov Orlova |
Platonova | プラトノ
ヴァ。 |
L. Shtykan |
Alexandra | アレキサ
ンド ラ。ムソ ルグスキーが慕う女性。この映画のヒロイン。 |
V. Nshakova |
Nadejda | ナデー
ジャ。 |
Bostok 77-177 [DVD] |
ソヴェト映画 14号
|
ソヴェト映画 20号
|
北星映画パンフレット |
北星映画パンフレット
|
(1951/6/1 ソヴェト映画社) | (1951/12/1 ソヴェト映画社) | (発 行日不明) | (1951/11 /1発行) | |
長らく映像を見ることができずにいたのだが、ある方からご
紹介
をいただいた。デジタル化されてロシアで発売されていた。見ることができたことに感動。教えていただいたことに感謝。古い映画で
あるけれど映像はきわめて鮮明で最初はリメイク版だと思ったほどだ。113分。 |
映画「ムッソルグスキー」特集号。写真とストーリーが巻頭 で紹 介 されている。また、監督のロシャーリの手記、主役のポリーソフの 手記、レーピンについての解説、ムソルグスキーの音楽についての解説もあり、いずれも興味深い。B5判、全36頁。 | 映画「夜明け -ムソルグスキー物語-」特集号。配給会社が決まり、邦題が改められたのだろう。試写会後の識者の座談会、さまざまな解説に加え て、全シナリオがついてい る。この雑誌は、やや思想的な記事もあって、キネマ旬報などとは一線を画す。ソヴィエト映画上映の持つ意味や、強い社会性、人々 のインテリゲンチャを教え てくれる。B5判、全36頁。 | 映画「夜明け -ムソルグスキー物語-」の日本での配給元となった北星映画の作製した宣伝パンフレット。話のあらすじや監督の言葉、評論などが 載っている。B5 判、全8頁。 | 左にあげたものと同じページもあるが、ページも増え、内容豊富になっている。B5 判、全12頁、定価15円。 |
横浜国際劇場 パンフレット |
スバル座パンフレット |
国際出版社 |
ユーロピアン・
ピクチュア・ニュース |
|
(発行日不明) | (1951/12/7 発行) | (1952/3 /21発行) | (発行日不明) | |
横浜国際劇場は舞台と映画の劇場。美空ひばりの初舞台の劇場でもある。 記事の周囲を埋めるのは桜木町や野毛町のお店の広告で、これがなかなか興味深い。12.5 x 26 cm 全8頁。 | スバル座は、1946年に開業し、今でも有楽町スバル座として続く老舗 の映画館。このスバル座のオリジナル・パンフレット。紙質がよく写真も鮮明。解説も適量でもっとも読みやすかった。21 x 20 cm 全12頁。 | 表紙はムソルグスキーが慕うヒロインのアレキサンドラでかなり綺麗な仕上がり。内容は、他の パン フレット と同様の文章がほとんどだが、ムソルグスキー抄傳というページは他では見られないもので好印象。いろいろな映画館に置かれたであ ろうパンフレット。B5 判、全8頁。 | 歐州映画宣傳社の発行。解説はかなりくわしい。ス バル座や横浜国際劇場など映画館ごとに作られたパンフの元文章と思えるものがいくつかあった。表紙はムソルグスキーが慕うヒロイ ンのアレキサンドラ。B5 判、全8頁。 |
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